イライラ夫婦が笑顔で会話!発達凸凹育児を乗り越えるための3つのステップ

 

発達凸凹の子どもを育てる中で、夫婦間の育児方針の違いやコミュニケーション不足から夫婦喧嘩が増えてしまうことは少なくありません。そんな状況を改善するための方法を3ステップでご紹介します。夫婦の理解が深まり、家族全体の会話も増えていきますよ。
 

【目次】

1.発達凸凹の息子のことで協力したくても夫婦喧嘩ばかり
2.発達凸凹の育児をめぐって、夫婦喧嘩が増えるのはなぜ?
3.夫との会話をスムーズにするとっておきの秘策

 
 

1.発達凸凹の息子のことで協力したくても夫婦喧嘩ばかり

 
 
わが家の小2の息子は発達凸凹・自閉スペクトラム症(ASD)です。
 
 
年長さんの夏の終わりから突然保育園に行けなくなりました。
 
 
息子は次第に暴言を吐くようになり、気に入らないと叩くことも増えていきました。
 
 
私はフルタイムで仕事をしており、在宅勤務の夫に息子のことはお願いするしかありません。
 
 
実は、夫も発達障害の診断を受けており、「気持ちがわかるから、無理に行かせる必要はない」と言われ、言うとおりにしました。
 
 
でも、良くならない状況に私は心配になるし、夫自身も生活リズムの変化でイライラすることも増え、夫婦喧嘩も増えていきました。
 
 
子どもがいるところで始まってしまうので、子どもへの影響も心になりました。
 
 
極力話すことはやめて、自分で何とかしようとし、夫と話すことは業務連絡のみになりました。
 
 
息子のことを夫にお願いし続けるのも「気が引ける」
 
「このままじゃ小学校に上がったって、入学式すら出れない」
 
 
と一人で葛藤していた卒園式直前に、発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会いました。
 
 
科学的に根拠のある対応方法を学び実践すると、2週間ほどで素直でかわいい息子の姿が戻ってきました。
 
 
保育園への行きしぶりは続いていましたが、卒園式の日は登園し、楽しい思い出もある保育園生活として卒園出来ました。
 
 
しかし、小学校に上がっても1人で学校に行くことはハードルが高いまま。
 
 
私も仕事に行く回数を減らして、夫と私で交代しながら親子登校を続けました。
 
 
夫の方が小学校に行く回数が多いので、私が親子登校した日に「こんなことしたよ~」「○○君と遊んだよ」と話しても
 
「知ってるよ」「こうした方がいいよ」
 
と、冷たくあしらわれ、感情のやり取りができない発達障害の夫との会話は苦痛でした。
 
 
言っていることはわかるけど、そんな言い方しなくてもと私は否定的に受け止めていました。
 
 
喧嘩になるのが嫌で、言いたいことを言えずに我慢するばかり。
 
 
子どもは良くなってきたけど、夫とはほぼ会話のない状態が続きました。
 
 
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2.発達凸凹の育児をめぐって、夫婦喧嘩が増えるのはなぜ?

 
 
発達凸凹のある子の子育ては、子育ての常識が通用しないこともあり、夫婦で育児方針が合わないコミュニケーション不足ということが起こりやすいと言われています。
 
 

◆育児方針が合わない

 
 
発コミュのおかげで小学校は付き添いしたり、休んだりすることを受け入れられた私。
 
 
しかし、それ以前は息子が保育園に行けないことで、私たち夫婦の間で育児方針の違いが浮き彫りになりました。
 
 
私は「保育園に行ってもらわないと仕事に行けない」という現実的な問題に直面しました。
 
 
周りの人たちからも「連れてっちゃえば遊ぶでしょ」「大丈夫だよ」と言われ、甘やかしすぎなのでは?と悩みました。
 
 
さらに、「みんな行ってるのに、なんで行けないの?」という思いが頭をよぎり、こんなに休んでしまうと保育園に戻れなくなるのではないかという不安も募りました。
 
 
一方で、夫は「休ませてあげよう」「どうして無理に行かせるの?」と寛大な態度を示していました。
 
 
夫は同じ発達障害だからわかるんだと言わんばかりに、息子の気持ちに寄り添っていたのです。
 
 
しかし夫は小さいころ、学校は嫌なら休むという選択なく育てられてきました。
 
 
結局どうすればいいかなんて知りません。
 
 
お互いしつけの教育で育ってきて、その方法しか子育ての方法を知りません。
 
 
発達凸凹の子にはしつけ中心の子育てではうまくいかないのです。
 
 
私たち親世代が受けてきたのは、しつけの教育で同じだけれど、育った環境・味わってきた経験が違います。
 
 
自分たちの経験から子育てをするので、夫婦で育児方針が合わない、ということが起こりやすいのです。
 
 

◆コミュニケーション不足

 
 
