日常茶飯事に注意を受けてしまいがちな発達障害・ADHD傾向の子ども。衝動性の行動を叱ったり、否定的な注目は子どもの悪目立ちを悪化させるだけではなく、二次障害の危険性もあります。叱るよりも〇〇〇〇で日常生活を肯定的に過ごしましょう! |
【目次】
1.悪目立ちしがちな発達障害・ADHD傾向の子どもは日本のしつけ文化で追い詰められます
2.否定的な注目は子どもの成長を妨げるもと!甘く見るのはNGです!!
3.家庭でのコミュニケーションから学校の問題行動を減らしていきましょう!!
1.悪目立ちしがちな発達障害・ADHD傾向の子どもは日本のしつけ文化で追い詰められます
2学期を迎え、1ヶ月ほど経ちました。お子さんの様子はいかがですか?
新学期を迎え、学校や園生活が慣れて来た頃に先生からの注意が増えてくるということも少なくありません。
せっかく新しい環境で1学期を楽しんでいた子どもも、夏休み明けに否定的な注目が増えていくことで「学校がつまらない」「行きたがらない」というケースも少しずつ出てきます。
幼稚園や学校でふざけているように見える子ども。
特に発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向の子どもたちは、一斉指示が通っていないことが多く、集団生活の中で悪目立ちをしがち。先生からの注意を受けることが日常茶飯事になり、ときには問題児扱いをされてしまうこともあります。
周りの行動から外れている場合、”場を乱しているのだから叱られて当然”だと思われますか?
日本の「しつけ」は「周りと異なる行動=間違い」という価値観で、その「間違い」を正すために「否定的な注目をして正そうと促す」ことばかりです。
そのしつけの文化こそ発達障害・グレーゾーンの子どもたちの生きづらさを象徴する原因のひとつ。
場を乱しているから叱る。というような否定的な注目は子どもにとってはただのマイナスな対応でしかありません。
では、どうして否定的な注目がNGなのでしょうか?
2.否定的な注目は子どもの成長を妨げるもと!甘く見るのはNGです!!
集団生活の中で否定的な注目の代表といえば、学校などでは「やるべき場面」で「やっていない、できていないこと」を注意されることが主ですよね。
発達障害・グレーゾーンの子どもの悪目立ちは衝動性からきているものが多く、本人にとっては無意識で突然その場で注意をされるため、悪気のないことまで怒られてしまっているような状態です。
さらに周りの子どもたちからも「いつも叱られている子ども」だとうつり、次第にからかいの対象となり集団生活にストレスを抱えていく場合もあります。
困っているのは子ども本人!だけれど、SOSの出し方すらも分からない子どもは、一人で荒れる形でもがき始めます。
ストレスを抱えている状態だと家の中でもなんだかイライラしていつもよりも怒りっぽく感じたり、きょうだいゲンカが激しかったり。
そんな様子をみた家庭内の親御さん、祖父母からも注意されることも増えて行き、更に荒れてしまうという悪循環となってしまいます。
否定的な注目をされ続けることで脳の中で拒否反応が起こりこれまで当たり前にできていた行動さえもできなくなってきてしまうのです。
こういった症状が見られたら二次障害を防ぐためにも早め早めの対策が必要になります。
そんな荒れた子どもの様子が見られたらどうしたらいいのでしょうか?
3.家庭でのコミュニケーションから学校の問題行動を減らしていきましょう!!
学校での悪目立ちを聞けばついつい「ちゃんとやらなきゃだめだよ!!」と言ったり、理由を聞いたりしがちですが、否定的な注目をされ続けることが原因で集団生活が上手くいっていないとしたら?
そんな視点に切り替えると、家庭では子どもが心から安らげる場所を作ってあげたくなりますよね。
そんなとき、鍵になるのはお母さんです!
お母さんは特にお子さんの変化には敏感だと思うので、少しでも荒れてしまうと、最近どうしちゃったの??と感じられる方もいらっしゃるかと思います。
そういうときこそ、まずは家庭をやすらぎの場とするべくコミュニケーションを整えていくことが重要です。
では、どのような対応をすればいいのでしょうか?
まずは、絶大な褒め効果も生み出す実況中継です!
朝起きたら
「おっ!一人で起きれたんだね♪」
「お着替えしてるね」
「ご飯たくさん食べてるね」
「宿題してるんだね!」
できていること自体が当たり前に思うかもしれませんが、生活リズムで本人が身についていることこそしっかりと実況中継してあげるだけでも本人にとっては褒め効果同然。
お母さんもわざわざ褒めポイントを待つ必要がありませんし、実況中継ポイントならありふれていますよね。
学校でも家でも叱られてばかり…
我が子に褒めポイントなんてないわ!なんてお母さんにこそぜひ実践してもらいたいと思います。
家庭内で祖父母が同居されているケースだと、子どもが荒れていると必然的に無意識に叱る大人が多い状況となってしまいます。
そんなご家庭には、実況中継が子どもの荒れた状態を落ち着かせるためのものであることを説明し、普段叱りたくなるところをぐっとこらえて、しばらく様子を見ていただくか、一緒に実況中継してもらように協力していただくことをおすすめします。
そうすると、少しずつお子さんの様子が穏やかに感じられてくることと思います。
それこそ、物事の指示を聞き行動を移しやすい状態になってきている証拠です。
家で子どもが荒れていなくても、学校で問題が起こってきている場合は特に、意識的に家庭を安心できる場所にしてあげることが鉄則です。
集団生活での悪目立ちが増えてきたお子さんには、ぜひ簡単な実況中継から試してみてくださいね。
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執筆者:岩下まい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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