自閉症・小学生のコミュニケーション力が高まる!雨の日の室内遊び

 

自閉症の子どもはコミュニケーションが苦手でお家が大好き。けれど、暇を持て余していませんか?雨の日にもおすすめの室内遊びで、子どもがワクワク動き出し、さらにコミュニケーション力まで高める方法をお伝えします!
 

【目次】

 
 

1.暇を持て余す自閉症の子どもを心配していた過去

 
 
自閉症の子どもはコミュニケーションに苦手さを持っていますよね。
 
 
雨の日が多くなってきたせいもあるのかもしれませんが、お友達と遊ぶようなこともなく、お家で過ごすことが多いです。
 
 
けれど、ずっと室内にこもってばかりでは退屈で暇を持て余し、文句を言い始めませんか?
 
 
何度も「暇~!ヒマ~!」と言われると、一人で遊べないの?と思ってしまいます。
 
 
私に少し余裕があるときには、そんなに暇ならと、お家の中でできるボートゲームやお菓子作りに誘ってみました。
 
 
けれど、小学生も高学年になってくると、母親との遊びにはあまり興味を示しません
 
 
文句を言いながら、一人でゲームをしたり、動画を見たりしてぼーっと過ごし、小学生なのに活動的に遊ばない様子がとても心配でした。
 
 
 
 
遊びに誘っても嫌がるし、何度も「暇ー!」と言われることをうるさく感じて
 
 
「おでかけ嫌いだし、せっかく誘っても興味ないって断るし、暇なのは仕方ないでしょ!」と思っていました。
 
 
自閉症の小学生は、どうしてこんなに暇を持て余しやすいのでしょうか。  
 
 
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2.なぜ、自閉症の子どもは暇を持て余すの?

 
 
発達障害の中でも自閉症と言われる子どもたちは、物事への興味が薄い傾向があります。
 
 
・物事への興味が薄いので、やりたい!と思うことが特にない
 
・飽きっぽい、集中力が続かないなど、やりはじめてもすぐにやめてしまう
 
・想像することが苦手で、どんな風に遊べばいいかわからない
 
 
このような理由から、やることが見つからずに暇を持て余してしまうのです。
 
 
そして、時間の間隔が希薄で、退屈になると5分を1時間のように感じてしまうという特性も持っていることが多いです。
 
 
時間の間隔が希薄、というのは時計が読めることとはまた別のことで、子どもが肌で感じる時間の流れ・感覚のことです。
 
 
大人でも楽しい時間はあっという間に過ぎますよね。自閉症の子どもはその感じ方が極端なのです。
 
 
さらに、脳は暇になることが嫌いなので、やりたいことがなくなると、情報を与え続けてくれるテレビや動画をつい見続けてしまう、ということが起こります。
 
 
 
 
けれど、動画ばかり見続けると心配になりますよね。
 
 
どんな動画を見ているのか聞いてみても、興味のあることだけを一方的に話してコミュニケーションが取りずらいと感じることもありました。
 
 
お友達と付き合う上でも、人とのコミュニケーションは上手になってほしいものですよね。
 
 

3.自閉症・小学生のコミュニケーション力を高めたい理由

 
 
自閉症の子どもは
 
・興味のあることを一方的に話す
 
・感情が動きにくくあまり「楽しい!」と口にしない
 
・物事や人への興味や関心が薄く一人を好む
 
 
こんな特性を持っているため、人との関係性を築いていくことに苦手さがあります。
 
 
けれど、いずれは社会に出て、幸せに暮らしてほしいと思いますよね。
 
 
そのために、コミュニケーション力を高めたい理由が二つあげられます。
 
 

◆社会性を育てたい

 
 
脳の機能は大きく8つのエリアに分かれています。 そのなかのひとつに、感情のエリアという場所があります。
 
 
ここは、人の気持ちに共感したり、周りの空気を読みながら会話のキャッチボールをしたりと、脳の機能の中でも高度な働きをする場所だと言われています。
 
 
生涯に渡って育つ場所なので、例えば20代よりも50代の方の話のほうが、一言が心に残ったり、深みや重みを感じたりすることがありませんか?
 
