思春期で反抗的な子といい親子関係を築くための“やめるべき言葉”とは?

 

思春期で反抗的でキレやすい子どもになってしまうかどうか、親のかかわり方にかかっていることを知っていますか?キレやすい脳は強化されて、二次障害に発展することもあります。お子さんといい親子関係を築いていくために手放したい言葉お伝えしますね。
 

【目次】

 
 

1.今は時間の進み方が親の世代とは異なっています

 
 
私たちが子どもだったころとは比べ物にならないほど忙しく、今の子どもたちは毎日を過ごしています
 
 
昔は友達に電話するのも、お家にかけて取り次いでもらったり、待ち合わせも相手が来るまで、まだかな、とドキドキしながら待ったり。
 
 
今はスマートフォンが普及し、いつでもどこでも居場所が把握でき連絡が取れる時代になりました。
 
 
子どもたちの中で「待つ」という概念が育ちにくいです。友達とのやり取りも学校だけでなく、家にいながら常にとれます。便利な反面、心が休まるときはありませんね。
 
 
時間に追われるように過ごしがちな現代社会は、キレやすい子どもが多いと言われています。
 
 
 
 
子どもにアンガーマネジメントを身につけたいと思われている親御さんもおられるかもしれませんね。
 
 
でも、残念ながら、キレやすい子どもになってしまうかどうかは、親のかかわり方にかかっているといわれているんですよ。
 
 
あまり認めたくないけど、そうかも…と思われた方も多いかもしれません。
 
 
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2.生まれてからの環境がキレやすくなるかどうかに関わっている?

 
 
一般的に、情緒が安定した子どもになるかどうかの第一段階は、生まれてから3か月くらいの間に決まるそうです。
 
 
生まれたばかりの赤ちゃんは音も聞こえて匂いも感じられるけど、まだ言葉を発することも動き出すこともできません。できるのは泣くことだけです。
 
 
親はその鳴き声を聞いてしっかりと赤ちゃんの不安を察知して、おむつを変えたり、ミルクをあげたりすることで、赤ちゃんの不快を快に変えていきます。それによって、赤ちゃんは安心して穏やかになっていきます。
 
 
この3か月の間に、例えば未熟児で生まれたり、病気があったりして、親から離れる経験をした子どもは、分離不安を生じやすくなるといわれているんですよ。
 
 
ですから、生まれてから3か月の間の親子の接し方はとても大事なのです。
 
 
その後は、ミラーニューロンという神経細胞の働きによって、親の行動を見て、その行動をまねていくようになります。
 
 
だから、親の口癖や言い訳などもまねてくるのです。子どもが親と同じようなことを言っていて、ドキッとしたことはないでしょうか?
 
 
一般的に、おっとりした親御さんのお子さんは落ち着いている傾向で、せっかちな親御さんのお子さんは待てない傾向などがありますね。
 
 
私自身はせっかちな子育てを14年半もの長い間していたので、10代の息子たちも、「早くして」が口癖になっています。
 
 
親が待てないと、どうしても子どもの行動にイライラしがち。それが子どもにも伝わっていって、子どももイライラしがちになったり、怒りやすくなったり、という環境になってしまいます。
 
 
 
 
すぐ怒りを爆発させてしまうキレやすい脳は、何度もその行動を行うとますます強化されていきます。そうなると、イライラが止まらなくなり、場合によっては二次障害に発展することもあるのです。
 
 
だから、このキレやすい脳は一刻も早く落ち着かせてあげることが必要になります。
 
 
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3.イライラしがちな子どもにどう対応するべきなの?

 
 
今まで過ごしたきた環境を急に変えるのは難しいかもしれませんが、イライラしがちな子どもと、どうやって関係を育んでいけばいいのでしょうか?
 
 
それは、まず、子どもを責める前に自分の行動を振り返ってみてください。お子さんにどんな声かけをして今まで生きてきたか、を。
 
 
振り返りができたら、子どもと対話することにトライしてみましょう。そのとき、大切なことは親が自分の欲求や気持ちと子どもの気持ちを分けて考えてみることです。
 
 
あなた(子ども)のためと言いながら、私(親)のために指示していることはありませんか?
 
