勉強なんて大嫌い!忘れ物が多くて、授業中は私語ばかり。先生からも叱られてばかり。「どうせ頭悪いし勉強してもムダ」そんな自己評価の低い子どもが、問題行動のエネルギーを自分を伸ばすエネルギーに変換させた「魔法の言葉」についてご紹介します。
【目次】
1.勉強嫌いで叱られてばかりの発達凸凹キッズが生まれ変わる!?
2.勉強をやりたくても取りかかれない、その本当の理由とは?
3.ヤル気がでない…クラスで一番勉強ができなかった女の子の苦しみ
4.勉強に目覚め、難関校受験合格!一発大逆転の「魔法の言葉」
1.勉強嫌いで叱られてばかりの発達凸凹キッズが生まれ変わる!?
勉強が大嫌い。学校から帰ると、すぐに遊びに行ってしまう。宿題をやっているのを見たことがない。
休みは一日中だらだら過ごし、手つかずだった宿題は終わらない。忘れ物も多く、授業中は私語が多くて先生から叱られてばかり…。
そんなお子さんの様子を見ていると、将来が心配になりますよね。
「宿題は先生との約束だから、やらない癖がついたら噓つきな大人になるのでは…」
「このままでは、入れる学校がなくて、悪い道に引きずり込まれてしまうのでは?」
そう考えて、つい「勉強しなさい」と言いたくなってしまいます。
コマーシャルで見るような「ヤル気がでるボタン」は、うちの子にはついていないのかもしれない。そう思ってあきらめてはいませんか?
2.勉強をやりたくても取りかかれない、その本当の理由とは?
お子さんはなぜ勉強が大嫌いなのでしょうか。いつから勉強が嫌いになったのでしょうか。中学校から?小学校高学年?低学年?それとも、入学前?
子どもは本来学ぶことが大好きです。それが、大嫌いになるただ1つの理由。それは勉強が「わからない」から、または「わからない」と思い込むできごとが過去にあったからです。
脳は最初からやる気がないわけではなく、失敗や叱られること、自分にがっかりすることで、だんだんとやる気をなくしていきます。
注意欠陥多動性障害(ADHD)傾向のあるお子さんの場合、授業態度や生活態度から、先生から叱られる場面がどうしても増えてしまいます。
いつも怒られたり、頑張っても褒めてもらえない子は、自信をなくしやすくなります。
そうすると、「どうせ自分なんて」と考えて、行動することを避けるようになります。
自閉スペクトラム(ASD)傾向のあるお子さんの場合、白か?黒か?みたいな「強迫」に近い極端なとらえ方をすることがよく見られます。
例えば先生がホームルームで「宿題は休みに入ったらすぐにやろう!」と言ったとします。
それをASDの子は絶対ルールとして 「宿題は、絶対に休みに入ったらすぐに取り掛かってすべて終わらせなければならない!」ととらえ、それができなかった時、自分にがっかりしてしまいます。
時として癇癪をおこすことすらあります。
こうしているうちに、気づかないうちに他の人との差が広がり、「わからない」ことが増えて、ますます劣等感に苦しくなってしまうんです。
特に小学校低学年以降になると、周りの子どもたちとの違いがわかる発達段階に入り、劣等感を感じやすくなります。
こうして、はじめはささいなできごとから生じた自己評価のゆがみはどんどん大きくなっていきます。
3.ヤル気がでない…クラスで1番勉強ができなかった女の子の苦しみ
ある女の子のお話です。
勉強嫌いの中卒の両親の元に生まれ、貧しい家庭で育ちました。
ピアノの音色が大好きで、弾けるようになりたくて親に相談するのですが、「あなたは学校の先生になるわけじゃないんだから、習うだけムダ」と言われてしまいます。
同級生の多くは放課後バスに乗ってそろばんを習いに行きます。貧しくて習わせてもらえない彼女は、列になってバスに乗り込む友達を恨めしそうに見ていました。
着ている服もみすぼらしく清潔感に欠け、ハンカチやティッシュも持っていません。
小学校4年生の時、みんなができていて自分ができていないことが多いことに気がつきました。宿題もやっていかないことが多く、担任の先生から注意されることが多くなりました。
担任からの注意はクラスのいじめに発展しました。ばい菌のように扱われ、ペアワークで一緒に組んでくれる子はいませんでした。
5年生になって担任が替わるといじめはなくなりましたが、勉強は全く分からなくなっていました。わからない授業をじっと座って受けることは苦行以外の何物でもありません。
6年生になると、あまりにも勉強についていけない彼女のために、担任が夏休みにマンツーマンで割算の特訓をしてくれました。しかし、勉強が大嫌いな彼女にとって、それはありがた迷惑でしかありませんでした。
せっかくの夏休みにまで、大嫌いな学校にいかなければならないのですから…。
このエピソードから、まちがいなく、クラスでいちばん勉強ができなかったであろうということが分かります。
4.勉強に目覚め、難関校受験合格!一発大逆転の「魔法の言葉」
そんな彼女が中学生になりました。中学校ではテストの成績で順位が出されると聞いて怯えていました。
「どうせビリに決まってる」
しかし、最初のテストの結果を見て目を疑いました。
ビリどころか、平均以上の順位だったのです。新しい環境に変わったことで、生まれ変わった気分で授業を聞くようになっていたことが、功を奏したのかもしれません。
「私って、馬鹿じゃなかったんだ!」 そんな時、彼女の脳裏に聞こえてきた言葉がありました。
「〇〇ちゃんは、頭がいいんだね!」 お盆とお正月だけ帰省してくる、おばさんの言葉でした。
「おばちゃんがいつも言ってくれるとおり、私って頭が良かったんだ!もっと勉強して、上の順位になりたい!そして、おばちゃんに褒めてもらいたい!」
もともと過集中なところがあった彼女は勉強にのめり込みました。教科書や副教材だけでは足りなくなり、問題集が欲しくなりました。親に言ったところで、買ってくれるはずがありません。
「通信教材、今なら半年おためし半額!」のダイレクトメールを中学校に持っていき、担任に親を説得してもらうよう頼みこみました。
担任が家庭訪問で上手に両親を説得した結果、まとまった問題集を手に入れた彼女が日々勉強に明け暮れたところ、2年生にあがるころには学年トップの成績に追い付くことができました。
そして、そのまま学区最難関の進学校に合格してしまう……という話です。
これ、何を隠そう私自身のことなんです。
発達凸凹キッズの爆発的なエネルギーは目を見張るものがあります。育てにくい子ほど、エネルギーをたくさん持っています。
実は、小学校は生活習慣や社会性を学ぶための時間もたくさんあることから、学習カリキュラム自体はたいした量ではないのです。
小学生時代にはいくら苦労してもできなかったことが、中学生になって理解系の脳が発達してから学習すれば、あっさりできたりします。
小学校6年間の全範囲は、要領よくやることで3ヵ月あれば取り戻すことができます。 だから、脳が未熟な幼い時期に苦手なことを無理にやらせて「勉強なんか大嫌い!」と刷り込ませてしまうのは、本当にもったいないことなのです。
それよりも、お子さんのできていることに目を向けて 「〇〇ちゃんは、頭がいいんだね!」 お母さんが毎日言ってあげてください。
それが、未来の起爆剤となって、一気に伸びる時が来ますよ!
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執筆者:本郷稟乃
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)