「完璧にできないからやらない!」起立性調節障害・中学生の思考のクセを和らげる方法

 

完璧にできないからやらない!こんな思考のクセを持つ中学生の子育ては一筋縄ではいきません。起立性調節障害から不登校になった子どもの思考のクセを和らげて、行動力が加速した対応をお伝えします。
 

【目次】

 
 

1.「完璧にできないからやらない!」と言う起立性調節障害の繊細な子に困っていませんか?

 
 
起立性調節障害は、小学校高学年から中学生くらいのお子さんがなりやすいと言われています。
 
 
急激な体の成長に対して、自律神経の発達が追い付かずに、立ち眩みやめまいなど、様々な症状に悩まされる病気です。
 
 
ひどくなると朝起きたくても起きれないことが続き、不登校になることは珍しくありません。
 
 
 
 
身体的な病気なのですが、敏感で繊細な子が起立性調節障害になりやすいとも言われています。
 
 
繊細な子の多くは、完璧主義の思考のクセがあります。
 
 
「完璧にできないからやらない!」という思いが強く、一旦不登校になると、 そんな思考のクセが邪魔をしてなかなか学校に復帰できません。
 
 
体の不調とともに、学校にいけないことへの罪悪感などからますます自信を失っていきます。
 
 
そんな子どもにどんな風に接したらいいのか悩むお母さんも多いのではないでしょうか。
 
 
具体的な対応策をお伝えする前に、まずは、不登校の繊細な子の思考のクセをお伝えしますね。
 
 
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2.起立性調節障害の不登校中学生が学校に復帰できない原因とは

 
 
起立性調整障害から不登校になり、学校に行きたくても行けない日が続くと、子どもにもだんだん不安がつのりますよね。
 
 
いざ復帰したいと思っても、完璧にできないからやらない!という思考のクセを持っていると、
 
完璧にみんなと仲良くできて
 
完璧に先生の期待に応えて
 
完璧に授業についていける
 
そんな状態にならないと無理! 復帰なんてできない!
 
 
このような気持ちになってしまい、動き出せないのです。
 
 
ですが、中学生にもなると友達関係も複雑になり、各教科の先生からの要求も高くなり、 授業も休んでいた分は当然遅れる、それが当たり前です。
 
 
大人であれば、毎日学校に行っている子だって、すべて完璧にはこなせないこともわかっていますよね。
 
 
けれど、自信をなくした繊細な子どもには、周りの子全員が自分よりも完璧にできているように見えてしまうのです。
 
 
 
 
さらに、繊細な子は、自信が育ちにくい傾向にあります。
 
 
「完璧にできる姿」を想像できるため、その姿と今の自分とのギャップを感じ、自己否定感を募らせていくのです。 
 
 
自己否定感をなくして完璧主義を和らげるには、起立性調節障害になった繊細な子の思考のクセをゆるめてあげることがとても大切なんです。
 
 
まずは、脳のはたらきからその方法をお伝えしますね。
 
 

3.思考のクセをゆるめて感情のエリアを育てよう

 
 
 
脳の中の感情のエリアには、周りや自分の気持ちを感じるインプットと自分の気持ちを作り出すアウトプットの機能があります。

インプットの機能は、相手の気持ちを感じたり、空気を読んだりする時に使われます

 
 
このインプットだけ発達が進んでいてアウトプットが未熟だと、空気を読んで相手に合わせすぎてしまい、自分の気持ちを感じて、表情や言葉で表現することが苦手になります。
 
 
お子さんが周りの空気ばかり読んで、自分の気持ちを言わないことはありませんか?
 
 
人の気持ちを読み取る力はもちろん一種の才能なのですが、そればかりだとお子さんにとってはしんどくなります。
 
 
ですので、自己理解や自己主張するアウトプット力を育てていく必要があるんです。
 
 
この感情系のアウトプットを育てるためには、「好きなこと」を見つけて一緒に追求する方法がおススメです!
 
 
親子で楽しみながら、感情系のアウトプットを発達させることで、思考のクセをゆるめることができるのです。
 
 
 
 
次に、好きな事を一緒にするときのポイントをお伝えしますね。
 
 
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4.繊細な子の行動力を高める方法3選!

 
 

◆①親子で楽しみを共有する

 
 
好きな事を楽しむときのポイントは、体験したときの五感で感じる感覚と、嬉しい!楽しい!など感情をリンクさせてあげる会話をすることです。
 
 
例えば、お子さんと一緒にランチに行っておいしいものを食べたときには、「美味しいランチに行けて嬉しいな。あなたはどの料理が好き?」
 
 
外を軽くお散歩したときには、「風が気持ちよくていい気分になるよ。あなたはどう思う?」
 
 
こんな風に、体験と感情をリンクする会話をしながら、どんな風に感じたか、伝えあいましょう。
 
 
まず最初は、楽しい体験を増やして、感じたことをアウトプットしながら、感情のエリアのアウトプットを育てていきましょう。
 
 
起立性調節障害で朝は起きるのが辛くても、体調の良い時に好きな事をたくさん体験できれば、生活にハリが出て、イキイキしてきます。
 
 

◆②適当力を身につける

 
 
そうして楽しめるようになったら、次に大切なのは、「適当力」を身につけること。
 
 
何事も完璧にできるまで動きだせないのなら、繊細な子はいつまでも動き出すことができません。
 
 
生活の随所に「適当さ」を散りばめ、お子さんの完璧主義をゆるめてあげましょう。
 
 
私がやったのは、とりかかっただけでほめる作戦と失敗談作戦。
 
 
完璧にやり遂げた姿を想像できる娘に物事にとりかかったタイミングで声かけする、 ということをやっていきました。
 
 
 
 
そして、お父さんやお母さんの失敗談を面白おかしく繰り広げ、 この失敗があるから今がある!と堂々と笑い話にしていきました。
 
 
大人が楽しく失敗する姿も積極的に見せていきました。
 
 

◆③スモールステップで指示する

 
 
大人の失敗談を聞いて、そんなこともあるんだなと繊細な子の完璧思考がゆるんできたら、次にするのは、スモールステップの指示だしです。
 
 
お子さんが「それならできる」と 思えるように提案するということです。
 
 
この提案は、目標を小さく分解するお母さんのテクニックが必要になります。
 
 
いきなり理想論をぶつけては、お子さんには到底できっこない夢物語のように感じられます。
 
 
ですから、できるだけハードルを低くしながら指示をだしていくのです。
 
 
例えば、勉強なら、まずは答えを写してOK!時間は5分からでもOK!なのです。
 
 
勉強にとりかかったことを褒めてあげましょう。
 
 
そうすると、完璧にやり遂げることよりもとりかかることに重きを置けるようになっていきます。
 
 
お子さんにとって、とりかかるということは一番脳に負荷がかかるタイミングでもあります。
 
 
つまり、とりかかりのハードルを低くすれば、そのあとは継続しやすいのです。
 
 
 
 
継続をするうえで、 勉強はしたいけれど、やる気がでない…というようなら、ご褒美を提案してみましょう。
 
 
このように起立性調節障害から不登校になった繊細な子が動き出すためには、必要なステップがあります。
 
 
繊細な子の行動力を高めるために、皆さんもぜひ
 
①好きなことを楽しむ
 
②お母さんの失敗体験から適当さを伝える
 
③スモールステップでとりかかったことを褒める
 
 
この順で対応してみてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:大下 真世
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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