 
過干渉な親は無自覚に子どもに指示命令をしていることが多いです。
 
 
子どもが聞く耳を持てない状況で指示命令を言い続ける親は、言うことにきかない子どもに疲れ、余計に親子関係を悪化させてしまいがちです。
 
 
このとき、子どもの脳には親の指示や命令は届いておらず、いらだつ親の表情や声色、親がキレていることだけを情報として受け取ってしまい、親に対するイメージが悪くなり、ネガティブな記憶に定着されていきます。
 
 
そして、親が腹を立てて、ますます口うるさくなる…と負のループに突入です。
 
 
負のループを抜け出すためには、子どもとの対話をしっかり行わないといけないのです。
 
 
 
 
反抗的な子どもが動きたくなる対話や、子供が行動をコントロールできるようになる対話は、親から「わかってもらえている」と子どもが満足感を感じる対話なんです。
 
 
子どもが満足感を得る対話には、親が使うべきではない言葉があるので説明しますね。
 
 

4.思春期で反抗的な子どもに絶対“やめるべき言葉”とは

 
 
子どもと対話する前には、親はまず自分の状態を落ち着つかせてから会話を切り出してほしいです。そして、対話のときには”使うべきではない言葉“がありますので、覚えておいてくださいね。
 
 
 
 

◆①事実を確認する前に決めつける言葉

 
 
「あなた、〇〇したんだって?」 「ちゃんと話聞いていないでしょ?」
 
 
などの決めつけられる言葉を子どもは一番嫌います。
 
 
では、どう会話を始めたらいいのでしょうか? それは事実をそのまま聞くようにするんです。
 
 
ゲームをしている子に、「まだゲームしているの?」という言葉でなく、「何しているの?」と、子どもがしていることに興味をもって尋ねるところから会話をスタートします。
 
 
すると、「今から勉強するところだった」などと答えてくれます。そうしたら、「勉強するところだったんだね」と聞いた内容を繰り返します。
 
 
このときのポイントは、子どもの決めた行動に口出しをしないことです。
 
 
「勉強するところだったんだね」をゲームを先にして大丈夫なの?と疑うような声色で言われると、「せっかくやろうと思ったのに、ママが言うからもう勉強をやめた」と言われることになりかねませんので、この子はゲームの後勉強することに決めたんだ、と子どもを認めて返答してくださいね。
 
 
WHAT「何」を上手に使うと、相手に気づきを与える言葉になりますよ。
 
 

◆②気持ちの代わりに「なんで?」を使う言葉

 
 
「なんでそんなこと言うの?」
 
 
など、「なんで」という言葉によって、子どもを責めてしまうことがあります。
 
 
でも、これは子どもの理由が聞きたいのではなく、お母さんはそんなことをすると悲しい、というニュアンスが含まれていると思います。
 
 
子どもに誤ったメッセージを送らないためにも、Iメッセージ(私は、私がを主語にする)を使って、「お母さんはそんなこと言われると悲しいな」と伝えてくださいね。
 
 
Iメッセージにすると相手を責めるようには聞こえませんので、子どものほうも親の気持ちを受け入れやすいと思います。
 
 

◆③物事を否定的に伝える言葉

 
 
「ルールを守らないんだったら、もうやらないで!」
 
 
など、否定的な言葉を使っていると子どもの脳はうまく育ちません
 
 
では、どんな言葉に変換したらいいでしょうか?
 
 
この言葉は否定に否定を重ねてしまっています。特にこちらに気持ちに余裕がないときやイライラしているときなど、使ってしまいがちです。 しかし、冷静に考えてみると気分のいいものではないですよね。
 
 
そこで、肯定と肯定の組み合わせに変えてみましょう。
 
 
「ルールを守ったらもっと遊べるね」
 
 
約束が守れていない、とイライラする気持ちもわかりますが、そこは一呼吸おいて冷静になって、肯定の言葉を使ってみませんか
 
 
否定的にとらえる言葉がけが続いてしまうと、自分のことをわかってもらえない不満が溜まっていきます。親子での対話も難しくなり、親子関係もぎくしゃくしてしまうでしょう。
 
 
子どもの自己肯定感が低くなると、ひきこもりなどの二次障害に発展することもありますので、お子さんへの言葉がけを再度意識し直してほしいです。
 
 
言葉がけを変えることで、お子さんと対話するきっかけを作ることができますよ!ぜひ、試してみてくださいね。
 
 
 
 
 
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執筆者:宮田かなこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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