こだわりが強すぎる!起立性調節障害・発達障害の子どもが周囲への不満をなくし社会性を育てるコツ

 

こだわりが強すぎる発達障害の子どもは不安と正義感から自己主張を貫きます。そのため集団から孤立化しやすく思春期になるとストレスから起立性調節障害を起こし不登校へ発展することも!子どものこだわりを緩め自己肯定感と社会性を育てるコツを伝授します。
 

【目次】

1.こだわりが強すぎる発達障害の子どもの原因とは? 
2.「友達から嫌われている⁉」クラスの輪を乱す中学2年生のK君
3.子どものこだわりを緩め自己肯定感と社会性を育てるコミュニケーション3選

 
 

1.こだわりが強すぎる発達障害の子どもの特徴とは?

 
 
なぜ発達障害の子どもは強いこだわりをもっているのでしょうか?
 
 
実はこだわりが強く自己主張を貫くのは、不安が強いからです。不安が強いがゆえに自分のこだわりに固執して「いつも通り」の状態をキープしようとします。
 
 
これは、脳の機能の未熟さから周りの情報を集めて判断する力が弱いため、予測立ることが難しいことが原因になります。
 
 
自分にも人にも厳しいのは自分の「こうあるべき」に従うことで心の安定を求めようとしているのです。
 
 
そして、学校やおうちでの失敗体験を積んでくると、子どもの不安が増し、ますます自分のこだわりに固執します。
 
 
それがストレスにより反応しやすい状態にさせ、周囲への不満を感じやすく、感情コントロールもしにくい状況になってしまい、いわゆるパニックを起こすのです。
 
 
 
 
また、これからどうなるのか、何が起きるのか分からないわけですから、目新しい出来事に特に強い不安を感じストレスを抱えてしまいます。
 
 
だから、発達障害の子どもは自分が安心できる毎日を守るために、普段の当たり前をくずさないでいることにこだわってしまうのです。
 
 
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2.「友達から嫌われている⁉」クラスの輪を乱す中学2年生のK君

 
 
ここで私の受講生であるKさんのお話をさせてください。Kさんには中学2年生の息子さんがいます。
 
 
完璧主義でこだわり、マイルールが強い息子さんが自分の主張を繰り返し、「クラスの輪を乱している」と担任から連絡を受けるようになり、その後、起立性調節障害になりました。
 
 
「起立性調節障害」とは、朝起きようと思っても体がいうことをきかない、倦怠感におおわれ、立ち上がるとふらついたり、立ちくらみを起こしたり、失神することもある症状のことをいいます。
 
 
「起立性調節障害」はストレスや心の問題が症状の悪化に大きく影響するので、朝起きないからといって無理をさせてはいけません。
 
 
そんなKさんの息子さんが不登校になってから、社会情勢について不安を訴えるようになり、テレビを見るたびに画面越しのアナウンサーやコメンテーターに「こいつは馬鹿だ」暴言を吐くようになりました。
 
 
こだわりの強いタイプの子どもは自己肯定感が落ちてくると自分のルールに固執しより他人にも厳しくなるのです。
 
 
「こだわりの強い」子どもは自己主張が強く正義感がある一方、自分のルールに反することは許すことができません!
 
 
理解の幅が狭い傾向にあるので、自分の許せないことには真っ向から物申したり、そうでなければ非常に不満をためておうちでネガティブ発言を繰り返してしまうのです。
 
 
そんな不満ばかり言うわが子をみていると親御さんとしては「うちの子、絶対に友達から嫌われているんじゃない!?」と心配になってしまいますよね?
 
 
 
 
でも大丈夫!成功体験をつんで自己肯定感を育めば社会性を育てることができるんです。次でお話しますね。
 
 
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3.子どものこだわりを緩め自己肯定感と社会性を育てるコミュニケーション3選

 
 
こだわりの強い子どもの成功体験から自己肯定感と社会性を育てるおうちでできるコミュニケーション法についてお話します。
 
 

◆①自信の回復

 
 
まずは、日常的に子どものできていることに注目し、褒めて肯定し、自信を回復させます。
 
 
これが一番大切です!
 
 
「不登校でゲームばかりのわが子のほめるところが分からない…」とおっしゃる親御さんが多いのですが…
 
 
そんなママはぜひ「子どものありのままをほめるということをしてみてください。
 
 
「歯磨きしたのね」
 
「お風呂の準備ができたのね。」
 
「起きてきたのね」
 
という具合にです。
 
 
そうすると、自分に向けられた注目がうれしく安心できるので、だんだんと自信が育ち、人の意見に耳を傾けることができます。
 
 
それでも思春期のお子さんには素直に言葉を受け止められず十分に効果がでない場合もありますので、次を試してみてくださいね。
 
 

◆②あこがれの第3者からコミュニケーションを広げる

 
 
思春期の子どもでうまくいかないときは、あこがれの第3者をもちだしましょう。
 
 
「あなたの大好きな漫画家の○○は、『自分の作品が完璧だったら世に出回っていなかっただろう』って言ってたよ」とか「あの有名人は大学受験に2回落ちてたまたましたテレビのバイトのおかげで今の活躍があるのよ。」
 
 
など完璧でないからこそ、失敗したからこそ、可能性が広がっていくことがあるんだと教えてあげることができます。
 
 
思春期の子どもは、おうちの方の言うことよりもあこがれの第3者の意見の方がすっと脳で処理されることが多いんです。
 
 
だからこそ、お子さんの好きな有名人や興味関心の対象を知っておくことは武器になります。
 
 
お子さんが思わず話を聞きたくなるような有名人の話題で思考のクセを和らげてあげるのです。
 
 
世の中には「白か黒か」「0か100か」だけではないたくさんの考え方で満ちているんだ。だからこそ、面白いんだということを伝えていくんです。
 
 
そうすれば、「あいつは馬鹿だ」など極端な思考で不満を感じることが少なくなっていきます。
 
 

◆③社会性を育てる

 
 
そして社会性を育てるために感謝する習慣をつけましょう。おうちでは子どもへ小さなことでも「ありがとう」をいう機会をつくって声かけしていきましょう。
 
 
「ごみをゴミ箱にすててくれたんだね。ありがとう。」
 
「コップをかたづけてくれたんだね。ありがとう。」
 
など小さな行動に感謝の言葉をつけて声かけしてみましょう。
 
 
「ありがとう」は自己効力感を育て、自分がしたことで人が喜ぶ経験をすると社会に出たときにも、「人の役に立ちたい」と感じるようになります。
 
 
それが社会性の育ちにつながるということ。
 
 
Kさんの中学2年生の息子さんもだんだんと自信を回復したおかげでほかの人も自分も受け入れられるようになり、こだわりを緩めて楽に過ごせるようになりました。
 
 
そうすると、腹痛・頭痛、朝起きられないなどの起立性調節障害の症状もなくなり、心身ともにずいぶんと楽に過ごせるようになったんです!
 
 
 
 
ぜひ発達科学コミュニケーションのおうちサポートで、こだわりの強いタイプのお子さんの能力を広げ、社会性を育てていきましょう。
 
 
 

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執筆者:大下 真世
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
 
 
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