母子分離不安のお子さんに「いつになったらママから離れられるんだろう」と悩んでいませんか?不安が強い我が家の発達障害ASD・ADHDの幼児が母親なしで「1人でお泊まりに挑戦してみる!」と言えるようになった秘策を紹介します。
【目次】
1.何をするにも「ママがいい!」のASD・ADHDの息子
2.なぜ発達障害の幼児は不安が強い?
3.自信をつけさせるためにやったこと
4.母親もびっくり!お泊まりに「僕1人で挑戦してみる!」
1.何をするにも「ママがいい!」のASD・ADHDの息子
私は、自閉症スペクトラム症(ASD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)ミックスタイプの4歳の男の子を育てています。
普段はとても明るく活発で元気な男の子ですが、とても繊細な一面も持ち合わせています。
環境の変化やいつもと違う場所では不安が強くなり、
「ママ一緒に行こう!」
「もし地震が来たら怖いからトイレについてきて!」。
遊びに行くのもお風呂も仕上げ磨きも「ママがいい!」とにかくママが大好きで、ママに認められたい気持ちが強い子でもありました。
そんな我が家は毎週末、近所の祖父母の家に泊まりに行っています。息子は、優しくてたくさん遊んでくれる祖父母のことが大好きで、とても楽しそうに遊んでいます。
祖父母に気を許している息子は、私がいなくても普段通りの姿で過ごせる安全基地の一つです。寝る直前まで祖母の部屋で絵本を読んだり、間違い探しを楽しんでいる息子。
眠たくなって、このまま祖母と寝るのかなと思っていても必ず寝る前には私の元に戻ってきていました。
あんなに安心して楽しんで遊んでいたのに、やっぱり寝る時は「ママがいいんだな。いつになったら不安がなくなるかな」と少し心配していました。
2.なぜ発達障害の幼児は不安が強い?
発達障害の子どもの不安が強い理由は脳の特性が関係しています。
◆①見通しを立てにくい
ASDの特性がある場合、見に見えないものをイメージする力が弱いために「これから何が起こるのか」がわからずに漠然とした不安に襲われやすくなります。
特に新しい場所や環境の変化があった直後では、その傾向がより強く出るので安心するためにママを強く欲することがあります。
◆②ネガティブな記憶が残りやすい
人間の脳は天敵から自分を守るために、ネガティブな記憶を残しやすいという動物本来の脳機能を持っています。
発達障害の幼児は、この特性を強く持っていることが多く、楽しかった記憶よりも嫌な記憶をいつまでも忘れらずに覚えているという特徴があります。
そのため、息子のように”地震のニュースを見た”という嫌な記憶がいつまでも忘れられずに、ふとした時に不安になって「ママついてきて」となるケースが多いのです。
不安な気持ちが強いままでは、自信が育まれないので新しいことに挑戦することはできないですよね。
3.自信をつけさせるためにやったこと
そんな不安が強い息子のために、ポジティブな記憶や成功体験の記憶を多くつけさせることで、自信をつけさせたいと考えました。
そこで私が日常生活の中で徹底的にやったことは、息子を実況中継風に褒めること。
実況中継をするためには息子のことを常に観察しておく必要があります。
「目が覚めたね、お腹を出して寝てたよ」「美味しそうに食べてるね」「集中して書いているね」「トイレ行ってきたんだね」など細かく息子の言動を伝えることで、息子に褒められたプラスの記憶をたくさん残すことを意識しました。
当たり前にできていることを見たままに伝えることで、不安が強い子息子にどんどん自信がついていきました。
4.母親もびっくり!お泊まりに「僕1人で挑戦してみる!」
そんなある日、お昼に祖父母の家に遊びにいきました。
その日は泊まる予定にしていませんでしたが、突然息子が「今日1人でばぁばの家にお泊まり挑戦してみる!」と言ったのです。
あんなにママと一緒じゃないと眠れなかった子が「挑戦してみる!」と言えたことがとても嬉しくて感動したのを覚えています。
日頃しっかりと子どもを観察し「しっかりあなたのことを見ているよ」と伝えてあげること、そして、当たり前のことでも見たままを褒めることで自信をつけさせること。
この2つで安心安全を手渡せば、不安が強い子どもでも新しいことに挑戦する原動力になっていきますよ。
不安が強い子どもの挑戦力が育つ秘策はこちら
執筆者:中井春菜
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)