子育てを一緒にしていくうえで、夫婦のコミュニケーションは、自分の気持ちを相手に伝えたり、相手の考えを理解したりするのに必要です。
 
 
ですが、育児方針の違いで喧嘩になれば話すことも嫌になりますし、そもそも共働きで忙しく、話ができないという場合もあります。
 
 
するとだんだん、相手の言うことを否定的に捉えてしまい、余計に拗らせます。
 
 
私も、夫の経験を踏まえて、息子がどう感じているかを話してくれることも、
 
 
「エラそうだな」
 
「自分が発達障害だから何でもわかるような言い方して」
 
 
と否定的に捉えていました。
 
 
夫からすると、良かれと思って話しているので、私が不機嫌になるなんて思ってないからパニックになり、余計に夫婦喧嘩に発展してしまうのです。
 
 
本当は、お互いが子どものことなどを想って話しているのに、意見を受け入れられる状態になく、コミュニケーション不足によりすれ違いが起こりやすくなってしまうのです。
 
 
 
 
わが家の場合は夫の方が、息子への理解を示していましたが、多くのご家庭ではこの逆の場合が多いかもしれません。
 
 
それでも、コミュニケーションはだいぶ拗らせていました。
 
 
対人関係において、コミュニケーションは欠かせません
 
 
意見の食い違いは、正しいコミュニケーションで解決することができるのです。
 
 
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3.夫との会話をスムーズにするとっておきの秘策

 
 
子どもが発達障害の場合、子育ての常識が通用しないことからふつうの子育てよりも人一倍大変と言われています。
 
 
このグレードの高い育児は1人で抱えこまず、夫と協力して行った方が断然いいです。
 
 
私自身も、夫との会話を放棄し、すべて背負い込みいっぱいいっぱいになってしまいました。
 
 
夫が言うことを否定的に受け止めてしまうことが脳のクセになっていたのです。
 
 
「夫が経験から教えてくれることを素直に聞ける関係の方が楽で、子どものためになるだろう」
 
 
と思い、夫婦喧嘩にならないように、自分のコミュニケーションを見直そうと本気で思ったのです。
 
 
そこで、夫との会話をスムーズにするためのとっておきの秘策を3ステップでご紹介します。
 
 

◆ステップ1:夫の話に「同意」してみる

 
 
まず、夫婦間のコミュニケーションで意識したいのは「同意すること」です。
 
 
これは、相手の言っていることを全て受け入れるという意味ではありません。
 
 
例えば、夫が「子どもを無理に学校に行かせなくてもいい」と言った場合、その意見に対して「そういう考え方もあるね」と同意の姿勢を見せることがポイントです。
 
 
このステップは、意見の違いに焦点を当てずに、一度相手の視点に立つことで、対話の糸口を作り出します。
 
 
私も最初は抵抗がありましたが、夫が話すたびに「そうか、そう思っているんだね」と同意の言葉をかけることで、夫も少しずつ心を開いてくれるようになりました。
 
 
これにより、お互いの理解が深まり、夫婦喧嘩が減ることにつながります。
 
 

◆ステップ2: コミュニケーションの「場面」を見直す

 
 
次に、夫婦のコミュニケーションがどの場面で行われているかに目を向けてみましょう。
 
 
家事や育児で忙しい中、どうしても急いで話してしまったり、感情的になってしまうことがあります。
 
 
私の場合、やることが多くて時間に追われているときに夫と話すと、すぐにケンカになってしまうことが多かったです。
 
 
そこで意識したのは、話すタイミングを工夫することです。
 
 
例えば、朝の忙しい時間を避け、夜の家事が一段落したあとに少し話す時間を作るようにしました。
 
 
このように「話す場面」を変えるだけでも、コミュニケーションがスムーズになり、意見の食い違いが減ることに気づきました。
 
 

◆ステップ3: 夫婦で「感情を共有」する時間を作る

 
 
最後のステップは、お互いの感情を共有する時間を意識的に作ることです。
 
 
夫婦間で感情を隠してしまうと、お互いが何を考えているのか分からなくなり、誤解が生まれやすくなります。
 
 
しかし、夫は発達障害の特性から、もともと感情を言葉にするのが苦手です。
 
 
そこで始めたのが、毎日の子どもの様子を伝える会話やLINEのやりとりの中で、
 
「それは嬉しかったね」
 
「疲れて、大変だったね」
 
「○○は嫌だったね」
 
といった簡単な言葉で夫の感情にフィードバックするようにしました。
 
 
その時に違えば「実はちょっと不安だった」などと返ってきて、誤解からのすれ違いを減らすことができます。
 
 
もともと夫は、「どんな気持ちだった?」という質問は苦手なので使わないようにし、どうしても追加で聞きたいときは「それはどう思ったの?」と聞くようにしました。
 
 
このステップで話をすることで、夫も私の話を聞いてくれるようになり、何か言ったら否定されるという感覚がなくなりました。
 
 
 
 
お互いに否定的な言葉がなくなることで、協力して育児を進めることができ、さらに、子どももたくさん話をするようになりました。
 
 
「パパと一緒なら嫌」と言っていたお出かけや留守番も「いいよー」と言うようになり、食事中の会話も質問して返事をしておしまいだったのが、続くようになりました。
 
 
家族そろって穏やかに会話できるようになるなんて、以前のわが家からは信じられませんでした。
 
 
これからも、肯定的なコミュニケーションを通じて、夫婦の会話をスムーズにして、安心できる環境の中で子どもの成長を支えていきたいと思います。
 
 
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子どもがいつも「何でもいい」って答えて心配なときは、こちらの記事もご覧ください。
 
 
 
 
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執筆者:林 花寿美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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