学校不安の子どもの毎日を楽しくする!経験値を上げる「お散歩1チャレンジ大作戦」

 

毎日の学校で、予期せぬことへの不安に、おびえているお子さんに悩みを抱えていませんか?ASDの学校不安について脳の特性を交えてお伝えしていきます。経験値を上げて、毎日が楽しくなる「お散歩1チャレンジ大作戦」をご紹介します。
 

【目次】

1.予期せぬことへの不安に押しつぶされそうになっていた息子
2.ASDの”学校不安”は、脳に理由がある!
3.毎日が楽しくなる!経験値を上げる「お散歩1チャレンジ大作戦」
◆作戦1:小さな1歩から、新しい道にチャレンジ!
◆作戦2:新しい道について言語化して伝える!
◆作戦3:地図を使って成功体験を見える化する!

 
 

1.予期せぬことへの不安に押しつぶされそうになっていた息子

 
 
自閉症スペクトラム(ASD)の子どもは、予期せぬことへの不安がとても強い子どもが多いですよね。
 
 
毎日の学校生活で起こる、予期せぬことへの不安におびえて、座り込んだりする困った行動に悩んでいませんか?
 
 
実は、学校不安の子どもが、毎日楽しく過ごせるようになるには、経験値を上げることがポイントなんです。
 
 
我が家には、現在、小学3年生の息子がいます。息子はASD傾向、不安が強い特性があります。
 
 
実は、小学2年生の頃は、毎日の学校生活で、不安におびえる日々を送っていました。
 
 
毎日、朝はゆっくり登校で、私が教室まで送り、帰りは、みんなの帰る少し前の時間に下駄箱まで迎えに行っていました。
 
 
学校は、ASDの子どもたちにとっては、毎日、予期せぬことがたくさん起こる場所なんです。
 
 
息子は、朝一番は、特にドキドキしながら、勇気をふりしぼって学校へ行っています。
 
 
自分の行動のことは、見通しを立ててから行っているのですが、他の人の行動は、いつ何をしているか分からないので、驚いてしまうのです。
 
 
例えば、朝学校についたら、
 
 
・他の学年が、運動場で体育をしていて、驚いてしまう
 
 
・教室に向かって廊下を歩いていると、突然、教室から人が出てきてびっくりする
 
 
・階段を上っていると、上から人が降りてきて、怖くなる
 
 
このような予期せぬことが起きると、驚いたりして、前に進めなくなったり、また下駄箱に逆戻りしてしまったりすることもありました。
 
 
学校の門をくぐってから、教室に入るまで40分くらいかかる日もあり、困っていました。
 
 
下校時も、たくさんの子どもたちが一斉にザワザワ帰っている時に、突然、後ろから声をかけられると、驚いて、座り込んでしまうことがありました。
 
 
ひどいときは、道に寝転がってしまう困った行動がでていました。
 
 
お友達に自分から声をかけるのはOKなのですが、人から声かをけられるときが、いつも困った行動がでていました。
 
 
そこで、朝や帰りの予定表を作って、そこに、「廊下に人がいるかもしれないよ」、「トイレから人がでてくるかもしれないよ」、「後ろからバイバイといわれるかもしれないよ」と書いたりしました。
 
 
この対応方法で、急にびっくりして、座り込んだり、寝転んだりする回数は、少しは減りました。
 
 
ですが困った行動が完全になくなることはありませんでした。
 
 
 

 

ところが、そんな学校不安の子どもが、「毎日が楽しくなる、経験値を上げる方法」を、ついに、 見つけることができました!

 
 
小学2年生の夏休みから、この方法を実践しました。
 
 
そして2学期がはじまると、なんと、朝、学校について人に会っても、「おはようございます!」と笑顔であいさつして、教室までまっすぐ進んで行くことができました!
 
 
40分くらいかかっていた、朝の送り時間は10分になりました!
 
 
帰り道も、お友達に急にバイバイと言われても、立って笑顔で「バイバイ!」と言えるようになっていたのです!
 
 
この記事では、学校不安になる子どもの脳の特性や理由と、我が家で成功した、親子で楽しく経験値を上げる、「お散歩1チャレンジ大作戦」をご紹介します。
 
 
 
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2.ASDの”学校不安”は、脳に理由がある!

 
 
学校が好きなのに、どうして”学校不安”がこんなにも強まってしまうのでしょうか?
 
