子どもが幼稚園や学校で話さないと言われて戸惑っていませんか?場面緘黙症の背景には不安を感じやすい脳の特性があるかもしれません。この記事では、子どもが笑顔で話せるようになるために、お家でできるサポート法をお伝えします。
【目次】
1.場面緘黙症?恥ずかしがりの子どもが幼稚園、学校では話さない
2.「様子を見ましょう」にモヤモヤし続けた5年間
3.なぜ家では話せるのに、幼稚園や学校で話せないのか
4.場面緘黙症の子どもをお家でサポートする3つの方法
①「話すこと」にフォーカスしない
②お母さんとの関わりで「自信」を築く
③「話す」経験はスモールステップで
1.場面緘黙症?恥ずかしがりの子どもが幼稚園、学校では話さない
「お子さんは幼稚園(保育園)・学校で話しません」と先生から報告を受け、戸惑っていませんか?
家では話せるのに、幼稚園や学校などでは話せない状態を、「場面緘黙症」といいます。
場面緘黙症かもしれないと思ったら、即対応!
子どもが笑顔で話せるようになるためのサポートを、お母さんとの関わりの中で続けていきましょう。
先生から突然報告を受け、初めて子どもの場面緘黙に気づくことはよくあることです。

家では普通におしゃべりしているのですから、お母さんが「なぜ?」と困惑してしまうのも当然です。
けれども、幼稚園や小学校の先生であっても、緘黙を正しく理解している先生はとても少ないのが現状です。
そのため、お母さんは「お子さんは、話しません」という問題だけを聞かされ、正しい理解と対応を教えてもらえることもなく、悩むことがとても多いのです。
この記事では、そんなお母さんのお悩みにお答えします。場面緘黙症を正しく理解し、必要なサポートを今日から始めましょう!
2.「様子を見ましょう」にモヤモヤし続けた5年間
私には場面緘黙のある小学校2年生の男の子がいます。繊細なところがあり、保育園ではほとんど話しませんでした。
そして、私には様子を見ることしかできず、「ただ悩んでいた5年間」という過去があります。
息子の家での様子は、どちらかというと活発な方で、家の中を走り回ったり、ソファの上に飛び乗ったり。普通にたくさんおしゃべりをして、いつもはしゃいでいました。
「どうして、保育園では話せないのだろう。」 保育園のお友達と楽しそうに会話する息子の姿を、見ることができず、心が沈んでいました。

4歳になり、子育てセンターに相談したところ、発達検査を受けることになりました。 ところが、検査の結果は「様子を見ましょう」とのこと。
診断を受けたり、場面緘黙に対する説明を受けることもなく、5年間を過ごしたのです。
正直のところ、もっと早く正しく理解が出来ていれば、子どもをサポートすることができたのにと悔やまれます。
3.なぜ家では話せるのに、幼稚園や学校で話せないのか
なぜ、場面緘黙症の子どもは家では話せるのに、幼稚園や学校では話せないのでしょうか?
子どもは「不安」のために話せないのです。
ここで、「話さない」ではなく「話せない」ということがとても大切なポイントになります。

脳の中に扁桃体という場所があります。扁桃体は「不安」「緊張」などのネガティブな感情を処理しています。
人間は不安を感じたり、危ない目に合うかもしれないと思うと、身体が緊張し、心臓がドキドキしますよね。
緘黙のある子どもは不安を感じやすく、幼稚園や小学校などで、緊張や不安がとても高まります。
扁桃体が強く反応してしまうので、身体が固くなり、声が出せなくなってしまうのです。
そして、黙っていると一時的に不安が軽くなるため、次第に「話さない」ことによって不安に対処することが習慣になってしまうのです。
けれども、大丈夫です!子どもを安心させ、一歩ずつサポートしていけば、子どもは話せるようになります。
4.場面緘黙症の子どもをお家でサポートする3つの方法
では、場面緘黙症の子どもをお家でどのようにサポートすれば良いのでしょうか。3つのポイントをお伝えしますね。

◆①「話すこと」にフォーカスしない
まず一番大切なことは、子どもが「話せないこと」・「話せるようになること」にお母さんが気を取られ過ぎないことです。
「ほら、ちゃんと自分で言いなさい」など、無理に話させることは逆効果です。
場面緘黙症の子どもは繊細であることも多く、「話さなければいけない」という無言のプレッシャーを敏感に感じてしまいます。
「話せない自分はダメなんだ」と子どもが自信を失っていくことだけは避けましょう。
お母さんが笑顔で会釈し、挨拶する姿を見せてあげるのも良いですね。まずは「大丈夫だよ。安心していいんだよ」と子どもを安心させてあげましょう。
◆②お母さんとの関わりで「自信」を築く
子どもが話せるようになるための大切な土台は「自信」です。子どもの自信はお母さんの声かけで築けるんですよ。
自信を築く声かけは「すごいね!」とうわべだけの声かけをしていくことではありません。「子どもが出来ていること」をたくさんみつけて、伝えてあげましょう。
「実況中継」というテクニックも有効です。子どもがしている当たり前のことを、「ズボンをはき替えてるんだね」「ご飯、しっかり食べれてるね」と言葉にしてあげましょう。
子ども自身が、自分のできていることに気づき、自信が築かれます。
子どもに自信が出てくると、本人も気づかないうちに、質問に「思わず」自分で答えたりするようになります。
先日、発達検査を受けた時のことです。息子は最初、筆談で回答していたのですが、口で言った方が早いと思ったのか、突然小さな声で答え始め、驚きました。
◆③「話す」経験はスモールステップで
もうひとつ大切なことは、「友達や先生とやり取りできた!」という「話すこと」の成功体験を少しずつ積み重ねることです。
まず、お子さんが今、安心して過ごせるのは、どのような場面でしょうか?「何をしている時」、「どこで」、「誰と」なら楽しく過ごせていますか?
学校ではなく、公園でなら友達と話せますか?自宅に友達が来た場合はどうでしょうか?
まずは、気の合う友達と好きな遊びをする機会を増やします。自宅で遊べるなら、次は公園で、その次は放課後の校庭でというように進めていきましょう。
「何をする」・「どこで」・「誰と」の条件を変えて、話せる場面を少しずつ増やしていけばよいのです。
子ども向けのオンライン授業などを活用することもオススメです。なぜなら、オンライン授業では、チャットで発言することができるからです。
私の息子は生き物が好きで、虫や魚をテーマにしたオンライン授業を楽しんで受けています。チャットでコメントを出し、書き込んだコメントを先生が読み上げてくれると、本当に嬉しそうな顔をしています。
場面緘黙は様子を見ているだけでは、大切な発達の機会を失ってしまいます。
「話すこと」にフォーカスせず、自信を築きながら、スモールステップで「話せた」成功体験を積み重ねることがポイントです!
この記事が読んで下さった方のお役に立つことを心から願っています。
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執筆者:春風なおみ
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
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