発達障害の小学生の子どもが不登校になり、引きこもりがちに。親としては心配になりますよね。そんな時に、子どもの「外に行きたい」という気持ちが芽生え、動き出すきっかけとなる魔法の方法をお伝えします!
【目次】
1.発達障害の息子が不登校になって外にも出たがらない
2.不登校で好きなことばかりしている子どもが出かけたがらない理由
3.引きこもり小学生から「外行こう!」が聞かれるようになる親の関わり方
1.発達障害の息子が不登校になって外にも出たがらない
わが家には小学1年生の12月から完全に不登校になった発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)の息子がいます。
入学当初は親子登校で時々お休みしながらも、不登園になってからの学校で、初めての学校に行くことをがんばっていました。
新しいお友達もできて、楽しく遊んで過ごしている様子も見られました。
しかし、がんばりすぎと体調不良が重なり、「また具合が悪くなったらどうしよう」という不安から、学校に行けなくなってしまいました。
私と夫は、無理をさせてしまったかもしれないと反省し、息子が充電できるまで休ませようと見守ることにしました。
家にいる間、息子はゲームやYouTubeばかりを見て過ごし、
お買い物に誘っても「行かない」、
好きだった外遊びにも「行かない」、
ちょっとしたお散歩に誘っても「行かない」。
動くのはトイレと部屋の移動ぐらいで、落ち着いていたイライラも目立つようになり、表情が明らかに乏しくなってきました。
口数も少なくなり、私は平静を装いつつも、「このまま引きこもってしまったらどうしよう」と不安になりました。
2. 不登校で好きなことばかりしている子どもが出かけたがらない理由
どうして不登校の発達障害の子どもは外に出たがらないのでしょうか?
家にいる時間が増えると、学校に行っていた時よりも体を動かすことが少なくなります。
その結果、体力が落ちてしまい、ちょっとした外出でも思った以上に疲れやすくなります。
疲れると気持ちも落ち込み、
「早く帰ってYouTubeを見ながらのんびり楽しみたい」
という気持ちが強くなり、
「やっぱり外に出ることは疲れる」
という思考に陥ってしまいます。
これが、ますます動かなくなる悪循環を生み出します。
また、体を動かさないこと・活動量が減ることは脳にも影響を与えます。
脳は働きによって8つのエリアに分けられていますが、運動はすべてのエリアの働きを強くする土台の役割を担っています。
つまり、運動は考えることや記憶すること、感情をコントロールすることなどあらゆる脳の働きに影響します。
運動不足は、子どもの気持ちがますます外に向かなくなる原因になってしまうのです。
しんどい学校には行かなくて良いけれど、子どもの今後の成長のことを想うと「行かない」ばかりではなく「行きたい!」を増やしたいですよね。
3. 引きこもり小学生から「外行こう!」が聞かれるようになる親の関わり方
では、どうすれば「行きたい!」が増えるようになるのでしょうか?
嫌がっている子どもを無理やり連れ出すのは至難の業です。
不登校の小学生が動き出す効果的な方法を2つお伝えします。
◆肯定的な注目を増やす
まずはママのお誘いがすんなり脳に届くように声かけに変えましょう。
やることは肯定的に関わることです。
できていることをたくさん言葉にして伝えましょう。
「お家にいるだけで、動きもしないし、動画かゲームしているだけなのにどこを肯定すれば」と思う方もいるかもしれませんね。
褒めるだけが肯定じゃないので、安心してくださいね。
見たままを伝えるだけでOKです。
「起きてきたんだね」
「ご飯食べてるね」
「いっぱい食べたね」
興味関心を示すのも良いです。
「何のゲームしてるの?」
「このキャラなんて言うの?」
「また勝ったんだねー」
そして、感謝の言葉も伝えましょう。
「食べてくれてありがとう」
「教えてくれてありがとう」
「運んでくれてありがとう」
この、見たままを伝える・興味関心を示す・感謝を伝えることでも、十分に肯定の注目になります。
このようにすると、自然と親子の会話が増えていき、ママの言葉がお子さんの脳にしっかり届き、自信を育てます。
お子さんの脳にポジティブな刺激を与えることが、少しずつ外に出たいという気持ちを育てるきっかけになります。
◆ママが楽しくやって見せる
子どもに運動させたいなら、まずはママが楽しく運動することです。
私は体を動かすのが嫌いではないので、息子と一緒に家にいるだけだと何だかムズムズしてきます。
そこで、自分から運動を始めました。
YouTubeを見ながら5分だけヨガから始め、ダンスや筋トレを楽しくやっていました。
「何やってるの?」って聞かれれば、「この運動楽しそうだからやってみようと思ってやりだしたよ」
「簡単そうだから、ママもやってみようって思って」と答えていました。
2週間くらいして、母の様子を見ていた息子から「僕も走りたいんだよね」と言われました。
私は驚き嬉しかったですが、この気持ちを押し付けないように、息子のペースに合わせて楽しむことを心がけました。
体力が落ちている息子にとって、いきなり走るのはハードルが高く感じましたが、折角の「やりたい!」という気持ちを大事にしました。
疲れるまでやらないように注意しながら、楽しくできたを積み重ねることを意識しました。
「今日は疲れた。無理そう…」という日もありますが、それも「自分で決められたね」と肯定します。
運動するようになった息子は、お出かけもすんなり行けることが増えました。
楽しい運動習慣をつけることで、子どもが外に出ることへの抵抗が少なくなり、「外に行きたい!」という気持ちが育まれたのです。
いかがでしたか?
不登校になってママも不安になりますが、本人だって不安だし、行けないって罪悪感も感じています。
ママの心配は子どもにもうつり、余計に落ち込んでしまうものです。
おうちは安全基地にして、外に出るパワーを充電できれば、子どもは動き出します。
焦らなくて大丈夫です!
少しずつでも変わっていけます。
お子さんを信じて、まずは親がリラックスすることから始めてみましょう。
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執筆者:林 花寿美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)