 
実は、不安が強い理由は、ASDの子どもが持っている脳の特性にあります。
 
 
・環境の変化に弱く、見通しを立てるのが苦手
 
・ネガティブな記憶が残りやすい
 
・同じ行動パターンを好む
 
 
 
 
ASDの子どもは、ネガティブな記憶が特に強く残ります。
 
 
ネガティブな記憶を忘れるということが苦手なのです。その記憶が蘇り、毎日、不安になってしまうのです。
 
 
見通しを立てるのも苦手なため、安心を求めて、同じ行動パターンを好む特徴があります。
 
 
同じ行動パターンを好むということは、新しいことの経験が、他の人よりも少ないということになります。新しい経験が少ないことが原因で、予期せぬことへの不安が強くなるのです。
 
 
つまり、予期せぬことへの不安を解消するには、新しい経験を増やして、経験値を上げることがポイントなんです。
 
 
そして、脳は楽しいときにグングン伸びます!ポイントは、好きなことで伸ばす!ということ。
 
 
安心できる人と好きなことで経験をすることで、経験値を上げて不安が解消されるのです。
 
 
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3.「お散歩1チャレンジ大作戦」で不安を解消!

 
 
小学2年生の息子は、夏休み明けの2学期から、不安にならずに、毎日、楽しく学校に通うことができるようになりました!
 
 
座り込んだり寝転がったり、困った行動は、ゼロになりました。 毎朝、不安におびえていた表情も、自信に満ちあふれた表情へと変化していました!
 
 
成功した秘訣は、親子で楽しく経験値を上げる「お散歩1チャレンジ大作戦」です。
 
 
不安が強いため、お出かけは行きたがらなかったのですが、毎日ママとの決まった道のお散歩は楽しく続けていました。
 
 
息子の大好きなお散歩で、安心できるママと一緒に、経験値を上げることができ、自信がつきました。
 
 
では、「お散歩1チャレンジ大作戦」について、その方法をご紹介します。
 
 

◆作戦1:小さな1歩から、新しい道にチャレンジ!

 
 
「1日1チャレンジ」を合言葉に、息子と二人で楽しく、新しい道にチャレンジをスタートしました。 1本だけ中道を通るという、数メートルからの、小さな1歩からはじめました!
 
 
最初は、新しい道に入る前に、「ここにいくの?行き止まりになってたらどうしよう」と言って立ち止まってしまいました。
 
 
そこで、私は、「行き止まりになってたらって思うと心配だよね。じゃあママと手をつないで行ってみようか?もし行き止まりになってたら、ママと一緒に手をつないで、この場所まで戻ってこようか?」と提案しました。
 
 
すると、少し考えてから、「うん!ママと手つないで行ってみる!」とチャレンジしてくれました!
 
 
いきなりルートをすべて変更するのではなく、数メートルからのチャレンジだったため、不安になることもなく、楽しく新しい道にチャレンジしていくことができました。
 
 
新しい道をチャレンジできたことで、自信がついて、どんどん新しい道も長い距離を通るようになって、笑顔で楽しむことができました。
 
 

◆作戦2:新しい道について言語化して伝える!

 
 
新しい道にチャレンジするときは、私が楽しそうに子どもに話しかけてあげます。普段通らない道なので、子どもは不安です。
 
 
そのため、新しい道を歩きながら、見えたものを私が言語化してあげます。
 
 
「ここの家は、犬を飼っているね。」 「大きい木があるね。」 「こっちの道につながってたね。」 など、楽しく状況を言語化して伝えていきます。
 
 
そうすることで、新しい道の情報が経験として残っていき、経験値が上がります。
 
 

◆作戦3:地図を使って成功体験を見える化する!

 
 
家の近くの地図を用意します。 いつも行く道を赤色でぬります。
 
 
そして、お散歩から家に帰って、「今日の1チャレンジはここだね!」と言いながら新しい道を青色でぬりました。
 
 
新しい道にチャレンジした成功体験を見える化します。
 
 
それをみて、息子は「ママ、1チャレンジ大成功だね!ぼく、できたよ!」と、とても嬉しそうでした。
 
 
親子で楽しみながら、毎日どんどん新しい道に挑戦していくことができました。
 
 
たくさん新しい経験をつむことで、息子に大きな自信がつきました。
 
 
 
 
我が家の「お散歩1チャレンジ大作戦」はいかがでしたか?
 
 
「お散歩1チャレンジ大作戦」をはじめてから、自信がついた息子は、学校で、毎日楽しくニコニコ過ごせています!
 
 
小学3年生の今では、毎日楽しく学校で過ごせています。
 
 
さらに、週末「ワクワクお出かけ」をして、キャンプや電車の旅など、様々な体験を満喫する、楽しい日々を送っています!
 
 
「ここに行ってみたい!」と自分から言って、新しい場所へのお出かけにも行けるようになりました。
 
 
毎日の学校生活で起こる、予期せぬことへの不安におびえているお子さんの困った行動に悩まれている方は、ぜひ、「お散歩1チャレンジ大作戦」に挑戦してみてくださいね!
 
 
お出かけが苦手なお子さんでも、お散歩の小さな一歩から、大きな自信をつけることができます。
 
 
親子で、楽しく経験値をあげることができますよ。
 
 
 
 
 
 
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[執筆者:北島 由梨
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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