発達障害の子の歯磨きの対応に、苦労しているママははいませんか?アスペルガー傾向の子に多い感覚過敏。歯磨きのたびに、嫌がったり、大泣きする子どもも少なくありません。今回は、簡単なママの声掛けで、歯磨きに効果のあった方法をご紹介いたします。
【目次】
1.発達障害の子の歯磨きの対応に苦戦!
2.アスペルガーの子に多い歯磨きを嫌がる理由とは?
3.感覚過敏を持つ子へのママの対応とは?
4.子どもがニコニコしちゃう歯磨きの声掛け!
◆ずーっと「いい!」と言い続ける
◆ストーリー仕立ての声掛け
1.発達障害の子の歯磨きの対応に苦戦!
発達障害を持つお子さんだと、歯磨きを嫌がる事はありませんか?
癇癪を起して暴れたり逃げ回ったりと、対応に苦労しているママもいらっしゃるのではないでしょうか。
かく言う我が家のアスペルガー傾向の3歳の子どもも、歯磨きタイムになると例外なく暴れて逃げ回るタイプです。
どうしようもないので、手足を押さえて歯磨きをする事もしばしばあります。
朝は時間がないのにもかかわらず、歯ブラシを見るや否や逃げ回って鬼ごっこ状態に…
歯磨きが大嫌いな我が子は、最終的にはダンゴムシのようにうずくまって全力拒否!
なんとか引き剝がして仰向けにさせ、押さえつけて歯磨きをする毎日で、私の手首は筋違いを起こしていました。
当然毎日イライラが止まりませんでした…同じくらいのお子さんで、自分から歯磨きをしている子を見ると、羨ましく感じてしまう事も。
しかし、発達障害の子には、歯磨きの対応を嫌がる理由がちゃんとあったのです。
2.アスペルガーの子に多い歯磨きを嫌がる理由とは?
まず、歯磨きを嫌がる代表的な理由として考えられるのが、発達障害の子に多い感覚過敏です。
特に、「触覚」の過敏さが強い子は、歯磨きの対応をとても嫌がります。
髪の毛を切るのが苦手、爪切りが苦手、新しい帽子や服を嫌がるなどの特徴は、触覚過敏の子に多いです。
大変なのは、触覚過敏があると、防衛反応が起きてしまうことです。
この、「触覚防衛反応」と呼ばれる拒否反応によって、動物的本能として、急所に触られると、過剰に反応したり泣いたり暴れたりしてしまう事があります。
だから、口の中も触れられるだけで、大騒ぎしてしまうのです。
3.感覚過敏を持つ子へのママの対応とは?
では、感覚過敏の子の防衛反応にはママはどのように対応したら良いのでしょうか。
脳が育ってきて「感覚」や「理解」の部分が成長していくと、歯磨きの意図を理解できるので、「感情的になる」事は自然と落ち着いてくると思います。
この「理解」の部分を上手くサポートするために、必要な事は、ママの「上手な声掛け」で行動をナビゲートする事です。
いかに、ママが発達障害の子の感情を刺激せず、上手に歯磨きの対応をするかが大切になってきます。
例えば、ママが歯磨きで声掛けをする時、
「上手だね!えらいね!すごいね!」
と言った、褒める声掛けを続ける事が多くないでしょうか?
でも、子どもが口を開け続けている間に、ずっと「えらいね、上手だね」と言っていると、「状況」と「褒め言葉」が段々見合わなくなって、徐々にママの気持ちが疲れてしまう事があります。
なんだか、やけにおだてている様で、後半は無理して褒めるという感じになってはいないでしょうか?
でも本当は、苦手な事を頑張っているのだから、ママだってちゃんと褒めてあげたいですよね。
何より、頑張りを肯定されると、子どもは嬉しくなるものです。
ママが上手に楽ちんに、褒める声掛けを使えば、アスペルガーの子どもだって、親子で穏やかに歯磨きをしてくれる事が出来るのです。
今回は、今日からでも簡単にできる、歯磨きに効果のあった声掛けをご紹介いたします。
4.子どもがニコニコしちゃう歯磨きの声掛け!
発達障害の子に、ニコニコで歯磨きしてもらう対応。
それは、「笑顔と褒める声掛け」です。
ママの笑顔は最強なので、アスペルガータイプの子どもには、まず、視覚でポジティブな気持ちを伝えるのが効果的です。
そして、声掛けですが、我が家で効果のあった対応をご紹介します。
◆ずーっと「いい!」と言い続ける
まずは、ママが仕上げ磨きをする時に、子どもが口を開けてくれたら、
ずーっと「いい!」と言い続ける方法です!
「いいねー。いい!いいよー。おお!いいねー!あら!いいねー!」
と子どもが口を開けている間、ずっと言い続けます。
女子高生が、お買い物などで、ずっと「かわいい」を連呼している状況に似ているのかもしれません。
つまり、「いい」は事実の肯定のみで、ママが褒め続けても疲れないのがメリットです。
この対応で、我が家のアスペルガータイプの子どもも、仕上げ磨きをしても、嫌がらずに受け入れてくれるようになりました。
◆ストーリー仕立ての声掛け
もう1つ効果があったのは、ストーリー仕立ての声掛けです。
虫バイキンをやっつけるぞー!と言ったストーリーを語りながら、今日、子どもが食べたお菓子や、ジュース、おかずなどを物語に織り交ぜて話しました。
バイキン:「虫バイキンも、まだまだ食べたいよー」
バイキン:「〇ちゃんと一緒に、じゃがりことか、納豆巻きとか、食べたーい!」
ママ:「ダメダメ。虫バイキンさん、お家に帰って!」
などと、創作の物語をお話しすると、ニヤニヤ顔で喜んで歯磨きをしてくれました。
これらの声掛けで、歯磨きで大泣きだった我が子は、ニコニコ顔で歯磨きする時間が増えたのでした。
発達障害の子にとって、毎日の歯磨き対応は、大切な生活習慣で、苦手でも避ける事ができませんよね。
アスペルガーで触覚過敏があっても、効果があったので、この声掛けをぜひ試してみてください。
ニコニコな歯磨き時間を増やして、少しでも、子どもとの楽しいコミュニケーション時間になる事を願っています!
療育の効果を倍増させる!発達が気になる子への効果的な対応の秘訣をメルマガでお伝えしています!
執筆者:さとうゆか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)