発達障害ADHDっ子が小学生に入り忘れ物が多くて困っていませんか?ADHDっ子の忘れ物対策には、親が忘れ物をしにくい環境作りと自信を育むことで解決できます。そんなADHDっ子の忘れ物を減らす親の関わり方をご紹介します。
【目次】
1.ADHD小学生の忘れ物に叱り続けた結末は・・・
2.ADHD小学生の忘れ物が多い理由
3.ADHD小学生の忘れ物対策に効果的な親の関わり方2STEP
①忘れ物をしにくい環境を整える
②子どもの自信を育てる声かけをする
1.ADHD小学生の忘れ物に叱り続けた結末は・・・
注意欠如・多動性障害(ADHD)小学生の子どもの忘れ物の多さに困っていませんか?
発達障害の子どもは脳の特性から不注意が目立ち忘れ物が多くなりがちです。
親が環境を整え子どもの自信をつける関わり方をすれば忘れ物は減らすことができます。
この記事では、ADHD小学生の忘れ物対策に効果的な親の関り方をご紹介しますね。
小学校に入学した当初は子どもも学校の準備がわからず親と一緒にすることが多いですよね。
たまに忘れ物があるのも当然です。
小学生になると時間割を連絡帳に書いたり、学校で配布されるプリントを持ち帰ってきたり何かと自分で準備しないといけなくなることが増えます。
ADHDグレーゾーンの息子は毎日の時間割を書いて帰ってこない、時間割を書いた連絡帳がない・・・とないないづくしでした。
息子の通う学校は「忘れ物カード」というものがあり、1学期中に20個以上忘れ物をすると親にも連絡が入ります。
息子はもちろん20個以上の忘れ物がありました。
学校からも注意の連絡があり、毎日の学校の準備に「〇〇は持った?宿題はやった?」と忘れ物をしないようにと口出しをしていました。
それでも忘れ物は減らず、私のイライラが爆発し毎日ガミガミと叱り続けた結果…
息子は毎日全科目の教科書をランドセルに詰めて、毎日パンパンのカバンを持って学校へ行くようになってしまいました。
2.ADHD小学生の忘れ物が多い理由
ADHD小学生の子どもに忘れ物が多い理由は、不注意という特性があるからです。
この不注意の特性があると、
①集中することが苦手
②聞くことが苦手
③記憶しておくことが苦手
となってしまいます。
このようにADHDっ子の脳は、注意力や記憶力の成長がゆっくりなため、学校生活ではさまざまな困りごとに直面します。
子どもが保育園や幼稚園に通っている間は、親が先生から連絡を受けて親が準備をするというのがほとんどです。
でも小学生になると子ども自身で色々とやらなければいけないことが多くなります。
学校に登校して授業を受けるのはもちろんですが、それ以外にもクラスの係、日直、給食当番・・・とにかく色々なことをたくさんやらないといけなくなります。
そして最後に時間割と持ち物を黒板から連絡帳に書き写して帰るというステップも加わります。
しかしADHDっ子は、その脳の特性から一度にたくさんのことに集中して注意を向けたり、少し先のことを考えて順序よく行動したりすることが苦手です。
そのため1日の学校生活が終わる時に明日の準備や持ち物の話をされても、耳には入ってこないんです。
ADHD小学生の子は未来を生きているのではなく、今この瞬間を生きているため「明日のことは明日考えよう」となってしまい、結果当日になって「何が必要なんだっけ?」となってしまうんです。
でも私はこの脳の特性に気付かず、息子に毎日「時間割を書いて帰ってきなさい!」と言い続けガミガミ叱ってました。
その結果、息子はランドセルに教科書をパンパンに詰めていくという行動をとったんです。
ADHDの子どもの不注意や記憶力の弱さは、脳の特性であり子ども自身がコントロールできるものではありません。
そのことに親や周りの大人が指示を出したり叱ることは、子どもの不注意や記憶力の弱さをさらに強めてしまう結果となるうえに、子どもの自信も奪ってしまうのです。
自信をなくしてしまった子どもは難しいことでもやってみようと前向きな気持ちをなくしてしまいがちで、自分から行動することをやめてしまいます。
親は子どもに忘れ物という困りごとを減らしたいだけなのに、ADHDの特性を強めてしまうような対応をして、さらに困りごとを増やしてるんです。
だからこそ親はADHD小学生の特性を理解したうえで、子どもに自信をつけさせる関わり方をすることが大切です。
3.ADHD小学生の忘れ物対策に効果的な親の関わり方2STEP
ADHD小学生の忘れ物の多い子が自分で準備できるようになるには、親は子どもが忘れ物をしにくい環境を整えてあげる事と子どもに自信をつけてあげる事の2STEPが必要です。
◆①忘れ物をしにくい環境を整える
ADHDの子どもは整理整頓が苦手で、カバンの中や机の中には教科書やプリントがぐちゃぐちゃに入っていることがよくあります。
当然そんな状態では何かを探そうにもどこから手をつけていいのかわからないですし、探すのもめんどくさくなります。
そこで親ができる環境づくりとして、
・モノの置き場所を決める
・プリントを入れるクリアファイルを準備する
この2つをやります。
親は子どもと相談しながら教科書やプリント、体操服など必要になるものをどこに片付けるかを一緒に決めます。
そうすることで、準備しやすくなりめんどくさいと感じることも少なくなります。
我が家の息子の場合は、とにかく学校で配布されるプリントを持って帰らないことが多かったので息子と相談しもらったプリントは必ずファイルに入れることを決めました。
そして帰ってきたらファイルごと机の上に置いておくということを決めました。
そうしたことで子どもはプリントどこやった?と悩むこともなくなり、私も「プリントどこにあるの!」と叱る事も激減しました。
親は子どもが探したいものを少ないステップで見つけることができ、めんどくさいと感じないようにするための環境を整えてあげることが必要です。
この環境を活用するのは子ども自身なので、子どもの意見を聞いて子ども自身が使いやすいと感じる環境を整えてあげることが何より大切です。
◆②子どもの自信を育てる声かけをする
ADHD子どもは忘れ物をすることが多く、学校でも家でも叱られ続け自信をなくしてしまってます。
だからこそ親は子どもの今できていることをたくさん褒めて、子どもの自信を回復させてあげることが必要なんです。
例えば、体操服を持って行ってその日に持って帰ってきたら「体操服持って帰ってきてくれた?ありがとう!キレイに洗っておくね~」と声をかけました。
また、家を出てから忘れ物に気付いて帰ってきたら「忘れ物思い出したの?良かったね!」と声をかけるようにしました。
何かにつけて叱られ続けていた息子も、自分で忘れずに持って帰ってくることができたり親からも褒められることが多くなって嬉しい!と感じているようです。
今では中学生になった息子は、学校の準備を前日の夜に確認し提出しないといけない書類があるときは、前もって言ってくれるようになりました。
また私が忙しく家事をしている間にすぐ忘れてしまうのを見越して何度も言ってくれ、先を見越して考えて行動できるようになってきたんだなぁと感じています!
ADHD小学生の忘れ物の多さは親が子どもの特性を理解して、子どもが忘れ物をしにくい環境を整え子どもへの自信をつけさせてあげる関わり方をすれば必ず減らすことができます。
ADHD子どもの忘れ物の多さにお悩みの方は、親子で環境を整える取組みをして子どもの自信を育む声かけを心がけてくださいね。
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執筆者:平野 可奈子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)