一度何かを始めると、それに熱中して周りの声が何も聞こえなくなる。そんな過集中のギフテッドの子どもに話を聞いてもらうのは至難のワザですよね。ママのシンプルな声かけで子どもが嘘のように耳を傾けた、とっておきの方法をご紹介します!
【目次】
1.一度始めたら最後!?ギフテッド・発達凸凹の過集中
私の息子はギフテッドで発達凸凹のある小学6年生。
興味のないことにはまったく目を向けないけれど、ひとたび興味を持つと、時間を忘れて深く深く入り込んでいくタイプ。
あれ、静かだな…?と思って様子を見てみると、いつもパソコンやiPad、電子辞書などに集中してのめり込んでいます。
音声が漏れないようにイヤホンをしていることが多く、こちらが何か話しかけても、まったく気がつかない状態。
放っておけば何時間でも、トイレにも行かずおやつも食べず…。
けれど目はずーっとキラキラ。続けている限りは疲れている様子などまったくありません。

「話したいことがあるんだけどなぁ…」
「そろそろやめる声かけをしないと…」
そう思いながら、いつも時間だけが過ぎていきます。
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2.とことん集中させたままにするとどうなるの?
過集中とは、文字どおり「集中しすぎること」です。
ギフテッドに限らず、過集中は発達障害の注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性として挙げられることも多く、自閉症スペクトラム症(ASD)にも認められると言われています。
集中できること自体は素晴らしいのですが、日常生活の中ではそれもバランスの問題。
脳の過度の疲れにつながり、心身の安定を妨げる原因にもなります。
そして何よりも、一つのことに時間をとられすぎるために、生活のリズムが簡単に乱れてしまうのです。

息子の場合も、過集中のあとは、
・ドッと疲れが出て不機嫌になる
・次のことになかなか取りかかれない
・興奮がおさまらず、頭の中が切り替えられない
といった生活に支障をきたすような状態になってしまうのが常です。
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3.子どもにも大好評!成功体験が増える最高にシンプルな声かけ
そんなある日、私がふと思いついてやってみた声かけ法があります。
そしてそれが意外にも効果バツグンだったので、ここで紹介させていただきますね。
やり方は簡単!
集中している息子の視界に入るか入らないかのところに人差し指をそっと立てて、
「1分だけ時間もらっていい?」
と笑顔でゆっくり話しかける。これだけです!
すると、パソコンの画面に集中していた息子がスッと私の方に向き直り、
「いいよ!なに?」
と即座に中断してくれたのです。
私はすかさず、その日のスケジュールについて、
「このあとAとB、どっちからやる?」
と息子にきいて選んでもらい、
「じゃあ、あと何分でやめようか?」
と残りの時間を息子に決めさせ、タイマーをセットさせました。
このスムーズさに、自分でもびっくり。
そしてさらにうれしいことに、
「『1分だけ』っていうの、いいね!」
と、息子にも大好評だったのです。

成功した理由としては、
・笑顔でゆっくり話しかけるため、「何だろう?怒ってないし聞いてみようかな」と思ってもらえる
・時間の見通しが苦手な息子にも、「1分だけ」という言い方ならわかりやすい
・「1分だけ」と言ったお母さんにとっても、「手みじかに話そう」という心構えができる
などが考えられます。
また、お母さんが実際にその1分間をタイマーで計ってみるのもおすすめです。
もし時間ピッタリに終わらなかったとしても大丈夫。
お母さんがタイマーを使って時間を守ろうとするところを見せることで、子どももそうすることを少しずつ学んでいくからです。
そして、さわやかな成功体験として子どもの脳に記憶させるためにも、その1分間の内容は叱ったりすることではなく、「子どもへの相談」の形にすること。
子どもが自分で選び、決めたとおりに行動する=自己コントロールの練習を積み重ねるチャンスだと考えましょう。
ケンカや言い合いで終わらない、気持ちのよい親子のコミュニケーションのためにも、ぜひ一度試してみてくださいね。
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執筆者:片山 さち
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)



