ADHD小学生の暴言を吐く攻撃的な子どもに悩んでませんか?ADHD小学生の暴言は、「暴言のスルー」「代弁」「褒め」を使った会話で落ち着きます。気持ちをうまく表現できない子どもの心の声に気づき、落ち着かせるための親子の会話術をお伝えします。
【目次】
1.ADHD小学生暴言を吐く攻撃的な子どもに怯えていませんか?
2.発達障害暴言を吐く小学生の息子を力づくで抑え込もうとしていた私
3.ADHD小学生が暴言を吐くのは、言葉で表現することが苦手なだけ
4.ADHD小学生の暴言をストップさせる親の会話術
①ADHD小学生の暴言はスルー
②気持ちを代弁する
③今できていることに注目して褒める
5.息子の変化成長
1.ADHD小学生暴言を吐く子どもに怯えていませんか?
毎日子どもの事を考えて良かれと思って子どもに声をかけている言葉に対して、「うるさい!黙れ!」と子どもが暴言を吐いてくることがありますよね。
子どもが暴言を吐く理由は、親からの一方的な指示だしが原因です。
親からしてみれば、子どもが困らないように…と思って声をかけているのに、何でうるさいって言われないといけないの?
そんなキレて暴言吐かれるようなことは言ってないのにどうしてだろう…と困惑しますよね。
子どもに声をかけるたびにイライラした態度や暴言を吐かれることが多くなると、何を話せばいいのかわからなくなりますよね。
こんな状態が続くと、心身ともに疲れ果ててしまうお母さんも多いと思います。
次では、親が一方的に指示を出すことで子どもにどんな悪影響があったのか、我が家のケースを例にお話しします。
2.発達障害暴言を吐く小学生の息子を力づくで抑え込もうとしていた私
我が家の場合は、日頃から息子に「宿題やったの?」「忘れ物ないの?」「早く寝なさい」など事細かに指示を出していました。
最初は「うん」と渋々ながらも聞いていたのが次第に無視するようになり「うるさい。黙れ」と母親に暴言を吐く息子になっていきました。
今まではブツブツ言いながらでも聞いていたのに、最近は全然聞かない。
「もっと厳しく叱らないと言うことを聞かないんだ!」と思い 毎日厳しく叱り続けた結果、息子は暴言だけでなく暴力をふるうようにまでなってしまいました。
私は「ここで子どもになめられたらダメだ!」と思い引き下がらずに言うことを聞くまでケンカをし、取っ組み合いのケンカにまで発展する毎日でした。
私は間違ったことは言ってない!子どもにちゃんと物事の良い悪いを理解させるべきだ。
何としてでも言うことを聞かせるべきと力づくで抑え込もうと必死になっていました。
このように我が家の場合は、親が子どもの行動に一方的に指示出しをした結果、暴言だけでなく暴力にまで発展する結果となってしまいました。
3.ADHD小学生が暴言を吐くのは、言葉で表現することが苦手なだけ
注意欠如多動性障害(ADHD)小学生が親に指示出しされるとすぐに暴言、暴力に発展する理由は、脳の特性から感情のコントロールが難しいためです。
そもそも(ADHD)傾向の子どもは、自分の感情を抑えることが苦手という特性を持っています。
もともと子どもは心身ともに発達段階であるため、感情をコントロールすることが苦手なのは当然です。
ただADHDの子どもは他の子よりも 感情をコントロールする機能の発達が少しゆっくりなため、なかなか自分の感情をおさえることができないのです。
子どもが「宿題やりなさい!」と言われてイライラするのは、「宿題をやらないと親に叱られる」ことを子ども自身が十分理解しているからです。
ですが、脳の特性からイライラの衝動を抑えられなくなっています。
その抑えきれない衝動を暴言、暴力という形で表現しているだけなんです。
4.ADHD小学生の暴言をストップさせる親の会話術
ADHD小学生の暴言をストップさせるためには、「暴言はスルー」「気持ちを代弁する」「褒める」の3つを意識した会話をすることで暴言をストップすることができます。
ADHD小学生の暴言は、自分の気持ちを理解してもらえないと感じることで起こります。
暴言暴力がエスカレートして母親に暴言を吐くだけでなく外でお友達を傷つけるようなことになるまで発展させたくはありません。
今まで色々な場面で親から注意を受け叱られることが多い子どもは、自分のことを理解して欲しい、認めて欲しいと思っています。
そんな子どもの気持ちを理解して落ち着かせる親の会話術を3つお伝えします。
◆①ADHD小学生の暴言はスルー
ADHD小学生の暴言は、子どもの気持ちを全て吐き出させるためにスルーします。
どんなに聞くに堪えない暴言を吐いていたとしても、一旦その気持ちを受け入れ黙って聞きます。
