発達障害グレーゾーンの子どもが過剰適応しやすい原因と自信をつけるお家サポートについてご紹介します。集団が苦手なお子さんのストレスを癒し、環境の工夫をすることで過剰適応は卒業できますよ。ぜひ実践してみてください。
【目次】
1.発達障害の子どもは過剰適応でストレスをためやすい
2.コロナで経験していなかった行事が解禁
3.子どもがストレスに感じる学校行事の原因3つ
①非日常な音
②増える指示
③優劣がつく評価
4.ストレスを癒し自信を育てるおうちサポート
◆褒めたいことは書いて、見せて、記憶に残す
◆楽しいこと、好きなことをとことんやる
◆どんどんお手伝いしてあげる
◆スキンシップ
1.発達障害の子どもは過剰適応でストレスをためやすい
過剰適応…と聞いてどんなイメージがわきますか?
家では行き渋りをしていても、荒れていても、園や学校ではフツーに見える顔をして笑ってさえいる、そんなイメージでしょうか。
お母さんは、集団が苦手なお子さんを想って、
うちの子、集団では無理をしているのでは、と心配していませんか?
先生からは「特に問題もなくがんばっていますよ」と言われるお子さんが、お家で癇癪がたびたび起こるなら、園や学校で頑張りすぎてしまう過剰適応かもしれません。
過剰適応する子は、周りの環境や人に合わせようとして自分を出せずにいます。
そのため、疲れやすくストレスをためやすいのです。
学校生活で過剰適応しがちな状況とお子さんが疲れすぎないよう心を癒すお家サポートについてお伝えします。
2.コロナで経験していなかった行事が解禁
2学期は、過剰適応を引き起こす環境ストレスが高まりやすい時期です。
多くの方が行事が多いからね…と想像されると思いますが。行事の何がストレスになるかまで考えたことはありますか?
もちろん行事自体にも緊張感がありますが、ここ3年、コロナで大々的にできていなかった行事が今年からは解禁されたことで、特に過去の経験が少ない年長〜小5ぐらいまでのお子さんは本当に要注意なんです!
今までに経験がない行事で、いろいろなストレスがお子さんに降りかかっている!という可能性をおさえておいてください。
では具体的にどんな行事のどんな場面がストレスになるのでしょう。
3.子どもがストレスに感じる学校行事の原因
◆①非日常な音
例えば、運動会や学芸会、合唱コンクールなど。
普段は聞かない種類の音や普段よりボリューミーな音をたくさん耳にしながら過ごすので、それがストレスになるケースがあります。
それは、音を司る脳部位と感情を司る脳部位が密接で深い関係にあるからです。
つまり、心にダイレクトに作用する可能性があります。
発達障害グレーゾーンの子どもで聴覚に過敏さを持っている子は、普段は聞かない音や苦手なザワザワ感に落ち着かない気持ちになっているかもしれません。
◆②増える指示
いつもとは違う、集団でイレギュラーの動きをしていくためには、先生の指示を聞いて動くのが必須!
細かい指示や説明が増えて、それを聞いてその通りに動かなきゃいけない…ということにストレスを感じるお子さんも多いです。
指示通りに動けないことで、注意や指摘を受けることによってイライラしたり自信を失うお子さんもいます。
◆③優劣のつく評価
過剰適応しがちなお子さんは、真面目な子や良い子に見られたい、承認欲求のある子も多いです。
だから、順位をつけられたり優劣をつけられたりするのがとても苦痛!
ですが、どうしてもそのような場面が行事では普段の学習以上に人前で晒されてしまうことが増えるので、ストレスになってしまうのです。
過剰適応に繋がりそうな行事のストレス、避けられないストレスにお子さんが頑張って向かい合っていることがおわかりいただけたでしょうか?
4.ストレスを癒し自信を育てるおうちサポート
では、どうやって心の元気を取り戻すの?子どもを癒すおうち時間はどう過ごせばいい?にお答えします。
◆褒めたいことは書いて、見せて、記憶に残す
「ランドセル片付けたね」
「お皿のおかたづけ、ありがとう」など
お子さんの
頑張ったこと
自分でできたこと
楽しそうだったこと
助けてくれたこと…などを
子どもが読めるように文字にして書きため、子どもに読み聞かせたり子どもに読んでもらったりするだけ!
記録することによって成功体験が「見える」ので、振り返って見ることで、何度も褒められた記憶を脳に届けることができます。
ポジティブな記憶の積み重ねは、子どもの自信を育てます。
◆楽しいこと、好きなことをとことんやる
それは 子どもの好きなこと、楽しいことをトコトンやらせてあげること!
学校から疲れて帰ってきたなら、宿題はあとでもいいでしょう。
まずはゲームやYouTubeを見たりして自分を癒すことに没頭させてあげましょう。
ゲームなど好きなことを何時までやるかは子どもが自分で決めてOK。
「時間を決められたね」と小さなことで肯定してあげてください。
◆どんどんお手伝いしてあげる
学校の準備などはどんどん手伝ってあげる、一緒にやってあげてください。
荷物の準備をするならば、リュックの口を開いて物を中に入れる時に手を貸してあげたり、小学校なら時間割を読み上げてあげたり。
そんな風に、子どもがラクに準備ができるようサポートしてあげてください。
◆スキンシップ
小学校低学年までのお子さんなら、寝る前の読み聞かせもいいですね。
年齢問わずならスキンシップは効果絶大です。
幼児なら手を握って添い寝、思春期ならハイタッチや「がんばってるね」と肩にそっと手を置くなど、心の安定につながるホルモンのオキシトシンが出やすくなります。
たっぷりと好きなことを楽しむ時間や楽しいことを話題にしたりして過ごすことで、しっかり肯定してあげながらポジティブなことに目を向けていきましょう。
「音楽会の練習、どう?!」と話題にするのはぐっとこらえて、子どもが楽しい話題でいっぱいのおうち時間にしていきましょう。
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執筆者:はらしおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)