書くことが苦手な小学2年生におすすめ!筆算で算数嫌いにさせない対応

 

小学2年生になると筆算を習います。細かい数字を桁に揃えて書くことを負担に感じる子も多く、算数が嫌いになる原因になりやすい単元でもあります。それまで得意だった計算も嫌いにさせてしまう筆算を絶対にやらせなければならないのか、解説します。
 

【目次】

1.計算が得意な小学2年生を算数嫌いにさせる筆算
2.小学2年生が筆算でつまずく原因
3.筆算のせいで「算数嫌い」にさせない非常識な対応
4.小学2年生だからって筆算ができなくてもいい!

 
 

1.計算が得意な小学2年生を算数嫌いにさせる筆算

 
 
私が塾講師をしていた頃に出会った小学2年生の男の子は、数の捉え方が優れていて、簡単な計算の暗算もサッとできていました。
 
 
ところが、筆算の学習が始まった途端にやる気をなくし、「算数嫌い」と言って学習が進まなくなっていきました。
 
 
私の中には、「この子は計算はできる」「筆算を書くのが面倒だから嫌がっているだけ」という思い込みがありました。
 
 
「できるんだから、ちゃんとやろう!」
 
 
そんな私の励ましの言葉が、その男の子をどんどん算数嫌いにさせていくことになりました。
 
 
 
 
やがて塾に通うことを渋るようになり、お母さんに無理矢理連れて来られても、学習に集中できない日がつづきました。
 
 
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2.小学2年生が筆算でつまずく原因

 
 
そもそもどうして小学2年生が筆算につまずきやすいのか?
 
 
それにはいくつかの理由があります。
 
 
そのうちの主な3つについて説明します。
 
 

◆計算が苦手(計算に時間がかかり、ミスが多い)

 
 
数をまとまりとしてイメージできない、数の大小がわからないなど、数の感覚が育っていないため簡単な計算にも時間がかかります。
 
 
おはじきなどの具体物を使って考えることで理解しやすくなります。
 
 

◆計算はできるけれど、筆算の手順を理解できていない

 
 
目で見た数字を一旦覚えて、次の作業でその数字を思い出して考える。または、手順を覚えてその通りの順序で進めるといった短期記憶の弱さが原因で混乱してしまいます。
 
 
指を使う、くり上がりを書く、手順を声に出しながら進める、などで負担が減ります。
 
 
 
 

◆計算はできるけれど、書くことが苦手

 
 
数字に限らず、いつも文字がマスにおさまらずに乱れた字を書く子どもは、
 
 
見る力、空間認知力、目と手の協働能力の発達の遅れにより、本人のやる気の有無にかかわらず、文字が上手く書けないのです。
 
 
筆算のように小さな数字を位に合わせて並べて書くというのはとてもしんどい作業になります。
 
 
筆算は大人が書いて、子どもは手順通りに計算するだけにしてあげるとよいです。
 
 
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3・筆算のせいで「算数嫌い」にさせない秘策

 
 
私の生徒だった小学2年生の男の子は、計算はできるけれど書くことが苦手なタイプでした。
 
 
日ごろの学習の様子から、文章題はミスが多かったのですが数の感覚は優れていると感じていました。
 
 
計算が得意なのに極端に筆算を嫌がる原因は、脳の特性によるものだと知った私は、小学2年生の子どもをこのまま「算数嫌い」にさせてはいけないと考え、ある非常識な対応をとることにしました。
 
 
その対応とは、
 
苦手である書く作業を減らして、得意な計算力だけを褒める。
 
というものでした。
 
 
具体的には、
 
 
筆算に限らず、書くのが面倒な時は口頭で答えるだけでOKとして、式も答えも書いていないプリントに丸をつけて100点としました。
 
 
お母さんにも理解してもらえるように、
 
 
「答えは口頭で教えてくれました。よくできています!
 
 
とプリントにメッセージを書き加えました。
 
 
「筆算で計算しましょう」という問題でも、筆算しなくてOKとしました。
 
 
 
 
元々数の感覚が育っていたその子は、苦手な「書く」という作業を省いてあげることで、 前向きに学習に取り組むようになりました。
 
 
筆算を書く代わりに、印刷されている計算式の下に数字を少し書き足すだけ、という独自の解き方でスラスラと答えを導き出していきました。
 
 
筆算を書いて計算するよりも早く、正確に計算することができていました。
 
 
算数の解き方に正解や不正解はありません。
 
 
むしろ、このように解き方を自分で工夫することこそが、本当の学習なのです。
 
 
私はそのことを何度もくり返し子どもに伝え、褒めました。
 
 
すると、その子はある日こう言ったのです。
 
 
「オレ、算数が得意になった。勉強が面白くなってきた!」
 
 

4.小学2年生だからって筆算ができなくてもいい

 
 
もしも、学校のやり方が合わないだけで「勉強ができない」と悩んでいる子がいるとしたら、それはとても残念なことです。
 
 
小学2年生のうちに筆算を習得しなければならない理由なんてありません。
 
 
それよりも、小学2年生で「算数嫌い」になってしまうことだけは、絶対に避けなければいけないのです。
 
 
 
 
勉強が嫌いになってきている子には苦手なことは省き、得意なことだけを褒めて伸ばしてあげてほしいと思います。
 
 
そうすれば「できないこと」も「できる!」に変わっていきますよ。 
 
 
 
 
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執筆者:草なぎりみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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