ADHD傾向の息子は、多動性、衝動性が強い傾向にあります。息子にとって、車内で座ってじっとしていることは難しいのかもしれません。 息子との車での外出に困っていた私が、敢えて「叱る」ことで、安全に車移動をできるようになった記録をお伝えします。
【目次】
1.発達障害の息子と車で外出する時にはいつもイライラ、ヒヤヒヤ!
2.対応を考える!ADHD傾向の息子を叱る基準は「許しがたい行動」か否か
3.短期間集中で取り組む、態度を変えずに貫く!
1.発達障害の息子と車で外出する時にはいつもイライラ、ヒヤヒヤ!
発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受けている息子は、注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向も合わせ持っています。
ADHD傾向のうち、特に多動性・衝動性が強い子です。
車で移動する時にも、じっとしていられない、思いついたらすぐ行動してしまうという困った行動が目立ち、車に乗る際も、息子がシートに座らず、とにかく外出する際に、出発するまでに時間がかかることに悩んでいました。
お菓子やジュース、タブレットなどを持ち込み、ご褒美作戦の対応を実行してもなかなかうまく行きませんでした。
なんとかシートベルトをして出発しても、数分後には自分で外して前の座席やリアの部分に自由に移動してしまい、そのたびに、停車したり、注意するため、なかなか目的地に辿り付けません。

しかし、事故に遭ったら息子も家族も大怪我してしまう、他人を巻き込んでしまう恐れもある、道路交通法にも違反するし状況を早急に改めさせたい。と改善策を考えました。
2.対応を考える!ADHD傾向の息子を叱る基準は「許しがたい行動」か否か
発達科学コミュニケーションでは、子どもの問題行動について、なんでもかんでも「叱る」ということは、良しとされていません。
問題行動をやめさせるには、お母さんが子どもの問題行動に注目せず、見て見ぬふりをします。そして、問題行動をやめたときにすかさず褒めるという方法を取ることで、次第に子どもの問題行動が治まっていきます。
本当に叱らなければいけない事は「許しがたい行動」の場合つまり、自分や他人を傷つける危険な行為や倫理道徳に反することの2つに限られます。
当初私は、車内での息子の問題行動に対し、シートベルトを外したり、席を移動しても、スルーするという対応をしていました。

しかし、車内での行動が徐々に激しくなる一方。「座ってね」と伝えても息子の行動は改善しないどころか悪化してしまいました。
車の運転中に、座席間を移動したり、運転席横の助手席でもシートベルトをしないため、危険すぎると感じられるほどでした。
息子や家族がけがをしたり、他人を傷つけてからでは遅いと思い、これはまさに「許しがたい行動」だと判断し、正しい叱り方をすることで息子の問題行動をやめさせるべく対応しようと決めました。
3.短期間集中、態度を変えずに貫く
まず、「叱る」という対応をする前に、
・短期間で集中的に取り組もう。
・保育園や習い事へ遅刻しそうでも、一貫した対応を徹底しよう
と決めました。
そして、この期間は特に、車内での「許しがたい行動」以外の好ましい行動についてはとにかく褒めることを意識して、好ましくない行動に反応しない、口うるさく言わないように気をつけました。
マイナスの注目が増えることで、息子の自身を失わないように気を付けました。 「許しがたい行動」に対しての叱り方としては、以下のポイントに気をつけました。
・シートベルトをはめてね。外してしまったら、車を停車するよ。(事前に予告する)
・はめるまで進まないよ。(行動を制限する)
・〇〇に行けないよ。(目的地に到着できないという息子にとって意味のある行動制限である)
そして車内の行動について、シートに座ったら、座れたね!シートベルトをはめたら、シートベルトできたね!と声かけをしました。
初日は、やはりシートベルトを外して移動をし始めたので、シートベルトはめてくれないと危ないから停まるよと声かけしましたが、行動を正してくれる様子がなかったため、予告通り安全なところに停車しました。
「シートベルトをつけられたらママ運転するね。〇〇に行けるよ」と冷静に伝えました。
初日は「嫌だ!いいからこのまま行って!」などと言われたり、イライラしている様子も見られましたが、態度を曲げずに、貫きました。
息子がイライラしている時には、感情に巻き込まれないよう冷静な態度で対応しました。
そして私の本気が伝わって座り直した際には、すぐに「シートベルトつけられたね!」と褒めました。
この対応で、たった3日で車内でしっかりと座ってくれるようになりました。

時々、シートベルトを外して動きだしてしまうこともありますが、危ないからママ止まるねと声をかけると座りなおすといった形で行動が改善されています。
そのおかげで、私も運転に集中することができるようになり、車内で息子と何気ない会話をする時間も持てるようになりました。
車の中でじっとしていられないお子さんにお悩みの方、ぜひ試してみてくださいね!
発達障害凸凹キッズとのかかわり方をお伝えしています
執筆者:守野有香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)