 
それは、脳の感情のエリアが大人になってからも成長を続けているという証拠なのです。
 
 
この感情のエリアを刺激して、脳を発達させる効果的な方法は「おしゃべり」です。
 
 
まだおしゃべりがうまくできない子どもは、感情のエリアが未熟で当たり前
 
 
お母さんとのおしゃべりを通して、社会性を育てることができるので、必ずコミュニケーション力は高まっていきますよ。
 
 
 
 

◆お友達と楽しく関わる力を育てたい

 
 
お友達と仲良くできるようにと、いきなり同世代の集団の中に子どもを入れるのは注意が必要です。
 
 
なぜなら、1対1の関わりの中で少しずつ脳が発達することで、1対複数でも上手にコミュニケーションがとれるようになっていくからです。
 
 
ですので、まずはお母さんと子どもの1対1のコミュニケーションを始めましょう。
 
 
その次に、きょうだいやお母さんとお父さん、祖父母など、安心できる環境で身近な人と会話のキャッチボールが出来ているか、見てあげてくださいね。
 
 
子ども自身が、行ってみたい!と言うまでは、集団よりも1対1のおしゃべりを続けるほうが、子どもにとって負担が少ないので苦手意識も生まれません
 
 
階段を登るように、ひとつずつステップアップすることで、振り返れば必ず成長しています。
 
 
お母さんとの関わりの中で、人と関わることは楽しいことだと感じられるようになると良いですね。
 
 
そして、将来社会に出ていく頃には、人と関わりを持つことは楽しくて大事なものだと思えるように成長してほしいです。
 
 
そのために、子どもと好きなものを語り合えるくらいおしゃべりを楽しみ、コミュニケーション力を高めていきましょう。
 
 
では、暇を持て余す小学生がコミュニケーション力を高るにはどんな遊びがあるでしょうか。
 
 
これから多くなる雨の日にもおすすめの室内遊びをご紹介しますね。
 
 
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4.雨の日にもおすすめの室内遊び「おウチ映画館」

 
 

◆①「おウチ映画館」の雰囲気作りと誘い方

 
 
雨の日は昼間でも室内はやや暗くなりますよね。カーテンを閉めて電気も消して、映画館の雰囲気づくりをしてみましょう。
 
 
急にカーテンを閉めたら、何々?とそれだけで興味を示す子どももいるかもしれません。
 
 
息子はカーテンだけでは気にも留めなかったので、次は映画を選んでいきました!
 
 
 自閉症で物事への興味が薄い子どもは「普通にどれを見たい?」と聞いても「別に、いい」と言うかもしれません。
 
 
そんなときは
 
「おウチ映画館始まるよ!アッと驚くすごいDVD借りたんだ」
 
「話題の〇〇を見つけたんだけど、ちょっと最初だけ見てみない?」
 
 
なんて誘ってみてはいかがでしょうか。
 
 
楽しそうなフレーズだったり、ちょっとだけと言ってハードルを下げてあげると、準備をしている間に自然と子どもを巻き込めていた!ということは多いものです。
 
 

◆②五感で楽しむ工夫

 
 
 息子は「おウチ映画館」に反応して、「それならポップコーンがいるね!」と笑顔で言いました。
 
 
年に1回くらいですが映画館に一緒に行った時に、必ず欲しがるので、気分を上げるためにポップコーンやジュースは用意済みでした。
 
 
可能なら、ポップコーンはカラフルな紙コップに入れて、飲み物はフタつきでストローをさすタイプの使い捨てカップに入れて渡してあげるととても喜びますよ。
 
 
暇を持て余して動画をぼーっと見ていた子どもが、「おウチ映画館」に反応し、買ってきたままのお菓子や容器を見て、意気揚々とおやつの準備を始めました。
 
 
 
 
味覚からの刺激はあなどれません。
 
 
大好きなお菓子で味覚のほかに視覚や嗅覚なども刺激することは、やる気を高めたり、動き始めたりするときの原動力になりますよ。
 
 

◆③コミュニケーション力が高まる会話のしかた

 
 
映画を見始める前に「どんな場面が心に残ったか教えてね」「好きだったところを語り合おう」と伝えておきましょう。
 
 
そうすることで、感想を伝えるというミッションができて、ただ見るだけよりも記憶に残りやすくなります。
 
 
「どこがおもしろかった?」と聞いて「特にない」「忘れた」と言う子どもには、先に「感想を教えて」と伝えておくのはおすすめです。
 
 
そして、たとえすぐに感想を伝えてくれなかったとしても、まずはお母さんの感想を教えてあげると、子どもはその言葉から映画の内容を思い出すことができます。
 
 
「この場面がこんな理由で特に好きだったけど、あなたはどうだった?」
 
 
そんな風に聞くと、YESかNOで答えられる質問になるので、子どもの答えるハードルがグッと下がります。
 
 
子どもに合わせた質問でおしゃべりをすると、会話が続き、子どものコミュニケーション力を高めることができます。
 
 
自閉症の子どもにとっては、お家は安心できる場所ですよね。
 
 
途中でおしゃべりしても誰にも迷惑をかけませんし、トイレの心配もありません。
 
 
外出が苦手でもリラックスして楽しむことができるのです。
 
 
普段とは違う特別感を演出することで、感情の脳のエリアを刺激する「おウチ映画館」は、暇を持て余す子どもにぴったりです。
 
 
これからの時期、雨の日の室内遊びとしてもぜひ試してみてくださいね。  
 
 
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執筆者:作倉 帆香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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