発達障害アスペルガーキッズが、独特な話し方をすることで、友達ができにくいお悩みはありませんか?これは脳の特性のためコミュニケーションが上手くできない、つまり脳に未熟な部分があるということなんです。今日は、親子の遊びを通してコミュニケーション力を上げる対応をご紹介します。
【目次】
1,発達障害アスペルガーキッズが独特な話し方をする理由
2.アスペルガー傾向の息子に友達ができなかった話
3.息子の独特な話し方を和らげた対応
1.発達障害アスペルガーキッズが独特な話し方をする理由
発達障害アスペルガーキッズの話し方にはいろいろな特徴がありますよね。
◆一方的に話す
喋りたいことを抑えるのに苦手があります。
また聴覚が弱いことが多く、そのため相手の話を聴くことに苦手があります。
他者への関心が希薄なことも関係しています。
◆場の空気を読むのが苦手
視覚の弱さがあることも多いことから、場の状況を読むのに苦手があります。
また、表情や声色、声のトーンなど言葉以外の情報を読み取るのにも苦手があります。
はちゃめちゃなタイミングで話に入ってしまったり、突如全く違う話題を入れたりすることで、仲間に引かれてしまうことがあります。
◆会話のキャッチボールが苦手
相手から投げかけられた言葉を脳で処理する速度が遅く、会話のペースについていけないことが往々にしてあります。
また、言葉を文字通りに受け取ってしまうため、冗談が通じにくく、傷つきやすい場合もあります。
◆独特の興味関心
特定分野への興味関心が強く、限定されていることも多く、同年代の子達と合わないことがあります。
◆堅苦しい話し方
言葉の影響を、人との会話よりもテレビや本から受けることが大きいです。
そのため本やテレビの通りに喋ったり、年齢にそぐわない大人びた言葉を使ったり、方言を使わなかったりすることから、周りの仲間に一歩引かれてしまうことがあります。
◆感情の言語化が苦手
脳の感情のエリアが未発達な場合が多いので、自分の感情も相手の感情も把握するのに苦手があります。
そのため会話に情報の羅列が多く、感情が伝わらないため、相手に興味を持たれにくいのです。
2.発達障害アスペルガー傾向で友達ができなかった息子の話
発達障害アスペルガー傾向の我が家の息子は、1歳から保育園に通っているに関わらず、特定の友達がいませんでした。
上記のような特性があるため、同級生の仲間との会話が上手くできず、輪の中に入れなかったり、避けられてしまうことが多かったのです。
そうして、人は好きなのにいつも一人で遊んでいました。
息子の興味関心といえば、遺跡、宗教、天体、絵画などで、それについて話し出すと止まらなくなります。
アスペルガーキッズのこういった好きなことに対する好奇心や探究心は素晴らしいものです。
しかしそのような素晴らしい才能も、相手がそれに興味関心がなく一方的に喋られている、と感じてしまったなら、残念ながら情報の押し付けに思われてしまいます。
息子の場合、相手のことを察する感情のエリアもまた未熟なため、自分が興味のあることは、相手も同じように興味があるはず。
自分の知っていることは、相手も同じように知っているはず。
そんな体で話すので、聞いている方はチンプンカンプン。
その相手が子どもなら、「面白くない」と避けられてしまうことがよくありました。
3.発達障害アスペルガー傾向の息子の会話力を上げた対応
そこで私は、今子ども達に大人気のカードゲームで一緒に遊ぶことにしました。
ポケットモンスターやデュエル・マスターズのカードゲームは息子も大好き。
しかしこれらのカードゲーム、実はルールがなかなか複雑で難しいんです。
それを息子に教えてもらうことにしました。
大袈裟に困ってるふり、迷ってるふりをしながら、
母:「ねぇねぇ、お母さん今どんな顔してる?」
息子「どっちの山札から取ったらいいか迷ってるのかな?こっちからだよ」
母:「ありがとう!よくお母さんの顔を見て分かったね」
母:「今は?」
息子:「チャージの仕方がわからなくなったのかな?それは、こうするんだよ」
母:「そうなんだね、そうやったらいいんだね!ありがとう」
密かに嬉しそうな表情をしながら、
母:「今お母さん、どんなこと考えてると思う?」
息子:「強いカード来た!って嬉しいのかな?そのカードの使い方はね…」
このようにして言葉以外の情報に目をむけたり、説明する力が発揮できるように会話をしました。
その他に
「へ〜!そうやって説明してくれると分かりやすいよ!ありがとう」 と、上手に説明ができたことを褒めたり、
「お母さんの顔を見て、よく分かってくれてたね!嬉しいな」 と、言葉以外の情報を汲み取る力を褒めたりしました。
また、「モンスターやっつけたら嬉しくなるね!」
「強いキャラを出されたら、なんかドキドキするね」
「君はどんな気持ちだった?」と、感情を言葉にするように質問したり、
「こんな時、君ならどうする?」と、考えたことを言葉にさせる質問をするようにしました。
こんな会話をしながら遊んでいるうちに、言葉以外の情報を読み取るチカラ、相手の気持ちを汲み取るチカラ、説明する言葉のチカラが育ってきました。
そして、「〜の話なんだけどさ」と前置きできるようになったり、「今、〜の話してもいい?」と相手の状況を気遣ったりできるようになりました。
今では、学童で友達とカードゲームを通して楽しめるようになっています。
まずはお母さんとの1対1の安心できる関係の中で、楽しく会話しながら遊ぶことで、子どものコミュニケーション力は育てていくことができます。
今から楽しく育てることで、子供達には豊かな人生を生きてほしいですね。
パステルキッズの学校生活をより良くするためのヒントが多数あります!
執筆:長野愛(発達科学コミュニケーショントレーナー)