褒められると嫌がり怒るのはなぜ?褒めても喜ばない子への対応

 

なぜか褒められることが苦手で嫌がることはありませんか?褒めても喜ばないなんて、褒め方が悪いの?とお困りのママへ、発達障害・自閉症スペクトラムの褒めると怒る子どもの心理と褒め方の工夫をお伝えします。
 

【目次】

 
 

1.発達障害・自閉症の褒めると怒る子どもに困っていた過去

 
 
ちょっと褒めただけなのに嫌がったり、「褒めないで!」と急に怒りったりする子はいませんか?
 
 
褒めると怒るので、育てにくさを感じているママも多いのではないでしょうか。
 
 
 
 
小学校低学年の頃は「お勉強頑張っててえらいね♪」と褒めたらいきなり機嫌が悪くなり、癇癪を起こすこともしばしばでした。
 
 
声のかけ方が悪かったのかな?と自分を責めたり、いきなり癇癪になってお勉強をやめるなんて!どうしてなの?とため息をついていました。
 
 
子どもは褒めると喜ぶものだと思っていた私は、ひとこと褒めたせいで癇癪を起こしているとは、夢にも思わなかったのです。
 
 
どうして急に怒り出すのか理由が分からないので、とても手を焼いていて、ようやく癇癪の理由がわかったのは、小学校3年生くらいの頃でした。
 
 
お勉強をしていたときに「すごいじゃん!頑張ってるね!」と私が褒めると「褒めないで!」と言葉で伝えて怒り出すように変わってきたからです。
 
 
お勉強中に声をかけたら急に癇癪が起きていたのは、褒められることが嫌だったからなんだ!息子の言葉で、ようやく理解することができました。
 
 
けれど、どうして褒めると怒るの?褒められるのが嫌な子っているの?今は怒りっぽくてもほめ続けたほうがいいのかな?
 
 
そんな風に疑問だらけで、子どもの褒め方も全くわからず、息子にどう接したらいいのかと困っていました。
 
 
子ども自身にどうして嫌なの?と聞いても、「ふん!」とそっぽを向いたり「わからない!なんかイライラする!」と言う程度だったのです。
 
 
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2.なぜ褒められるのが苦手で嫌がるの?

 
 

完璧主義で理想が高く、今までの自分を否定されたと感じて怒りっぽくなる

 
 
「えらいね、頑張ってるね」と褒めてそれを素直に喜ばしく受け取ってくれる子どもは多いですよね。
 
 
ですが、褒められるのを嫌がるタイプのお子さんはこんな風に感じています。
 
 
「今日えらい!って言われたってことは、今までは頑張っていないって思われていたんだ!」と、裏を読むような感情になってしまうのです。
 
 
完璧主義で理想が高く、今まで出来ていなかった自分というのは許しがたいので、否定されたように感じてしまいます。
 
 
ママは素直にお勉強してるなんてえらいね、という思いで褒めていますよね。
 
 
この言葉の裏に「今まではできていなかったよね」というメッセージを感じてしまうなんて、思いもよらないのではないでしょうか。
 
 
このような感じ方は、自閉症スペクトラムの脳の特性のひとつなのです。
 
 
独特な感じ方のようですが、言葉の裏を読むということは、人の気持ちを読みすぎる繊細さをあわせ持っている子とも言えますね。
 
 
褒められると嫌がるようであれば、違う声かけに変えていきましょう。
 
 

子ども自身が「できていない」と感じることを褒められると自尊心が傷つく

 
 
お勉強は特に、子どもがいつも自信を持ってできることではないですよね。
 
 
 
 
正解したり間違えたりしながら学び、知識をつけていくものなのですが、やはり不正解だと嫌な気持ちになります。間違い直しも嫌がりますね。
 
 
お勉強をすることは褒められる良いこと、でも本当は好きじゃないし全部正解じゃないから嫌だ。
 
 
正解できない自分はダメな自分、ダメな自分を大好きなママに見せたくない。
 
 
もともとネガティブな思考になりやすい発達障害の子どもは、こんな風に感じていることがあります。
 
 
できていないと思うことを褒められても、自信を無くすような思考回路が働き自尊心が傷ついてしまうのです。
 
 
そんな悲しみの感情を「怒る」という行動で表現しているのですね。
 
 
では、褒めると怒る子どもは褒めないほうがいいの?というと、そんなことはありません。
 
 
褒めても喜ばない子どもに伝わるほめ方があるのです。
 
 
今回は二つの褒め方をご紹介しますね。
 
 
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3.褒めても喜ばない発達障害・自閉症の子どもが素直になるコツ

 
 

子どもが好きなことや自信を持っていることだけを褒める

 
 
お子さんの好きなことや得意なことはなんですか?
 
 
自信がないことを褒められると傷ついて怒り出す、という思考回路なので自信があって得意だと子ども自身が思っていることを褒めるとうまくいきます。
 
 
息子の場合は、心から楽しんで遊んでいるとき「上手!すごいね」と褒めると、得意気に「ふふん!」と言ってとても嬉しそうにしました。
 
 
ママが苦手なゲームや魚釣りを教えてもらう、というスタンスで一緒に楽しんでいるときは、褒めると怒ることはないと気付きました。
 
 
まずは、子どもが放っておいてもやりだすような好きなことの中に、褒めるポイントを見つけてみてください。
 
 
子どもをよく観察して、褒められると嫌がる、全く喜ばないような褒め方は少なくしていきましょうね。
 
 
子どもが自信のあることだけを褒め続けていると自己肯定感が育まれるので、いつの間にか褒めると怒っていたことでも、褒めを受取ってくれるようになりますよ。
 
 

タイミングを見極めて笑顔で肯定する

 
 
今まで私が失敗してきた理由に、息子がお勉強している姿を見ると嬉しくなり、集中している最中にこちらから声をかけていたということがありました。
 
 
子どもが行動を始めたときに「お勉強しているね」と肯定するとうまくいく子どもももちろんいます。
 
 
ママが見てくれている!という安心感からやる気が出て、褒められてどんどんお勉強が進んでいくのです。
 
 
ですが、わが子がそんなタイプではないな、と感じるママはタイミングと笑顔を意識してみてください。
 
 
集中しているときには声をかけず、少し離れて様子を観察したり、用事をしたりして見守ります。
 
 
もしも目が合ったら、ニッコリするか、親指を立ててグッドサインを出すだけで声はかけません。
 
 
そして、お勉強を終えたタイミングで「お疲れさま~♪」と笑顔で反応します。
 
 
ここでも「頑張っていたね」という直接的な褒め方はしません。
 
 
笑顔でねぎらうようにお疲れ様と言うだけで、頑張っていたね、ママは見ていたよという肯定的なメッセージが子どもに伝わるからです。
 
 
この対応で、言葉では褒めていないけれどママが肯定的に見ていることが伝わり、子どもにとって心地よい褒め方になるのです。
 
 
 
 
そんな風に接していると、時々「見て!これやったんだ!」と報告してくれることが増えてきました。
 
 
マルつけをする段階なら、頑張ったね~♪と褒めても特に気にしたり怒り出したりすることはなくなっていきました。
 
 
ママはニコニコの笑顔で子どもを見守る、これだけです。
 
 
お子さんがどんなことを褒めると嫌がったり怒ったりするのか、褒めると喜ぶことは何か、ぜひ探してみてください。
 
 
子どもにママの肯定がじわじわ浸透すると褒めると怒る態度は次第に減っていきますよ。
 
 
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執筆者:作倉 帆香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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