小学校低学年の子の読書感想文の書き方は?癇癪を起こさずに書けるサポートのコツ

 

小学生の子どもを持つお母さん、夏休みに読書感想文の宿題は出ていますか?低学年の子どもにとって、読書感想文を1人で書くことは難しいのではないでしょうか。書き方が分からないと言う子どもに、試行錯誤してうまくいったサポートのコツをお伝えします。
 

【目次】

1.低学年の子どもが読書感想文を書けないのは当たり前

 
 
読書感想文の宿題は、小学校によっては、低学年では出さない学校もあるかもしれません。しかし、1年生から夏休みの宿題に読書感想文を出す学校もあるのです。
 
 
その場合、1年生の子どもが自分で読書感想文を書けることは、ほぼありません。なぜなら、1年生の1学期には、長い文章を書くことはないし、書き方を習うこともないからです。
 
 
その上、読書感想文用に読む本が、今まで読んだ本の中で一番長いものだったりする場合もあります。
 
 
ちなみに、低学年の読書感想文は、通常、本文が800字以内という長さです。一般的に使われることが多い400字詰原稿用紙で2枚です。
 
 
我が家の場合、夏休みに読書感想文の宿題を出された子どもは、
 
 
「どんな本を読むの?」
 
 
「何を書けばいいの?」
 
 
 
 
と、全くどうしたらいいのか分からないようでした。
 
 
では、なぜ低学年の子どもが書き方も分からない読書感想文が、夏休みの宿題として出されるのでしょうか?
 
 
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2.読書感想文が夏休みの宿題として出され続けている理由

 
 
私たち親世代からずっと変わらず夏休みの宿題として出され続けている読書感想文。
 
 
何を目的としてこのような宿題が出されるのでしょうか?考えたことはありますか?
 
 
夏休みは時間がたくさんあるので、いつもとは違う読書の仕方をすすめています。
 
 
普段は読んで頭の中に感想が浮かんで終わってしまう読書ですが、もう少し踏み込んだ読書を求めているのが夏休みの読書です。
 
 
本を読んで浮かんできた感想をそのままにしないで、文字に起こすことを目的としています。
 
 
文字に起こすことで自分の経験を振り返り、新しい意味づけをすることが出来ます。
 
 
感じたことを文章にすることで、考えを深めることができ、それをまとめる力も必要になります。また、別の考えや気づきを得ることもできます。
 
 
本を読んでそれを文章にするという作業をすることで、自分と向き合う時間と経験となり、とても大切な機会となります。
 
 
 
 
これから成長していく子どもたちにとっては、自分の気持ちに気づき、また他の考えや意見に気づくことはとても大切なことですよね。 そして、その考えをまとめて伝えていくことも大切なことです。
 
 
そのような子どもの将来を見据えて、読書感想文という宿題は出され続けているのではないでしょうか。
 
 
しかし、小学校低学年の子どもにとってハードルが高い宿題ということには間違いありません。
 
 
私もどのようにサポートをしたらいいのか分からずに、途方にくれました。
 
 
そこで、自分の経験や読書感想文の書き方を調べた上で、試行錯誤しながらサポートをしました。低学年のうちは徹底的にサポートした子どもたちも、高学年になったら、自分で読書感想文を書けるようになりました。
 
 
この記事では、そんなサポート方法をご紹介します。
 
 
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3.書き方のコツは4つ!最初は親のサポートが必須です

 
 
最初にハッキリとお伝えしたいのが、読書感想文をいきなり子ども1人で書くというのは不可能だということです。書けるようになるには、親のサポートが必須となります。
 
 
以下、書き上げるまでの工程で必要なサポートをお伝えしますが、さすがにこれだけのことを子ども1人でやるのは大変だと実感すると思います。
 
 
特に、発達障害の子どもは原稿用紙に字を書くことが苦手なことが多いため、それまでのハードルが高すぎると、癇癪を起こして清書までたどり着かなくなってしまうので注意が必要です。
 
 
最初から今年の夏休みはサポートが必要だと思っていただけたら、段取りよく準備が出来ると思いますので参考にして下さいね。
 
 

♦①課題図書にこだわらずに本を選ぼう!

