ADHDのお子さんの話が途中で飛んでしまい、困っていませんか?たくさん話してくれるのは嬉しい反面、おしゃべりが止まらず、聞いている方も疲れてしまいますよね。この記事では、説明が下手、話が飛ぶことを会話上手に変えるための改善法をご紹介します。
【目次】
1.どうしてADHDの子は話が飛ぶの?
2.話が飛んでおしゃべりが止まらない!説明が下手な理由
3.説明が下手な子の会話が変化する改善法
①「インタビュー」して話を整理する
②「YouTuberの真似」で伝える力を伸ばす
1.どうしてADHDの子は話が飛ぶの?
「うちの子、話が飛んで、何を言っているのかさっぱり…」と悩んでいませんか?
ADHDのお子さんに多く見られる話が飛ぶ傾向や説明が下手には、脳の特性が大きく関係しています。
ADHDの子どもには、思いついたことをすぐに口に出してしまう「衝動性」や、話題が次々と切り替わる「注意の移り変わりの速さ」という特徴があります。
頭の中にはたくさんの情報が同時に浮かび、それを順序立てて話すことが難しいのです。

実際、私にも注意欠如多動性障害(ADHD)の診断がある中学生の息子がいます。
おしゃべりが止まらなく、話があちこち飛びすぎて内容が理解しづらい事が多く、正直戸惑うこともありました。
さらに、小学2年生のときに不登校になり、YouTubeに夢中になったことで会話の機会が激減。
「うん」「わかった」といった短い返事が増え、話が飛ぶ以前に話すことそのものが少なくなるという新たな問題にも直面しました。
そこで一度、YouTubeをやめさせようとしたのですが逆効果。
口数はさらに減ってしまい、親子関係もギクシャクしてしまいました。
「このままではいけない」と考えを切り替え、息子が夢中になっているYouTubeを会話のきっかけにしてみたところ、話す力が少しずつ回復し、話の内容にも変化が見られるように。
ADHDの子が話が飛ぶのは、「話す力が足りない」からではなく、頭の中の情報をうまく整理できないだけ。
だからこそ、「興味」に寄り添い、子どもの脳内で起きている“交通渋滞”を整理するような声かけが、会話のカギになるのです。
2.話が飛んでおしゃべりが止まらない!説明が下手な理由
ADHDの子どもは、自分の思いや出来事をうまく説明するのが下手なことがよくあります。
ADHDの子が説明が下手なのは、言葉の力が足りないからではなく、脳の中で情報を整理して話す順番を考えることが難しいためです。
会話上手になるために必要なのは、「話す順番」をうまく引き出してあげることなんです。
人が何かを説明するとき、脳内では次のようなステップが行われています。
・情報を取捨選択する
・相手に何を伝えるか決める
・それを順序立てて言葉にする
ADHDの子どもは、この一連のプロセスをうまく処理するのがとても難しいのです。

たとえば
・思いついたことをすぐ話してしまい、話があちこちに飛ぶ
・伝えるべきポイントが絞れず、話が脱線してしまう
・一つの話の途中で、別のことが気になり、別の話題に移ってしまう
加えて、集中力を長く維持するのが難しいため、話している途中で気が散ってしまい、話のゴールにたどり着けずおしゃべりが止まらなくなることもしばしば。
こうした「話が飛ぶ」状態は、脳の特性によるもので、子どもの努力ではコントロールが難しいのです。
つい「だから何が言いたいの?」と強く言ってしまうこともありますが、それを繰り返すと子どもは「話すと怒られる」と感じてしまい、話すことそのものにネガティブな印象を持ってしまうことも…。
そこで大切なのは、話が飛ぶことを責めるのではなく、話す順番を一緒に整理してあげること。
「話したい気持ち」を受けとめながら、少しずつ「どう話せば伝わるか」を学んでいける関わりが、会話力の土台になります。
3.説明が下手な子の会話が変化する改善法
ADHDの子どもは、話が飛びやすく説明が下手。
でもそれは「話す力がない」のではなく、頭の中の情報をうまく整理できないだけなんです。
つまり、必要なのは“話す力”を伸ばすのではなく、“話す順番”をうまく引き出すサポート。
そして実は、話が飛びやすいという特性も、「豊かな発想力」や「想像力の広がり」として活かせるもの。
うまく導くことで、それが会話の武器になっていきます。
ここでは、そんなADHDの子の話し方が変わった2つの実践的な方法をご紹介します。
◆①「インタビュー」して話を整理する
ADHDの子との会話では、子どもが大好きなYouTubeを一緒に見ながらインタビュー形式で会話するのがおすすめです。
たとえば、息子が見ていた「マインクラフト実況動画」。
動画を一緒に見ながら、こんな風に聞いてみます。
親:「今、何を探してるの?」
子:「ダイヤモンド7個。でも黒曜石も…あとアメジストが…」
話が飛んでしまったら、一つのテーマに絞って深掘り質問します。
親:「ダイヤモンドを集めてるんだね。何を作るの?」
子:「鎧を作る」
親:「それで何をするの?」
子:「エンダーマンを倒す」
最後に、「エンダーマンを倒すためにダイヤの鎧を作ってるんだね」と、子どもの話をまとめてフィードバック。
このように話の筋を整理してあげることで、話が飛びやすい子どもでも、自分の話を振り返って理解しやすくなります。
また、「話の途中で質問される」のではなく、区切りで聞かれることで、話を遮られた感じが少なく、子どもも心地よく話し続けられます。
繰り返すうちに、自分の中で話の順番を整理するクセがつき、話の飛び方も落ち着いてきます。

◆②「YouTuberの真似」で伝える力を伸ばす
もう一つの方法は、YouTuberの話し方を“真似する”こと。
YouTuberは、限られた時間で視聴者に内容をわかりやすく届ける“話のプロ”。
その話し方を自然に学べるのは、YouTubeが好きな子どもにとって大きなチャンスです。
まずは、「この人の話し方、すごくわかりやすいね」と、子どもが好きなYouTuberを一緒に見て褒めます。
そして、「さっきの話、あの人みたいに話してみて!」と声をかけてみてください。
真似して話してくれたら、「今のすごく聞きやすかったよ!」と具体的にフィードバック。
こうした体験を繰り返すことで、「どう話すと伝わるか」を自然に学び、自信にもつながります。
実際に、おしゃべりが止まらなく話が飛びまくっていた私の息子も、少しずつ話の軸が見えるようになり、説明上手になっていきました。
ADHDの子どもにとって、話が飛ぶことは決して悪いことではありません。
それは、「頭の中にたくさんの面白い情報がある」証拠です。
大切なのは、それを「わかりやすく伝える方法」を身につけること。
そのサポートを通じて、話が飛びやすいという特性を、発想力や表現力という「強み」に変えていくことができるのです。
ぜひ、子どもの話したい気持ちを大切にしながら、楽しくコミュニケーション力を育んでくださいね。
ADHDのおしゃべりっ子への効果的な対応法をお伝えしています。
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執筆者:かねた 愛
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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