発達障害の子の強い不安やこだわりの対応に悩んでいませんか?不安やこだわりは「想像力の低さ」が関係しています。よって、ただ叱ったり注意をしても効果がありません。想像力を強化する対応をすることで、自然と軽減していきますよ!
【目次】
1.発達障害・ASDの子の強い不安とこだわりに、家族が困惑する日々。
2.なぜ、発達障害・ASDの子は、不安やこだわりが強いの?
3.不安やこだわりをなくすには、まず想像力をつけよう!
◆日常生活の中で、たくさん想像させる声かけを行う
◆子どもから想像する言葉がでてきたときは、褒める!
◆子どもの不安やこだわりは、治そうとしない
4.ママが発達特性を理解することで、子どもが生きやすくなる!
1.発達障害・ASDの子の強い不安とこだわりに、家族が困惑する日々。
我が家には、小学校4年生の自閉傾向の女の子がいます。
とにかく不安が強く、未だに日中であっても怖くて一人でトイレに行ったり、お風呂に入ることができません。
家事で忙しい中、「ママ―!来て!」と呼ばれ、付き添いで時間をとられてイライラする毎日。ずっとこのまま続くのだろうかと途方に暮れていました。
お風呂では、自分の決めた順番通りに家族が入らないとひどく怒り癇癪を起こす。
朝の着替えの際にはいつも同じ服しか着ようとせず、その服がないと怒りだします。似たような服を提案しても、聞き入れてくれません。
このような強い不安やこだわりを持つ自閉症の娘に、家族のストレスがひどく疲弊する毎日でした。
どうしたら、子どもの不安やこだわりを軽減させ、本人がもっと生きやすくなり、家族がもっと穏やかに暮らせるようになるのか、ずっと悩んでいました。
2.なぜ、発達障害・ASDの子は、不安やこだわりが強いの?
では、なぜ自閉症(ASD)の子はこんなにも不安やこだわりが強いのでしょうか。
それは、自閉症の子の「見通しが持てない=想像力が低い」という特性が大きく関係しているのです。
周りの状況から情報を集めて判断する能力が弱いと、これから何が起こるか予測を立てることが難しく、子どもは不安を感じます。
だからこそ、マイルールにこだわり、安心しようとするのです。
また、失敗することも、発達障害の子にとっては大きな不安の1つです。
失敗したらどうしようと強く心配するあまり、新しいことにチャレンジせず、日々のルーティン通りに生活することになるのです。
自分を安心させ行動するための「こだわり」なので、無理にやめさせたり正したりしてはいけません。
しかし、こうでないと絶対いけない!という思いが強すぎると、日常生活に支障がおき、周囲も対応に困ってしまうので、和らげるための対応をする必要があります。
3. 不安やこだわりをなくすには、まず想像力をつけよう!
◆日常生活の中で、たくさん想像させる声かけを行う
日常生活の中で起こり得る状況を予め想像し、またそれが一つではないことを伝える声かけを、意識して行うようにします。
例えば、翌日が楽しみにしていたプールがあるとします。
A.明日晴れたら、プールに入れるね!
B.もし雨が降ったら、体育館で運動だって。ボール遊びだったら嬉しいね!
このように、あらかじめ起こり得る状況が一つではないことを事前に伝えておくことで不安が軽くなります。
事前に情報が入っていると、万が一自分の予想と反したことが起こったとしても、心の準備ができているので受け止められるようになっていきます。
◆子どもから想像する言葉がでてきたときは、褒める!
また、戦略的に想像力をつけさせる声かけを続けていくと、子ども自身もだんだんと想像できるように成長が見られます。
子どもから想像するような言葉が出てきた時は、思い切り褒めてあげましょう!
褒められることで、嬉しく思うと同時に、想像することは良いことなのだと認識し、自然と想像する思考回路ができていきます。
◆子どもの不安やこだわりは、治そうとしない!
起きているこだわりや不安に対して指摘して直そうとしても、効果がありません。
なぜならば、先ほども述べた通り、自閉症の子は、もともと不安を感じやすい特性を持っていたり、こだわりは安心するための儀式的なものだからです。
無理にやめさせようとすると、その不安やこだわりはさらにエスカレートする可能性もあるので、絶対に叱ったり注意しないようにしてください。
子どものこだわりには、正そうとするのではなく、「〇〇ちゃんは、そう思うんだね~」と、まずは受け止めてあげることが重要です!
普段の会話の中で「想像させる声かけや経験」を多く積むことで、想像力がついていき、自然とこだわりはなくなっていきます。
焦らなくても、大丈夫です!
4.ママが発達特性を理解することで、子どもが生きやすくなる!
このような対応を続けることで、我が子にも想像力がついていきました。
お友達に遊ぶお誘いをしに行く時にも、
「〇〇ちゃんのお母さんが遊んでいいって言ったら、遊んでくるね。」
「でも、〇〇ちゃんのお母さんがダメって言ったら、少しお話だけして帰ってくるね。」
等と言うようになり、お友達と遊べなかった場合も、お友達の状況を理解して怒らなくなりました。
波はありますが少しずつ不安やこだわりがなくなってきたように感じています。
発達障害の子どもは、その特性や偏った認知から、友達関係のトラブルも起こりがちです。
しかし、この「想像力」を身に着けることで、その場の状況や相手の気持ち等も理解できるようになり、ソーシャルスキルの向上にもつながっていきます。
発達障害の子どもは、定型発達の子が普通にできることに、何十倍ものパワーを要します。
発達障害の子どもは、定型発達の子が自然と習得するソーシャルスキルは、自然とは習得できません。
発達障害の子どもの困りごとを解消し、生きやすくしてあげるためには、ママの発達特性に対しての正しい理解と対応が必要になります。
私は、発達科学コミュニケーションというラボに入り、日々発達障害の子どもの対応について学び、我が子に実践しています。
発達障害の子どもの子育ては、一筋縄ではいかず、奮闘する毎日ですが、将来の子どもの自立を目指し、これからも楽しくやりがいを持って、発達障害の子どもの子育てを頑張っていきます!
発達障害・ASDタイプの子どもの強いこだわりや白黒思考を解消する、さらなる一手がこちらの小冊子を読めば分かります!!
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執筆者:松あき子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)