切り替えができない発達障害・自閉症の子どもに大きな声で指示だしを繰り返してもママのイライラがヒートアップするだけ。ママの声が聞ける耳になるには、ある法則を使うだけ。子どもが動き出すその法則は? |
【目次】
1.発達障害・自閉症の子どものテレビがやめられないあるある
2.毎晩、ゲームやテレビが原因のバトルが習慣化していました
3.なぜ子どもの耳に指示が通らない?
◆集中しすぎる
◆不安の強さが引き金になっている
4.繰り返しの法則を使って耳に届ける
1.発達障害・自閉症の子どものテレビがやめられないあるある
「ごはんだよ!テレビ消してね」
何度声をかけても、返事もしない。そのままテレビを見続けている子どもにイライラ。
「ご飯だよって言ってるでしょ!」と無理やりテレビを消す。
「ギャー」っと子どもが癇癪。
どのご家庭でもあるあるでしょうか?
それなら時間を決めておけばスムーズに終われるかなと考え、見始める前にお約束。
「◯◯分までにしようね」と声をかけ「わかった」とうなずいたのに、結局約束の時間がきてもやめない。
約束をしても守れない、自分で決めたのに終わりにできないなら、もうテレビは見せたくない!と思っていました。
ですが、発達障害・自閉症の子どもは、脳の未熟さゆえに、そもそも大人の声が届いていないことがあります。
聞こえているのにわざとスルーしている、というわけではないのです。
2.毎晩、ゲームやテレビが原因のバトルが習慣化していました
現在、小2の特別支援学級に通う自閉症の息子。
発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)を始める前は、ご飯前や寝る前はなかなか次の行動に動いてくれず、最後はギャン泣き…。
例えば、夜9時には寝る準備を始めたいのに、何度言ってもテレビをやめてくれず。
結局、9時半を過ぎてしまい、私もイライラしてきて、最後は無理やり寝室へ連れていく。
それまでのバトルで私自身がグッタリ。
毎日この繰り返しで疲れ切っていました。
ですが、発コミュで習ったこの方法を取り入れたら、イライラしたり大声を張り上げなくても子どもに指示が届くようになったのです。
3.なぜ子どもの耳に指示が通らない?
◆集中しすぎる
発達障害・自閉症の子どもには、切り替えが苦手であったり注意散漫なため、一度で指示が通らない子が多くいます。
先ほどお話したように、大人の指示が聞こえているのにスルーしているわけではなく、そもそもテレビに集中しすぎて、ママの声が耳に届いていないのです。
これを過集中な状態といいます。
私たち大人の脳はいつも理性をつかさどる前頭前野の働きが強いです。
しかし、テレビやゲームをやっているときは、前頭前野の働きが低下し、欲望をつかさどる大脳辺縁系の働きが強くなります。
ここでドーパミン(脳へのご褒美ホルモン)がつくられ、もっとやりたいという欲求が強まりやめられなくなります。
特に発達障害・自閉症の子どもは前頭前野の発達が未熟なため、自分でコントロールすることが難しくなるのです。
上記のような発達の未熟さがあると、やるべきことを差し置いて気になるものに飛びついてしまうのも無理はありません。
そして、いったん夢中になると、今度は他のことに注意を払えなくなります。
自分が見たいものだけに集中し過ぎてしまい、行動を切り替えるどころか、そもそもママの指示は聞こえていないのです。
◆不安の強さが引き金になっている
そして、発達障害・自閉症の子どもに見られる特性で、見通しを立てるのが苦手なところも影響します。
先の見通しが立たないため、いつもと違うことや変化に対して不安になりやすいのです。
この不安の強さが、今やっている楽しいことは繰り返しずっと続けていたい、というこだわり行動につながります。
発達障害・自閉症の子どもはみんなができていることに苦労する場面が多くありますよね。日常生活をこなすだけで人の何倍も頑張っています。
不安が強い子はなおさらです。
本やゲームといった好きなものに没頭することには、疲れを癒して安心できる効果がありま
す。
そう思うと、帰宅後に学校でがんばってきた分、家でリラックスしてテレビやゲームに夢中になっている姿に、ねぎらいの言葉をかけてあげたくもなりました。
学校行事が続く2学期は、切り替えの悪さが目立つことにも、ストレスがたまるのだろうな、と納得がいきました。
そうは言っても、このままではママがイライラする悪循環は止められません。
そこで、子どもの耳に届くある法則に変えれば、子どもが動き出すことができます。
わたしの子どもも動き出した、その法則とは?
4.繰り返しの法則を使って耳に届ける
おススメの方法、それは「ブロークンレコード テクニック」です。
壊れたレコードという意味ですね。
昔のレコードは、傷がついていると同じフレーズを何回も繰り返します。
この方法がママの指示に従わない時に有効なのです。
この方法を使うと、ママもイライラせずに済みますし、何より子ども自身が自分で切り替えられるので、成功体験を自ら作り出し悪循環に陥らなくて済みます。
では、実際どうやればいいのか、見てみましょう。
1、指示を出す → 従わない
2、見て見ぬふりで時間を開ける
3、同じ指示を出す 2、3を繰り返す。
4、行動し始めたらすぐに褒める
例)
1、ご飯だよ。TV消してね → 従わない
2、見て見ぬふり 5分後
3、ご飯だよ。TV消してね (このフレーズを繰り返します。)2、3を繰り返す
4、TV消してテーブルへ。「TV消せたね!ご飯食べよう」
指示に従わない時は、ママは、間を置いてトーンを変えず同じことを何度も繰り返し言います。
このように対応することで、子どもがいつママの声に気づいても、ママの声からイライラを察知せず素直に聞き入れる可能性が高まります。
すると、エスカレートを防ぐことができます。
行動に移したらすぐに褒めてあげてくださいね!
なぜなら、このタイミングで褒めるのが重要なのは、 「今の行動、いいよ!」と子どもの脳にインプットする効果があるからです。
子どもの脳は「切り替えて次の活動に移るのはいいことなんだ」と認識します。
このインプットが貯金のようにたくさんたまっていくことで、次第に切り替えが定着していきます。
「自分で切り替えられた」で成功体験を作り出し、「ママに褒められた」で褒めのご褒美になり、「また次もそうしよう」で自発的に行動する。
脳は、自ら行動すると育ちます。
脳が育つと、言葉も育つ!
ぜひ、今日から試してみてくださいね!
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執筆者:立花千明
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)