白黒思考で「もうだめだ!」とすぐに言いだすASD不安が強い子には、安心して感情を吐き出せる環境が必要です。強いこだわりや完璧主義の裏にある「不安」を和らげることで、自分から考えて行動できるようになります!
【目次】
1.ASDの不安が強い子が行動できない!
2.行動にブレーキをかける白黒思考と不安の関係
3.白黒思考のASD不安が強い子が行動できるようになる不安解消テク!
1.ASDの不安が強い子が行動できない!
発達障害グレーゾーンの子が、白黒思考のせいで行動ができないことありませんか?
この記事では白黒思考が強くて行動できなかったわが子の経験から、行動を引き出すための不安解消法をお伝えします。
不安が安心に変わって行動できるようになるには、ママとポジティブな会話で感情を吐き出せることがポイントなんです。
白黒思考の子は失敗すると「人生終わった」と大げさに絶望したり、先生に注意されただけで「もう学校に行かない!」と言ったりすることがあります。
実はこんな発言の裏には「不安」が隠れているんです。

不安を抱えている子どもに「そんなことないよ、全然大丈夫だよ」と励ます言葉をかけても、受け取ってくれません。
「でも…、だって…、どうせ…」 とネガティブ発言ばかりが出てきてしまうことも。
何度アドバイスをしても極端な考え方が変わらず、一向に不安が解消されません。
そんな白黒思考で完璧主義の子どもは、不安を和らげることで、行動を引き出すことができるんです。
わが家の息子は、先生に怒られたくない!みんなが僕を悪者にする!だから学校に行かない!と白黒思考で登校しぶりをしていました。
そんな息子ですが、今では失敗もへっちゃら!学校で挑戦するようになりました。
どのようにして行動できる子になったか、その方法をお伝えしますね。
2.行動にブレーキをかける白黒思考と不安の関係
白黒思考があると、やればできそうなことでも、自分にブレーキをかけて行動できないことがあります。
なぜなら、発達障害で自閉スペクトラム症(ASD)傾向の子は元々ネガティブな経験を溜めやすい特性があり、「また失敗するかも」という強い不安を抱えているからです。
白黒思考とは、正しいか正しくないか、敵か味方か、のように白黒どちらかで物事を考える思考のクセです。
白でも黒でもないはっきりしないことが理解できず、不安になることもあります。
不安は全ての人が体験する感情です。
とは言え発達障害を持った子どもは、定型発達の子どもよりも不安症のリスクが高く、ASDを持つ子どもの約40%が不安症を有していることが知られています。
この不安は、年齢に応じて変化していきます。
◆5歳〜9歳「分離不安」
動物や昆虫、暗いところを怖がり一人で家にいることや親と離れて登校することに不安を感じる。
◆10歳〜11歳「社交不安」
初対面の人や人が集まる場所で周りの目が気になったり緊張したりする。
◆12歳〜14歳「全般不安」
学習面や外見、将来に対して過度に不安に感じる。
こんなふうに児童期から青年期にかけて、具体的なものから抽象的なものに不安が変化していきます。

また10歳ごろから自分を客観的に見る力が育ちます。
発達障害グレーゾーンの子は、脳の成長に凸凹があり、できていない部分を学校で注意されることがよくあります。
他人と比べてできない自分に気づき、自己評価が低くなってしまいます。
さらに白黒思考を併せ持っていると、考え方に偏りがあるため、素直に言葉を聞き入れてくれません。
そんな子は、白黒思考を和らげることで不安を解消し、自主的に行動ができるようにサポートしましょう。
3.白黒思考のASD不安が強い子が行動できるようになる不安解消テク!
ASDグレーゾーンで不安が強い子の白黒思考を和らげ、行動を引き出すカギは「アウトプット」です。
ママとのポジティブな会話で感情を吐き出すことができると、不安が安心に変わっていきます。
ポイントはママの声がしっかり脳に届くこと。
日々のポジティブなコミュニケーションが脳に届くと、素直に聞けるようになり不安が改善していくのです。
不安が強い子の感じていることや思っていることを言葉で表現できるよう、アウトプット力を育てましょう!
もし白黒思考で不安が強い子が、
「どうせうまくいかない」
「あいつとはもう絶交だ」
「学校なんて行っても無駄」
など否定的なことを言ったときは、
「そっか、うまくいかないと思うんだね」
「絶交したいと思うほどショックだったんだね」
「学校に行っても無駄だと思うんだね」
と、否定も肯定もせずそのまま受け止めてあげてください。
「大丈夫だよ!」「〇〇してみたら?」
なんてアドバイスでは、白黒思考の子どもの脳には届かないので、封印してくださいね!
子どもの言葉の裏には、
「〇〇がつらい」
「〇〇が怖かった」
「〇〇がうまくいかなくて心配」
という不安が隠れているのです。
その不安な気持ちを、ママには伝えられるように、まずは子どもの気持ちを否定せずそのまま受け取ってくださいね。
気持ちを吐き出すことができると、抱えていた不安が安心に変わっていきますよ!

いかがでしたか?
白黒思考でASDの不安が強い子の表面的な言葉に惑わされず、本心を読み取ること。
その本心をそのまま受け入れることで、安心して気持ちをアウトプットできるようになります。
不安が落ち着き白黒思考が和らぐと、失敗を許せない気持ちも和らぎ「やってみようかな」と動き出します。
ぜひ試してみてくださいね!
子どもの可能性を信じたい!子どもの笑顔を守りたいママにお届けしています!
執筆者:三浦由記子
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)