つい注意したり止めたくなりイラっとしますが、子どもがキレだしたら自分が何をするか決めておけば、暴言を吐く子どもに注目せずにすみます。
例えば、別の部屋に行く、好きな音楽を聞く、鍋をピカピカに磨く・・・とやる事を決めておけば、自分の気持ちを子どもにぶつけることがなくなりますよ。
注意しないといけないのは、周りの人が傷つくような本当に危険な場合だけです。
それ以外は注意をせずにスルーしていくことで、子どもの気持ちも落ち着いてきます。
◆②気持ちを代弁する
暴言は自分の気持ちを理解して欲しい事から起こります。
親は子どもが暴言を吐きたくなる真の理由を理解し、子どもの心の奥底にある本当の理由を代弁してあげることで暴言はなくなります。
親が代弁することで子ども自身も自分の気持ちを理解することができ、親に理解してもらえたと認識することができます。
これを繰り返していくことで、自分の気持ちを暴言という形でしか表現できなかった子どもも次第に自分の気持ちを言葉で表現することができるようになります。
親は子どもが怒っている「真の理由は何だろう?」という視点で観察し、その気持ちをしっかり代弁してあげることで暴言は吐かなくなっていきますよ。
◆③今できていることに注目して褒める
暴言を吐くような子どもでも、必ずできていることがあります。
叱られることで自信をなくした子どもの自信を取り戻すために、今できていることを「褒める」ことが大切です。
子どもは暴言を吐くことで叱られ続け、自分はダメなんだと自信をなくしています。
だからこそ当たり前にできていることを「褒める」ことで、自信を取り戻せます。
すぐにキレて暴言ばかり吐くのに何を褒めればいいの?となりますが、朝起きた、歯磨きした、服を着替えられた・・・毎日当たり前のようにしていることを褒めればいいんです。
子どもが落ち着いているタイミングでしっかり「褒める」関わりをすれば自信を取り戻し、暴言もなくなります。
そして自信がつくことで、できないことにもチャレンジしてみようという意欲が湧いてくるようになりますよ。
子どもが暴言を吐いている時は一旦スルーし、落ち着いたタイミングで気持ちを代弁し自信を取り戻す会話をしていくことが大切です。
そして自信を取り戻すために今できていることを「褒める」ことが必要です。
次でこの3stepを実践した息子の変化成長をご紹介しますね。
5.息子の変化成長
我が家の息子の場合も暴言を吐き攻撃的な態度をとっていました。
そんな態度の息子に私は褒めるところなんてない!と思っていました。
「ご飯できたよ」と息子を呼べば「うるさい!今無理やろ!」とキレられることも度々。
そこで私は「まぁいいかぁ」くらいの感じで特に怒るわけでもなくスルーしていました。
するとキリがついたら子どもは自然とご飯を食べにきます。
この時に「ご飯食べに来たんだね~」と今できている行動を褒めます。
そして落ち着いて会話ができている時にさりげなく「さっきはゲームの試合中だったの?」とすぐにご飯を食べに来れなかった状況を聞いてみます。
すると息子は「うん。さっきは試合中であともう少しで勝てそうなところだった」と状況を話してくれるので、「そっかぁ。それはすぐにはゲームやめれないよね」と気持ちを代弁して伝えます。
また「おかえり」と言ってくれた時は、「おかえり~って言ってくれると疲れが吹き飛ぶわ。ありがとう」と伝るようにしました。
このように「暴言はスルー」「気持ちを代弁する」「褒める」の3stepを実践し「今できている事は何かな?の視点で見ると、たくさんできていることに気がつくことができます。
これを継続的にしたことで、息子が暴力をふるうことはほとんど無くなりました!
暴言はまだ少し残ってはいますが、落ち着いている時は自分の気持ちを話してくれるようにまでなりました。
息子が自分の気持ちを話してくれるようになったのは、自分の事を見て欲しい、受け止めて欲しいという欲求が満たされたからだと思います。
子どもの今できていることに注目して「褒める」ことをすれば、子どもの欲求は満たされどんな激しい暴言や暴力も必ずなくなります!
子どもの「できていないことはスルーして、子どもの心の声を代弁しつつ今できていることは何か」を意識してしっかり「褒める」こと!
この1点を意識することで、ビクビクした親子関係から楽しい親子関係が作れるようになりますよ!
子どもの「やる気」を引き出す会話術を多数ご紹介しています!
執筆者:平野可奈子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)