足し算はできるのに、引き算のやり方に戸惑い、苦手意識を持ってしまう子どもは多いですね。低学年のうちにお家でやってほしい非常識な引き算攻略法をお伝えします。
【目次】
1.つまずきやすい引き算のやり方
2.低学年の子どもが引き算を苦手だと感じる理由
3.引き算のやり方に慣れる!心躍る楽しい攻略法3選
4.低学年のうちにやってほしい脳の土台つくり
1.つまずきやすい引き算のやり方
足し算はできるのに、引き算でつまずいている。
計算ドリルで引き算の問題を嫌がる。
そんなお悩みありませんか。
就学前は数をかぞえるのが得意だったし、まさか算数でこんなにつまずくとは思わなかった。
低学年で授業についていけないなんて…と、将来が心配になるかもしれませんね。
けれども、心配ご無用です!
足し算が理解できているのなら、引き算も必ずできるようになります。
なぜなら、低学年の子ども達の引き算でのつまずきは、数の理解が遅れているのではなく、数を操作する体験不足が原因になっていることが多いからです。
では、算数の学習をはじめたばかりの低学年の子どもたちは、引き算のやり方のどこでつまずいているのでしょうか?
5このリンゴのうち3こ食べました。 残りはいくつですか?
引き算が苦手な低学年の子の中には、この問題の式と答えをこんな風に書く子がいます。
式 3+2=5 答え 2こ
正しい式は5-3=2ですね。
答えはあっているのですが式が違うので×がついてしまいます。
けれど、これって本当に間違いなのでしょうか?
間違いではありません。大正解‼なのです。
この式を書いて答えを導き出せる子は、問題を見ただけで答えがパッとわかる子、つまり、数の感覚は育っているということになります。
では、なぜ正しい引き算の式が書けないのか?
それは、引き算のやり方に「慣れていない」
ただそれだけなのです。
2.低学年の子どもが引き算を苦手だと感じる理由
低学年の子どもが引き算のやり方に戸惑い、苦手だと感じる理由の一つは、経験不足です。
足し算と引き算の違いを簡単に言えば、
・足し算は数を増やす作業
・引き算は数を減らす作業
ということになります。
では、 数を増やす作業と減らす作業を比べると、どちらを意識する経験が多いでしょうか?
子どもたちは日ごろの生活の中で、数が増えることを意識することの方が圧倒的に多いのです。
おやつが増えた!
ゲームのスコアが増えた!
コレクションが増えた!
幼いころから数が増えることを褒められ、喜んできた経験の方が多く、実際に数が増えることを視覚的に確認する場面も多いので、数を扱う方法として自然に足し算を選択します。
ですから、リンゴの残りはいくつ?という問題でも、足し算を使って考えてしまうのです。
やり方に慣れていないだけで、考え方は間違っていないのにもかかわらず、テストでは×がついてしまい、お家でも「ちがうでしょ!」と否定されてしまうことで、余計に混乱を招くことになります。
「大きい数から小さい数を引くんだよ」
「引く数と答えを足せば、引かれる数になるんだよ」
こんな風に、面白くもないやり方をいくら教えても、慣れない引き算に戸惑う低学年の子どもは、計算が嫌いになるばかりです。
特に発達障害グレーゾーンの子どもたちは、言葉の捉え方やイメージの描き方が独特なので、
上手く伝わらないことが多いです。
嫌なことに対しては全くやる気が起こらないという特性も手伝って、
「引き算は難しい!」
「やり方がわからない!」
と感じた途端に、やる気がなくなってしまうのです。
3.引き算のやり方に慣れる!心躍る楽しい攻略法3選
引き算の経験を増やせば、 理解が深まります。
ただし、その経験は楽しい経験であることが大切です!
発達グレーゾーンの子どもたちの行動を 引きだす最大のポイントは興味と好奇心だからです。
そもそも脳は、自らが主体的にかかわる 経験からしか発達しないのです。
ならば!数が減ることが楽しみになる経験を増やせばいい!
そこで、ワクワクする感情が高まる非常識な攻略法を3つ紹介しますね。
◆①楽しいイベントまであと何日?
カレンダーにバツ印をつけていくと、残りの日数が減っていくことを可視化することができます。
↓
当日までの日数が減ることが嬉しい‼
日にちや曜日感覚、計画性も育ちます。
◆②好きなテレビ番組が始まるまであと何分?
アナログ時計の長い針を見ながら確認することができます。
デジタル時計を見て計算できるようになったらもう引き算は完璧です!
↓
残り時間が減ることでワクワク感が増す‼
時計を見てうごく行動習慣がつき、時間感覚も育ちます。
◆③あと何円あれば欲しいものが買える?
実際にお金を数えることで、差額や残額をイメージしやすくなります。
↓
商品代と手持ちのお金の差額がなくなれば買える‼
お金の価値を知り、金銭感覚も育ちます。
このように嬉しい感情とセットにすることで、自然に脳が「引き算のやり方」を記憶するとともに、先を見通す力や、計画力など、 日々の生活で大切なことを学んでいきます。
4.低学年のうちにやってほしい脳の土台つくり
低学年のうちは正しい式が立てられなくても大丈夫です。
それよりも、数が減るとはどういうことなのか、体験を通して理解することの方が大切です。
引き算のやり方に戸惑っている低学年の子には、心ときめく楽しい活動を通して苦手意識をなくしてあげるのが一番早い方法です。
学校のやり方が合わない子は、お家でしかできない体験を存分にさせてあげることで脳全体の発達が加速します。
そうすれば、学校の授業も理解できるようになります。
だからこそ、低学年のうちは学校の授業に捉われず脳の土台を育ててあげることを優先しましょう。
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執筆者:草なぎりみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)