身の回りのことをきちんとするのが苦手で細かいことに気が回らないADHDキッズ。先回りしてお世話することに慣れてしまっていませんか?それだと、お子さんはずっと自分でできないままかもしれません。ADHDキッズの考動を引き出す秘策をご紹介します!
【目次】
1.動きが雑で身の回りの細かなことに気が回らない
身の回りのことをきちんとするのが苦手。動きが雑で、細かなことに気が回らない。本人が気が付かないことは、親が声をかけたり、それでも気が回らないことは親が先回りして世話をする。そんなお子さんにお困りではありませんか?
我が家の9才の息子はまさにそうでした。
たとえばこんな感じです。
・口に入らなかった食べ物がポロポロこぼれても気が付かない
・左右の靴下が違っていても気にならない
・脱いだ服はそこら辺に投げて捨てる
そんな息子も脳が育つと少しずつ自分のことを自分でできるようになってきて、脱いだ服を脱衣所の洗濯かごに入れてくれたりするようになっていきました。
それだけでも大きな進歩なのですが、親としてはあと一歩どうにかならないかなと思う彼のクセがありました。それは、服を裏返しに脱いで、そのまま洗濯かごに入れることです。
洗う前にせよ後にせよ、毎日・毎回表に返すのは結構面倒ですよね。同じ思いをしているお父さん、お母さんは多いのではないでしょうか。
でももしかするとそれ、お子さんのお世話をすることに慣れてしまって、お子さんが考動する機会を奪っているかもしれません。
2.ADHDキッズは細かなことに気が付きにくい脳の持ち主
私の息子は注意欠如多動性障害(ADHD)のグレーゾーンなのですが、名前に「注意欠如」と付いているように、ADHDの人には注意散漫な特性があります。
・物をなくしたり、忘れたりする
・何かをやっている途中にほかのことが気になって注意がそれる
・作業が不正確
これは脳の発達が未熟なことが原因なので、脳が発達すれば困りごとを減らすことができます。
脱いだ服は脱ぎっぱなしだった息子が洗濯かごに入れるようになってくれたのも、親がしつけをしたわけではなく、脳が発達してそこに気が回るようになったからなのです。
このように、今は気が回っていないことを、本人が気を回せるようになったら素敵じゃありませんか?それが可能になる秘策があるんです!
3.ADHDキッズの考動を引き出す秘策とは?
息子が服を裏返しに脱ぐクセは何とかならないかなと思っていた私は、ふと考えました。
そういえば、プールやお風呂屋さんでも息子は服を裏返しに脱ぐけど、着る時は自分で表に返して着ているのです。
家では、本人に頼まれたわけでもないのに親が勝手に先回りして表に返しているだけで、勝手にそれにストレスを感じているんです。勝手にやっておいて勝手にストレスを感じるって、不毛ですよね…?
そこで私は、試しに息子の服を裏返しのまま洗濯して、裏返しのまま洋服ダンスに入れてみました。
外でできているから家でも大丈夫なんじゃないか。もしくは、家では裏返っていることがないから、もしかすると裏返しのまま夜まで気が付かないかもしれない。どちらもあり得そうだと思いました。
そんなことを思いながら本人が着る時にどうするのか観察していたところ、息子はこともなげに表に返して着ました。
そしてさらに、いつもと違う様子に気付いた息子はこうも言いました。
「裏返しだったら着る時に面倒だから、今度から裏返しにならないように脱ぐようにしよう」
脳が発達して細かなことに気を回せるようになると、このように「じゃあどうする?」と考動することができるようになってきます。
お子さんが少しずつ気を回せるようになってきたら、我が家の洗濯物のように思い切って先回りのお世話を手放すことで、お子さんの考動を引き出せすことができますよ!
子どもの癇癪に困り果てているママ!対応策をご紹介しています!
執筆者:大谷聡志
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)