事あるごとにすぐ「学校休む!」と癇癪を起こし登校を渋る、怒りっぽい発達障害の子ども。いつ学校を休むと言い出すかビクビクすなんてことはありませんか?そこで今回、「学校休む!」と言い出したのに気持ちを切り替えられた対応をご紹介します。
【目次】
1.発達障害の娘が地雷を踏まないように気をつけていた日々
2.怒りっぽい娘がまた言い出した「学校休む!」
3.問題解決は急がない事とイライラに巻き込まれない事
4.イライラする気持ちに共感するとみえてくる!言動と気持ちのズレ
5.ママが子ども専属のカウンセラーになる
1.発達障害の娘が地雷を踏まないように気をつけていた日々
発達障害のある小学5年生の女の子。
こだわりが強く、怒りっぽい。気持ちの切り替えや気持ちを言葉で伝えることが苦手です。
そんな娘も発コミュを始めてから、不登校を乗り越え、学校が好きになったと話すようになりました。
しかし、ちょっとしたことで事で機嫌を損ね、「学校休む!」と言っては怒り出します。
そして一旦機嫌を損ね、休むと言い出したらもう手遅れ。
なぜ休みたいのかを伝えられず、イライラした気持ちを切り替えられず、どんどんと機嫌が悪化。人や物にあたり、最後に癇癪を起こしてしまいます。
ですから、無事学校に着くまではなんとか地雷を踏まないようにと、私はいつもピリピリしていました。
娘のイライラを敏感に察知し、イライラに気が付くとつられて私もイライラする。なんとか早く機嫌を直して欲しいと、思いつく限りの提案をしていました。
好きな食べ物を出す、テレビをつける、ご褒美の提案や、ちょっとした遊びへの誘導など、あの手この手を試していました。
機嫌が直るときもありますが、ほとんどの場合は娘のイライラはどんどん増して、手に負えない程の癇癪に発展します。
仕事や下の子の送迎時間も気になるため、「どうか機嫌を崩さないで!学校休むなんて言わないで!」と願い、神経を張り巡らせる日々を送っていました。
2.怒りっぽい娘がまた言い出した「学校休む!」
そんなある日、朝からまたイライラしている娘に私は早めに機嫌を取ろうと頑張りました。
気が付いていない振りをして、機嫌を直すためにどうしようかと考えて色々と提案しましたが、落ち着きません。
時間を取られたくない、早く問題を解決したい私は、イライラを隠し切れないまま「イライラするの?どうしたの?」と寄り添いました。
私のイライラが伝わっているのか、落ち着かない娘はやはり「学校休む!」と怒り出しました。
いつもならそれでも提案を繰り返していたのですが、その日はそこまでする元気がありませんでした。
私は頷いた後、そっと娘から離れ家事に取り掛かりました。
3.問題解決は急がない事と子どものイライラに巻き込まれない事
離れて用事を始めると、娘のイライラに巻き込まれていない自分に気がつきました。そして私は大事な事を2つ思い出したんです。
◆①感情やイライラに巻き込まれてはいけない
イライラは近くにいる人に伝染しやすいという性質があります。
私がイライラに巻き込まれてイライラすると、娘はさらにイライラするという事です。
こんな時は子どもの言動や振る舞いに惑わされず、一旦様子をみるに限ります。
◆②性急に手を打とうとせず、大人側の思いを一時保留する心の余裕を持つ
焦って色々と提案するなど、問題解決を急いでも状況は悪化します。
なぜイライラしているのか、学校に行きたくない理由は何か、つい聞きたくなります。
質問攻めにして、「じゃあこうすれば?」と答えを言いたくなります。
しかしその思いに一旦ふたをします。
そしてなぜイライラしているのか理解しようと努めます。
大人の思い、つまり「遅刻せずに学校へ行って欲しい」という私の思いは、一旦保留するという事です。
イライラに巻き込まれそうになった時に、子どもと距離を取った事で自分の気持ちをリセットできました。
自分の心に余裕を持てた事で大事な事を2つ思い出せました。
そして私は以下のような行動をとりました。
4.イライラする気持ちに共感すると見えてくる!言動と気持ちのズレ!
私がした行動、それはとてもシンプルです。
ただ穏やかな顔で傍にいたというです。
ただそれだけですが、ポイントがあるので以下にお伝えします。
・イライラしていることを認め、イライラする事自体は悪い事ではないと、イライラしている子どもを受け止める
・子どもに安心感を感じさせる(作り笑顔では子どもにバレてしまいます)
・イライラの原因や学校へ行きたくない理由を理解しようと努める
・行きたくない理由を無理やり聞き出そうとしない
・現状と無関係な機嫌取りをしない
・焦って色々と提案をしない(特に学校へ行かせようとするような提案)
私が用事を始めてしばらくすると、休んでいいのかを試すように、娘は怒りながらまとわりついてきました。
そこでイライラしていることを認め、娘が安心できるように、穏やかな顔で傍にいました。
機嫌を取るような提案はせず、行きたくない理由はもちろん聞きませんでした。
好きな体育がある日だったので、「好きな体育があるのにいいの?」などと学校へ行きたくなるように仕向けた質問や自分の考えを伝えるのはやめました。
すると、急に娘は話し始めました。
「運動会の練習で裸足になるのが嫌!だから、今日は休む!」
行きたくない気持ちと理由を語れました。
そうと分かれば、つい提案をしたくなりますが、同じです。
まずはその気持ちを受け止め、「そうだったんだね」と穏やかな顔で傍にいました。
するとしばらくすると、また急に表情が変わり、「じゃあ、ご褒美くれる?それなら頑張れそう!」と言い、さっと用意をして機嫌よく学校へ行きました。
いつもなら癇癪で気持ちをぶつけていた娘が、気持ちを言葉で伝え、気持ちを切り替えて次の行動へ進みました。
「学校休む!」と言って怒るという、言動。
その言動の裏には、「学校に行って運動会の練習はしたいけど、裸足は嫌だし、いったいどうしたらいいの?」という気持ちが隠れていました。
本当に学校を休みたかった訳ではありませんでした。
イライラする気持ちに穏やかな顔で傍にいて共感すると子どもは安心し、気持ちを伝えられました。
気持ちを分かって貰えた安心感から、気持ちを切り替え次の行動へ移れました。
その結果私は、言動と気持ちのズレに気が付きました。
5.ママが子ども専属のカウンセラーになる
すぐ「学校休む!」と癇癪を起こしていた娘が、気持ちを言葉で伝え、気持ちを切り替えられるようになりました。
子どもが「学校休む!」と言ったり怒ったりする言動の裏には、単に学校を休みたいとういうだけではなく、「本当は行きたいけど…」という、また違った気持ちが隠れている場合があります。
言動に惑わされず、その裏の気持ちに気づけるようになることは、子どもとの信頼関係を築くうえでも、とても大事だと感じます。
日々の学校生活、嫌な事やしんどい事、苦手な事はいくらでも転がっています。
そしてその事の重大さ、感じ方は個々によって違います。
自分にとっては些細な事でも子どもとっては、身近な人が亡くなった時と同じ位嫌な出来事かも知れない。
その出来事から気持ちを切り替えるには、また時間がかかります。
自分なら数秒で納得し切り替えられる事でも、子どもにとっては何日もかかる事かも知れない。
その解決をするために、プロのカウンセリングを受けることは可能かも知れません。
しかし日々起こる問題を解決するには、一番近くにいるママがカウンセリングできれば何倍も早く解決すると思います。
カウンセリングをするうえで、欠かせない技術の一つが共感です。
イライラする気持ちに巻き込まれず、穏やか顔で寄り添い、共感する。