大学受験生が、親のかける言葉で急にイライラして困っていませんか?親は理由が分からず困惑すると思いますが、子どもなりの理由があります。ここでは私の経験から、受験生に親がかける言葉についての心得をお伝えします。
【目次】
1.受験生が親のかける言葉にイライラする
2.受験生にかける言葉で親が分かってくれないと感じる
◆認められた経験が少ない
◆親子の信頼関係が崩れている
3.親の心得、受験生にかける言葉
◆心得1:共感する
◆心得2:実況中継する
1.受験生が親のかける言葉にイライラする
大学受験生にかけた親の言葉で、すぐに不機嫌になってしまう親子の会話に困っていませんか?
もしかすると受験生が、親が分かってくれないという気持ちを重ねていて、イライラしているせいかもしれません。
うちには大学受験のために予備校へ通う息子がいます。
息子が私のかけた言葉で、すぐに不機嫌になることに困っていました。
大学受験をひかえた発達障害グレーゾーンの息子は、親のかけた言葉ですぐにイライラする状況だったのです。
ぶっきらぼうに「何(怒)?」と返されると、このまま会話を続けてよいものか、戸惑います。
こちらに悪気はないし、不機嫌な調子だったわけでもないのに、イライラさせる原因は一体何なのか?
大学受験が近づくほど、受験生への禁句な言葉を言ってしまったのかと心配にもなりますね。
息子は強すぎる不安から予備校をしばらくお休みした時に、友達と遊びに出たことがありました。
翌朝の息子との会話です(朝の会話)。
息子「あまり眠れなかった。悪い夢ばかり見てた…」
母「昨日は楽しんだのに、残念だったね。」
息子「体調悪いし‼気分が悪い‼」
と、いきなり超不機嫌になりました。
私はなぜこの程度で怒るの?と、呆然としてしまいました。
このような感じでしたが、親の方の対応を変えると次第に息子となごやかに会話ができるようになりました。
ここでは私の経験をもとに、受験生がイライラしやすくなる原因と対応について、お話ししていきます。
2.受験生にかける言葉で親が分かってくれないと感じる
なぜ受験生は、親のかけた言葉に対してすぐにイライラしてしまうのでしょうか?
子どもの脳は親の言葉に反応します。
そのため、親が分かってくれないという気持ちの積み重ねは脳で癖になり、キレやすくなるのです。
イライラしやすい脳の背景には、家族から認められた経験の少なさ、そして親子の信頼関係が崩れていることがあげられます。
◆認められた経験が少ない
子どもにとって「納得いかない」「わかってもらえない」と脳で処理されると、怒りになります。
こうしたネガティブな気持ちの積み重ねが脳の中で癖になってしまい、すぐにイライラしてしまうのです。
◆親子の信頼関係が崩れている
イライラしやすい脳の背景のもう一つには、親子の信頼関係の崩れがあります。
親は自分の子どもは同年齢の子に比べてできることが少ないと感じると、「先回りの指示出し」「アドバイス」を常にしてしまう場合があります。
こうした指示やアドバイスを、子どもは「否定されている」と受けとめがちです。
「否定されている」というネガティブな気持ちは、イライラしやすい脳のクセにつながります。
続いては親子の会話がなごやかになるコツをお伝えします。
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3.親の心得、受験生にかける言葉
どうすれば、子どもはイライラをコントロールができるようになるのでしょうか?
子どもは認められた経験により、感情コントロールができるようになります。
つまり、すぐにイライラする子に必要なのは、“認められた経験”です。
認める声掛けを行う時のポイントは、共感です。
また実況中継というテクニックも年齢の高いお子さんには有効です。
いずれの対応はともに子どもの脳で「わかってもらえた」と処理されます。
先程の息子が急に不機嫌になった同じ日の夜のことです。
私は、落ち着いた雰囲気の息子に再度、話しかけました(夜の会話)。
母「よく眠れなかったと言ったけど、悪い夢みたんだっけ?」
息子「昨日は楽しかったけど、寝ようと思っても眠れなかった」
と、眠りたいのに寝付けなかったつらさを話してくれました。
朝と夜の会話から声かけの違いをみていきます。
◆心得1:共感する
時間経過による影響はあるかもしれませんが、夜の会話は落ち着いて話ができました。
しかし、言葉かけの内容によっては息子が再び怒った可能性もあります。
この時に私がやったことは朝の会話の振り返りです。
朝の会話で子どもの機嫌を悪くさせたのは、私の発した「昨日は楽しんだのに、残念だ」という言葉でした。
うちの息子は年齢を重ねるほどに、「否定」ばかりされると受け止めていたのでしょう。
朝の会話の息子は、つらさを理解してほしいのに、母親に認めてもらえなかった=否定されたと受け止め、機嫌が悪くなったと思われます。
振り返りをした後の私は、自分の言葉の問題に気づき、夜の会話では「眠れなかったんだね」と息子に共感する言葉を伝えました。
◆心得2:実況中継する
私の学ぶ発コミュには、年齢の高い子どもに対する肯定の声掛けとして、“実況中継”と呼ばれる“ありのままの状態”を伝えるテクニックがあります。
実況中継の例としては、「起きたね」「TVみているね」など、子どものしているそのままを言い表します。
この時のポイントは、親のジャッジ的な言葉はひとまず封印です。
夜の会話の言葉かけは実況中継であり、息子は共感してもらえた=肯定されたと思えたので、会話を続けられたと思われました。
私達も会話している相手から“共感”してもらえたと感じると、安心して続きを話したくなりますよね。
息子は大学生になり、今では親子の会話は、大人対大人な感じになりました。
みなさんの親子関係はいかがですか。
親子の信頼関係の崩れに不安のある方は、子どもを肯定する会話から良好な関係を築いていってほしいと思います。
この記事が大学受験生を支援する方の一助になれば嬉しいです。
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執筆者:宝井あつみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)