 
 
読書感想文を書くにあたって、一番重要なのは本選びです。読書感想文の本と言えば、一番なじみがあるのは課題図書ですよね。
 
 
課題図書は、それぞれの学年に合わせて数冊ずつ指定されています。もちろんこの中に子どもが気に入った本があれば、それで書いたらいいのです。
 
 
でも、読みたいと思う本がないのに、無理やり課題図書の中から選ばなくてもいいのです。
 
 
小学校の夏休みの宿題として出される読書感想文は、「青少年読書感想文全国コンクール」に応募することが前提になっていることが多いですが、課題図書のほかに、自由に選んだ図書で書いてもいいことになっています。
 
 
読書感想文の本は、課題図書かどうかよりも、子どもが
 
 
・共感できる本
 
 
・ワクワクして楽しく読める本
 
 
・興味・関心に関係する本
 
 
を、子どもの意見を尊重して選ぶことが肝心です。
 
 
そして、お母さんも子どもが選んだ本を読んでおくといいでしょう。この後インタビューをする時に内容を知っていると、より具体的なところまで聞くことができます。
 
 

♦②子どもの気持ちをインタビューしてメモをとる

 
 
本を読みながら、気になる箇所には付せんを貼っていきましょう。
 
 
読み終えた後には付せんのある個所について、お母さんが質問をしていきます。
 
 
「どうしてこの本を選んだの?」
 
 
「この本はどんなお話だった?」
 
 
「この本で一番面白かったところはどんなところ?」
 
 
「どうしてそこが気になるの?」
 
 
「どうしてそう思ったの?」
 
 
「この主人公と同じようなことをやったことはある?」
 
 
「もし自分だったらどうする?」
 
 
「この本を読み終わったとき、どう思った?」
 
 
など、お子さんに合わせて、答えられそうな質問をしていきます。
 
 
このインタビューの答えが読書感想文の内容になります。
 
 
 
 

♦③親子で一緒に文書を組み立てる

 
 
② で集めたインタビューの答えを、どういう順番で並べるかを考えます。これは、親子で話し合いながら進めていきます。
 
 
例えば、始めに、どうしてこの本を選んだのか、この本のあらすじなど本の紹介を並べます。その後に、面白かったところやどうしてそう思ったのかなど本の内容に関する感想を並べます。
 
 
最後に、この本を読み終わってどう思ったのか、参考になることはあったかなどでまとめると、読書感想文の形になります。
 
 
なお、②で行ったインタビューだけでは内容が不足しているときは、さらに質問を重ねて、内容をふくらませていきます。
 
 

♦④下書きは親、清書は子どもがする

 
 
<下書き>
 
 
読書感想文のように文字数が決まっているものは、一度原稿用紙に下書きしなければ、文字数が分かりません。
 
 
また注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもは、書いている途中に文字を抜かしてしまったり、同じことを2回書いてしまったりすることがあります。
 
 
文字を書くだけでも大変なのに、それ以外のところでつまづいてしまうと文章を書く意欲がなくなってしまいます。
 
 
そのため、私は、親が下書きをすることをおすすめします。
 
 
手書きでもパソコンでもいいので、文字数が分かるように書いていきましょう。
 
 
<清書>
 
 
いよいよ、清書のときがきたら、子どもに原稿用紙に書いてもらいましょう。原稿用紙に書き写すだけですが、これも一筋縄ではいきません。なぜなら、ADHDタイプのお子さんは、行や文字を抜かして写してしまったりするからです。
 
 
それを全部書き終わってから気づいたら、書き直しになってしまいます。
 
 
ただでさえ文字をたくさん書くことが苦手な発達障害の子どもの場合、癇癪を起こして、一切書かなくなる可能性が高くなります。
 
 
そのため、私は子どもの横に座って、正しく書き写しているかどうかをチェックしながら、ところどころで、「上手に書けてるね」「もうこんなに書けたの!」とモチベーションが上がる声かけをしていました。
 
 
感想文を仕上げるのには根気もいり大変な作業ではありますが、最後には大きな達成感を味わうこともできます。
 
 
最初は親ができるだけサポートし、子どもが文章を書くことを嫌いにならないようにすることが肝心です。
 
 

4.高学年になった子どもはどうしてる?

 
 
低学年のときに徹底的にサポートをして読書感想文を書いていた子どもは、高学年になって、どうなったでしょうか?
 
 
小学5年生になった子どもは、自分でお気に入りの本を選んで何度も読み、1人で付せんを貼りながら文章を組み立てることができるようになりました。
 
 
私がパソコンに原稿用紙のテンプレートを出してあげたら、自分でパソコンに入力して下書きを書いていました。
 
 
原稿用紙に清書する時も、「行の最初がズレていないかチェックしながら書いた方がいいよ」とアドバイスをしたら、慎重に間違えないように清書することもできました。
 
 
低学年のときにこんなにサポートしていたら、自分で何も書けなくなってしまうのではないかと不安にもなりましたが、その心配は無用でした。少しずつサポートを減らしていったら、最終的に自分で読書感想文を書けるようになりました。
 
 
 
 
いかがでしたでしょうか?読書感想文は小学校から高校まで、場合によってはずっと付き合うことになる宿題です。
 
 
また、読書感想文でなくても、作文など長い文章を原稿用紙に書かなければならないことは何度もあります。
 
 
その時に文章を書くことが嫌いにならないためにも、私が試行錯誤した子どもへのサポート方法が、参考になれば嬉しいです。ぜひ試してみてくださいね。
 
 
 
 
 
 
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執筆者:佐藤とも子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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