不登校になってゲームに没頭していた子どもがゲームに飽きたら?暇なのに「めんどくさい」ってどういうこと?無気力の裏に隠れた子どもの気持ちを紐解き、「めんどくさい」を突破する3ステップをご紹介します。
【目次】
1.ゲーム・YouTubeに没頭する不登校生活に飽きて「暇」を連発
2.「暇だけどめんどくさい」の裏に隠れている子どもの気持ち
3.「めんどくさい」を突破する3ステップ
STEP1:「めんどくさい」をスルーして裏の気持ちにフォーカスする
STEP2:行動のハードルを下げて無気力ブロックを解除
STEP3:スモールステップの褒めで飽きさせない
4.3ステップで「めんどくさい」を突破!我が家の実践例
1.ゲーム・YouTubeに没頭する不登校生活に飽きて「暇」を連発
我が家にはゲームとYouTubeが大好きな小学二年生の息子がいます。
小学一年生のゴールデンウイーク明け、しばらくしてから不登校となりました。
不登校になってからそれまで自分でやっていたことこと、できていたことも「めんどくさい」と言ってやらなくなってしまいました。
外出をほとんどせずゲームとYouTubeばかりをして過ごす毎日です。
子どもが学校に行きたくない気持ち、行けない状態なのは受け入れられるようになりましたが、活動量が減って無気力になっているのが気になっていました。
不登校になってから半年ほどたったころ、飽きてきたのか大好きなYouTubeを観ていても、ゲームをしても「暇」と言うようになりました。
これはチャンス!とばかりに「トランプする?」「サッカーしよっか?」「工作しよう!」と好きな遊びを提案しても
・やだ
・めんどくさい
・そんなのつまんない
・ママやって
とこちらが期待した言葉とは逆の無気力な反応しか返ってきません。
「暇」って言ってたのに、一緒に遊びたいと思ってたんじゃないの?何かやること探してるんでしょ?
今の生活に飽きてきているのは確か、何かやる事を探しているのに無気力な返事しか返ってこないのはどうして?どうして動かないの?と何を提案しても動かない子どもの対応に困っていました。
2.「暇だけどめんどくさい」の裏に隠れている子どもの気持ち
そもそも不登校の状態にある子どもはエネルギー切れの状態です。
「暇」だと感じていてもゲームやYouTube以外のことをする気が起きないくらいエネルギーが不足して無気力な状態なのです。
また、不登校になりやすい発達障害グレーゾーンの子どもには「不安が強い」という特性があります。
無気力な状態に不安が強いという要素が加わって「やってみたい」「なにかやりたい」という気持ちがあっても
・飽きたけど同じことをやっている方が楽
・失敗するかもしれない
・できなかったらどうしよう
という思考が働いて自分では動き出せないのです。
人は行動を起こすときに一番エネルギーが必要です。エネルギーが足りないと誰でも自分から動き出すことはできません。
暇で動き出したい気持ちはあるけれど、
「不安で怖いよ、どうしよう?」
「エネルギーが足りなくて動き出せない!」
「めんどくさいからママ手伝って」
と言っているんです。
「暇だけどめんどくさい」動き出せない子どもの言葉の裏にはママへのSOSのメッセージが隠れています。
3.「めんどくさい」を突破する3つのポイント
◆STEP1:「めんどくさい」をスルーして裏の気持ちにフォーカスする
まずは無気力な言葉に惑わされずスルーすることです。
脳は行動することで発達します。「めんどくさい」を真に受けて行動のチャンスを逃すのは勿体ない!
「暇」が本心なので何かしたいけど自分を動かすエネルギーが足りていないだけ。
「そっか」「そう思うんだね」と一旦その気持ちを受け止めて
「めんどくさいからママ助けて」
という無気力な言葉の裏に隠れている気持ちにフォーカスをします。
◆STEP2:行動のハードルを下げて無気力ブロックを解除
なにか行動を始めるときは誰でも「めんどくさい」と感じるものです。
私たち大人でも座ってテレビを見てるときにインターフォンが鳴ったら立ち上がって応答するのを「めんどくさい」と感じることありますよね?
インターフォンの子機が手元にあったらすぐに応答できると思いませんか?
不登校でエネルギーがない状態ならなおさら、やりたくても行動すること事態が「めんどくさい」のです。
トランプなら配ってやるだけの状態
工作なら道具を準備してやるだけの状態
あとはやるだけの状態までにハードルを下げてあげると無気力なブロックが解除され行動がしやすくなります。
◆STEP3:スモールステップの褒めで飽きさせない
行動しはじめた後は無気力な思考が戻ってこないように褒めに徹します。
行動し始めたことを褒める事から始まり、できてもできなくてもできたところまでを褒めて終わります。
作業中は
・「〇〇してるんだね」 とやっていることの実況中継
・「なに作ってるの?」 など興味を示す
・「〇〇までできたね」 できたところまでを確認する
・「じゃ、次は〇〇しよっか」 次の行動の提案
動き始めた行動に飽きないように、肯定=褒めの声掛けをその場に応じてに浴びせ続けます。
4.3ステップで「めんどくさい」を突破!我が家の実践例
不登校生活が始まって半年が経った頃、大好きなゲームをしてもYouTubeを観ていても「暇」というのでモノ作りが好きな息子に工作を提案してみました。
かえってきたのは
「え~、めんどくさい。ママ、携帯作って~」
と無気力な発言。
「そっか!携帯作りたんだね」
私が作ったんじゃ意味ないんだけどな…と思いながら、作るものは決まっているんだなと思って、携帯作りに必要なものを準備してみました。
「ちょっと手伝って」とお願いをして、私が箱を押さえ、子どもに箱に合わせてサイズを紙に移してもらいました。
するとさっきまでゴロゴロしていた子どもが勝手に動き出しました!
自分でハサミを持って紙を切ったり、使いたい色のペンを取りに行ったり、自分がイメージしている携帯の画面の絵を書き始めました。
「ハサミで切ってるね」「ペン取りに行ったね!」と実況中継をしたり「何かいてるの?」と興味を示す声掛けをしました。
「ちょっと失敗しちゃった」と自信なさそうに言ったときは
「四角の中に三角があるね」「色分けできてるね」「楽しそうにやってるね」とできていることを伝えました。
その後も自分でテープを出してきて貼り付けたりしていましたが、エネルギーの限界、飽きてしまったのか「後はやって!」と作業をやめてしまいました。
「頑張ってここまでできたね」とできたことを伝え、残りの作業を私が引き受け、携帯を完成させることができました。
完成した携帯を見た息子は大満足でその携帯を持って嬉しそうに「これがねYouTube」「これがカメラ」とでき上った携帯の説明をしてくれました。
イメージしていたものができ上った達成感からか勢いがついてそのまま警察ごっこをして遊ぶことができました。
引き籠りがちな不登校生活、動き出すきっかけを逃さず活動量を増やしていきたいですよね。
「めんどくさい」の裏側には子どものメッセージが隠れています。無気力な発言をスルーして子どもの行動をそっとサポートしてあげてくださいね。
不登校でも迷わないママのマインドお届けしています
執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)