これからひらがなの読み書きを覚えて国語力を付けていく小学一年生が不登校。しかも勉強をしないとなると勉強の遅れが気になりますよね?文字に触れる習慣と言葉で伝える力をつけるために交換日記は最適です。
【目次】
1.小学一年生で不登校!勉強しない毎日。でも文字に触れさせたい
2.国語力が勉強の遅れを取り戻すスピードを左右する
3.小学一年生が交換日記を楽しく継続するための2つの作戦
①読ませない、書かせない「勉強しない作戦」
②好きを活かして欲求を刺激「子ども先生作戦」
4.回答率が上がり国語力がアップ!2つの作戦の成果
1.小学一年生で不登校!勉強しない毎日。でも文字に触れさせたい
「不登校で勉強をしない」という話はよく聞くと思いますが、勉強はしなくても勉強の遅れをすぐに取り戻せるようにせめて文字に触れる習慣はつけておきたいですよね?
不登校で勉強への意欲がわかなかったり、そもそも勉強の習慣が身についていない場合は、親子での交換日記を活用して文字に触れる習慣を通して国語力をアップさせることができます。
小学一年生は人生で初めての勉強が始まります。勉強の基礎となる国語力をつける大事なステージです。
そんな矢先に不登校になってゲーム、YouTube三昧、ひらがなも全部覚えたかどうか、勉強習慣もついていないのに、子どもの将来が心配になってしまいますよね?
今回は、小学一年生の6月から不登校となった息子が夫との交換日記をどのように活用をして文字に触れる習慣をつけ、国語力をアップさせたかをご紹介します。
我が家には発達凸凹グレーゾーンの現在、小学二年生の息子がいます。
小学一年生のゴールデンウイーク明けから登校渋りが始まり、6月に入ってから不登校となりました。
もともと読み書きが苦手だったこともあり、小学校の授業は辛いものだったのだと思われます。
不登校でも学習習慣があって家で勉強ができれば安心しますが、そんな様子は全く感じられませんでした。
・勉強しよう
・〇時からドリルしよう
・ドリルやってから動画見ても良いよ
など声掛けをすると機嫌が悪くなってYouTubeやゲームに没頭し、勉強をしない日が続きました。
絵本を開くことも嫌がるようになり字を自分で読むことも、親子で会話をすることも減っていきました。
まだひらがなもカタカナも覚えている途中、勉強はしなくてもせめて文字に触れる習慣を付けさせたいと閃いたのが交換日記でした。
一緒に住んでいるのに週末しか会話をする機会がないパパとのコミュニケーションの助けにもなるのではないかとパパとの交換日記をしてみることにしました。
交換日記を始めたものの、読み書きが苦手な子どもに交換日記に興味を持ってもらえないこと、子どもからパパへメッセージが貰えないことに悩みました。
実際、始めたころのパパからの内容は
・〇〇しようね
・〇〇だったね
・〇〇してね
・〇〇したんだね
・〇〇だよ
と一方的な内容で子どもからの返事は
・早く帰ってこないで
・いびきがうるさい
・トイレ
・パパのパソコンより
など、的を得ておらず会話も成り立っていない状態で、パパも息子からの返事にやる気をなくしていく一方でした。
けれども、ある作戦を導入することで息子の交換日記への関心度が高まり、回答率も上がり、会話も成立するようになったんです。
今回は、不登校で勉強をしない息子に文字に触れる機会を作り、国語力をアップさせた交換日記を継続するための作戦をご紹介します。
2.国語力が勉強の遅れを取り戻すスピードを左右する
家で勉強をせずにゲームやYouTubeばかり、学校に戻れたとしても勉強の遅れを取り戻すことができるのか心配になります。
そこで大事なのが「国語力」。
国語力をしっかりつけておけば、教科書の内容や先生の説明を理解することができるので勉強を再開したときの習得のスピードに差がでてきます。
全ての学習の基礎となるものはなんだと思いますか?
