発達障害の子のワーキングメモリや注意力を伸ばしたいとは思いませんか?しかも、車移動でのお子さんのグズグズも減らせるとしたらいかがですか?車移動でのストレスをなくし、家族で楽しみながら車内でもできる一石二鳥の遊びを3つご紹介します!
【目次】
1.ワーキングメモリと注意力を鍛えるといいワケ
◆ワーキングメモリ
◆注意力
2.車移動が憂鬱になっていませんか?
3.なぜ発達障害グレーゾーンのお子さんには車内がしんどいの?
4.ワーキングメモリと注意力を鍛える遊び3選
◆ハイパーしりとり
◆逆さ言葉
◆ナンバーチェック
1.ワーキングメモリと注意力を鍛えるといいワケ
ワーキングメモリや注意力という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。では、それらがどういう力で、鍛えることでどういうメリットがあるのか、ということはご存じでしょうか?
まずは、ワーキングメモリと注意力についての簡単な説明と、鍛えるといいワケをご説明しますね。
◆ワーキングメモリ
ワーキングメモリは、作業や物事を進めるために一時的に保持しておく短期記憶のことで、作業記憶とも言われます。
発達障害グレーゾーン、特に、注意欠陥多動障害(ADHD)タイプの子どもは、ワーキングメモリがうまく働かないことがあります。
そのため、指示を聞いて適切な行動をすることが難しくなりがちです。
しかし、ワーキングメモリを鍛えると、情報を一時的に記憶したり、整理したりする働きがうまくいくようになるので、
・先生の指示通りに行動できるようになる
・授業についていけるようになる
・忘れ物がなくなる
というように、学校生活での困りごとも解消できる可能性が高まります。
◆注意力
注意力とは、
・集中する力
・多くのものから自分に必要なものを見つける力
・いくつかのことに同時に注意を向ける力
・一つのことに注意を向けているときに、別のことに気づいて注意を切り替える力
の4種類があります。
ADHDタイプの子どもは、注意力が散漫なため、先生の話をじっと聞くことができなかったり、テストの問題をとばしたり、ケガが多かったりします。
しかし、注意力を鍛えることで、これらの困りごとを減らすことが期待できます。
では、ワーキングメモリと注意力を鍛えるにはどうしたらいいのでしょうか?
実は、それらを鍛えられる遊びがあるのです。
この記事では、ワーキングメモリと注意力を鍛える遊びの中でも、わが家の子どもたちが車の中でグズグズしたり、きょうだい喧嘩をしたりして困った経験から、車内でできる遊びをご紹介しますね。
2.車移動が憂鬱になっていませんか?
車移動でのお出かけを計画しようと思っても、子どもたちの車内での様子を考えただけで憂鬱になってしまうこともありますよね。
例えば、車内で子どもたちが
・「まだ着かないの?」とグズグズする
・隣に座っているきょうだいと叩き合いになる
・前の座席を蹴ってくる
など。実は、これらは車移動に困っていた数年前のわが家の状況です。
このような子どもに、「静かに座っていなさい!」と注意したり、「もうすぐ着くからね」となだめたりして、大変だった経験をされたお母さんは、私も含めて多いと思います。
最終的には、うるさい子ども達に運転しているお父さんがイライラしはじめるなんてことになると…親子ともどもストレスがたまりますよね。
3.なぜ発達障害グレーゾーンのお子さんには車内がしんどいの?
発達障害グレーゾーンの子どもは、じっとしているのが苦手だったり、待つのが苦手だったり、感情のコントロールが苦手だったりします。
そのため、車の中でただ座って何もしないで時間が過ぎるのを待つということは、とても辛いことなんです。
イライラしやすい状況な上に、きょうだいはすぐ隣に座っているので、ついちょっかいをだしてしまったりして、トラブルになりやすい環境ともいえます。
そんな車内では、子どもが楽しくなる活動ををしてトラブルを防ぐのがおススメです。しかも、楽しみながらやる活動は、子どもの脳を刺激して発達させるので、一石二鳥の効果も期待できます。
そこで、いよいよ次の項では、ワーキングメモリと注意力を鍛えられて、車移動が楽しくなる遊びをご紹介しますね。
4.ワーキングメモリと注意力を鍛える遊び3選
まずは、ワーキングメモリを鍛える遊びです。
◆ハイパーしりとり
これは、あまり景色が見えない高速道路を走っているときに、おすすめです。
ハイパーしりとりとは、ほかの人が1つ前や2つ前に言った言葉をもう一度言ってから、新しい言葉をつけ足す、少し高度なしりとりです。
例えば、「かめ」→「かめ、めだか」→「かめ、めだか、からす」→「めだか、からす、すいか」という具合です。
このしりとりは、もう一度言う言葉を1つにするか2つにするかで難易度を変えられますので、お子さんに合わせて工夫してみてくださいね
なお、ハイパーしりとりが難しい場合には、普通のしりとりから始めてみてくださいね。
◆逆さ言葉
これも、周囲の景色があまり楽しくないときに、おすすめです。
逆さ言葉は、文字通り言葉を逆さまに言う遊びです。例えば、
「ごんり」→「りんご」
「らじく」→「くじら」
「ぼんらくさ」→「さくらんぼ」
というように、お母さんが逆さ言葉を言って、お子さんがそれは何かを当てるという遊びです。
逆に、お子さんが逆さ言葉を言って、お母さんが答えるという方法も楽しいです。言葉を長くすると、問題を出す人にも答える人にも難易度が上がっていきますので、どんどん脳を使うことになります。
次は、先ほどご紹介した注意力のうち、特に集中する力と自分に必要なものを見つける力を鍛える遊びをご紹介します。
◆ナンバーチェック
これは、車のナンバープレートが見える一般道を走っているときにおすすめの遊びです。
ナンバーチェックは、お題を出した上でまわりの車のナンバープレートをチェックし、お題に合ったナンバーを誰が一番最初に見つけるかを競う遊びです。
例えば、お題として、
・「1」が入っているナンバー(「 」に0~9の数字を入れる。幼児向け)
・「あ」が入っているナンバー(「 」に好きなひらがなを入れる。ただし、「お」「し」「へ」「ん」のひらがなはありません。低学年向け)
・できるだけ遠い地名が入っているナンバー(高学年向け)
わが家では、「沖縄」「鹿児島」「旭川」「苫小牧」などを見かけたことがあります。
どっちが遠いかよく分からない場合には、帰宅してから地図で調べることで、日本地図の勉強にもなりました。
いかがでしたでしょうか?脳を刺激して、ワーキングメモリと注意力を鍛えることができる上に、車内が楽しくなる遊びをご紹介しました。
車の中が退屈になってきたら、ぜひ試してみてくださいね!
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執筆者:佐藤とも子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)