不注意な発達障害の子どもに必要なのは「見て選ぶ力」!①まずは探し物を得意にしよう!

不注意傾向がある発達障害の子どもたち。探し物が苦手、すぐに物をなくす…こんな様子は目立ちませんか?実は不注意を改善するための第一歩は、探し物を得意にすることなんです!ここではお家でできる対策をお伝えします。
 

【目次】

 

1.不注意改善の第一歩は探し物のサポートから!

 
 
普段から不注意な行動が多い発達障害の子どもたち。中でも
 
・おもちゃ箱から遊びたいおもちゃを見つけられない
 
・本棚から必要な本を見つけられない
 
・ついさっきまで使っていたはずなのに『ハサミがない!』と探している…
 
こんな風に探し物が苦手、すぐに物をなくすという行動は目立ちませんか?
 
 
実はこれらの不注意な行動には、ある力が十分に発達していないことが関係しています。それは、大事な情報を素早く見つける能力です。簡単に言うと「見て選ぶ力」です。
 
 
大事な情報を素早く見つける能力は、日常のあらゆる場面で必要とされます。ところが「見て選ぶ力」が弱いと
 
・先生に指定された箇所を教科書からなかなか見つけられず、授業についていけなくなる
 
・問題と解答用紙が別れているテストで、解答欄を間違える
 
など学習面でのつまずきが増えてしまうのです。
 
 
発達障害の子どもはこの「見て選ぶ力」が弱い傾向があります。その上、様々な特性が原因となり、大事な情報に注目することが難しくなっている場合が多くあるのです。
 
 
でも大丈夫です!「見て選ぶ力」は日常の工夫やトレーニングでちゃんと伸ばすことができるんです。
 
 
そこで今回は、発達障害の不注意改善の第一歩として、探し物のサポート法をお伝えします。
 
 
 
 

2.発達障害の不注意の原因はこれ!

 
 
先ほど発達障害の子どもの不注意には
 
・「見て選ぶ力」がきちんと発達していないこと
 
発達障害の子どもが様々な特性を持っていること
 
の2つが関係していることをお話ししました。
 
 
ここでは効果的な探し物のサポート法を考えるために、まずは不注意の原因となる特性をいくつか見ていきたいと思います。
 
 

◆気が散りやすい

 
 
これは注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもに多い特性です。
 
 
宿題をしている途中で目に入った漫画を読み始める、校庭の声が気になって授業に集中できない…などです。
 
 
つまり目や耳から入った関係のない情報に注意が向いてしまうんです。
 
 

◆刺激に敏感

 
 
これは自閉症スペクトラム(ASD)タイプの子どもに多い特性です。
 
 
ちょっとした音でもうるさく感じる、眩しくて白い紙を直視することができないなど、様々な刺激に敏感に反応してしまう状態のことです。
 
 

◆見た物を正確に捉えるのが苦手

 
 
発達障害の子どもは、目で物を見たときに、形・色・位置などの情報を正確に捉えることが苦手です。そのため、ごちゃごちゃした物の中から探し物を見つけることができないのです。
 
 

◆情報処理が苦手

 
 
私たちの脳には、情報を使って考える働きがあります。ところが発達障害の子どもは情報処理が苦手な傾向があるため、情報が多すぎるとどうすればいいのか分からなくなってしまうのです。
 
 
以上のように発達障害の子どもは不注意の原因となる様々な特性を持っています。だからこそ、まずは環境を整えて、大事な情報に注目しやすいように工夫をしてあげることが必要なんです。
 
 
 
 

3.子どもの探し物・なくし物にはこう対応!

 
 
ではここでは発達障害の子どもの不注意を改善する第一歩として、探し物を得意にさせる環境作りとなくし物を減らす対応について紹介していきます。
 
 

◆パターン1:物が多すぎて見つからない!

 
 
具体的な例として
 
・おもちゃ箱から遊びたいおもちゃを見つけられない
 
ランドセルから必要なお便りが出せない
 
などが挙げられます。
 
 
このパターンは目の前の情報量が多すぎることや、ごちゃごちゃしていて見つけにくい状態であることが原因で起きています。
 
 
対応としては
 
・おもちゃをカテゴリーごとに分けて、ラベリングする
 
・チャック付の袋を持たせて、お便りは全てそこに入れさせる
 
などの工夫があります。
 
 
ポイントは
 
・「これが欲しいときはここを探せばいい!」とすぐに分かるようにしておく
 
・探しやすいように物を少なくする
 
の2つです。
 
 

◆パターン2:棚や引き出しに入っていると見つからない!

 
 
具体的な例として
 
・本棚から必要な本を見つけられない
 
・引き出しから着たい服を見つけられない
 
などが挙げられます。
 
 
このパターンは探しているものが見えない状態であることが原因で起きています。
 
 
対応としては
 
・よく読む本は表紙を見せて収納できるタイプの棚に入れる
 
・ハンガーに服をかけ、見える様にする
 
などの工夫があります。ポイントは「見える収納」にすることです。
 
 

◆パターン3:どこに置いたのか覚えていない!

 
 
これは「なくし物が多い」というパターンです。具体的な例は
 
ついさっきまで使っていたはずなのに、「ハサミがない!」と探しているなどがあります。
 
 
なくし物が多いのは、そもそも自分がやった行動に注意が向いていないことが原因で起きています。
 
 
つまり、何も考えずにポンと物を置いているため、後からどれだけ考えても自分が置いた場所が分からないのです。
 
 
このパターンの対応は環境調整ではないのですが、普段のお母さんの声かけを工夫することが必要になります。
 
 
お母さんにやってほしいことは、子どもがきちんと元の場所に片付けられたときに褒めることです。
 
 
「ハサミ引き出しにしまえたね」
「消しゴム筆箱に戻せたね」
 
などと褒めることで、子どもに自分の行動を意識させることができるため、だんだん使った物をあるべき場所に戻せる様になってくるんですよ。
 
 
いかがでしたか?発達障害の子どもの探し物やなくし物には、まずは環境を整えたり、対応を工夫してあげることがとても大事なんです。
 
 
 
 
そして環境を整えてあげたら、次にやってほしいことは「見て選ぶ力」を伸ばしてあげることです。
 
 
冒頭にお話ししたように、大事な情報を素早く見つける能力は日常のあらゆる場面で必要とされます。
 
 
つまり「見て選ぶ力」を伸ばしてあげることで、発達障害の子どもの不注意行動をぐっと減らすことができるんです。
 
 
こちらの記事では「見て選ぶ力」を楽しみながら伸ばす方法を紹介していますので、合わせてチェックしてみてくださいね!
 
 
 
 
 
 
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執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 

 

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