それは小学一年生から国語の中で学ぶ「必要な情報を正しく理解して分かりやすく伝える力」=「国語力」です。
伝えられていることをを正しく読み取り、正しく理解すること、必要な情報を見つけ出し、人に伝えること、授業の内容や先生の説明を理解するには国語力は重要です。
教科書に書かれている内容や、授業中に先生が説明している内容が分からなければ授業内容が理解できません。
学習意欲にも影響するので、全ての教科の内容を理解するには「国語力」を身に着けておくことが大切です。
また、子どもたちが生きていくこれからの時代は、情報が次から次へと入れ替わりたくさんの情報が溢れる時代です。
たくさんの情報の中から正しい情報と誤った情報を読み取る力、自分の気持ちを相手に伝わりやすく伝える力が必要となっていきます。
国語力はこれからの情報社会、AIに負けない人材となっていくために欠かせない力になります。
日常的にコミュニケーションで使う国語だからこそ、交換日記を使えば家族間で楽しくコミュニケーションを取りながら伸ばしていけます。
3.小学一年生が交換日記を楽しく継続するための2つの作戦
勉強をしない不登校の子どもが交換日記を続けるには、苦手なこと、抵抗があることは無理強いしないことです。
息子のように小学一年生で不登校になった場合、読み書きに不安のある子どもが多くいます。
親側の「〇〇させよう」という気持ちが先立ってしまうと、任されたパパも使命感に囚われて負担になってしまいます。
子どもも苦手なことをやらされるので負担に感じ、嫌になってしまいます。
不登校だからやらせようではなく、不登校生活をどうやって楽しもうかな?と置き換えて楽しみながらやるのが継続させる秘訣です。
以上を踏まえてパパとの交換日記のやり取りが劇的に変化した作戦を2つご紹介します。
◆①読ませない、書かせない「勉強しない作戦」
勉強を意識させないように、パパからのメッセージを私が読み、子どもからのメッセージを私が代筆しました。
字に触れる機会を持つことに集中をし、読ませない、書かせない「勉強をしない作戦」です。
字を読むのに自信がない息子は日記を広げても、渡しても読んでくれませんでした。交換日記は読まなければ始まりません。
指でなぞりながらパパからのメッセージを私が読みました。
書くのが苦手な息子は返事を言葉で伝えてくれますが、書くのを嫌がりました。子どもからの返事をパパに届けないと交換日記は続きません。
書かせるのではなく子どもからのメッセージを貰うことをゴールにして代筆をしました。
私が代筆した子どもからのメッセージを私が声に出して読み上げて確認をしてもらいました。
◆②好きを活かして欲求を刺激「子ども先生作戦」
子どもがパパのメッセージに対して、的外れな回答をする問題を解決するために、パパからのメッセージをクイズ形式にしてみました。
子どもが得意なことや好きなことをクイズ形式で質問をして子どもに教えてもらう「子ども先生作戦」です。
作文や日記を書いたことのない小学一年生がいきなり日記を書いたり、伝えたい事をことばにするのはハードルが高すぎます。
不登校で外出をせず自宅で過ごす毎日では日記にする内容も限られ、息子はパパに何を伝えたらいいのか、伝えたいことが見つからず、困っていたのではないかと思います。
そこで、子どもがクイズが好きなこと、ハマっているゲームやYouTube番組のことは張り切って説明してくれることに注目をしました。
子どもの好きな事を知ってほしい、自分の知っている知識をみんなに知ってもらいたいという気持ちをくすぐる作戦です。
パパからのメッセージを工夫して子どもの好きなゲームについてパパからの疑問を投げかけてもらいました。
質問形式にすることで子どもはその質問の答えを言うだけなのでメッセージに悩むことがありません。
先生になって知っていることを教えることで自信もついてきます。
4.回答率が上がり国語力がアップ!2つの作戦の成果
ご紹介した作戦のうち、特に「こども先生作戦」は交換日記の質とお互いのやる気を劇的に変化させました。
・子どもがメッセージに回答するスピードが上がり、メッセージの内容も会話の成り立つ文章となって返ってきました。
・質問への回答だけでなく、その答えの解説をしたり、逆に子どもから問題を出すようになりました。
・帰宅したパパに子どもが交換日記の内容について積極的に会話するなど親子間の会話の手助けにもなりました。
・パパもメッセージの内容を考える時間が減りました。
・交換日記の内容がお互いに噛み合う内容になってきたことで、パパにもやる気が出てきました。
「子ども先生作戦」は子どもの好きを活かした作戦で子どもも積極的に自信をもって取り組め、パパの負担も減らしてお互いのやる気アップにつながりました。
パパが忙しくてメッセージを貰えない日もありますが、無理のない範囲で続けています。ぜひ交換日記をするときの参考にしてくださいね!
不登校でも大丈夫!不登校中の過ごし方や対応方法をご紹介しています。
執筆者:福原かおり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)