小学生になり問題児と呼ばれ、やる気を失った息子に叱る毎日。だけど叱るのは逆効果。子どもの「やりたい」を引き出す親の関わり方に変えると、やる気が育ちます。この記事では、子どものやる気を引き出す親のサポート術をご紹介します。
【目次】
1.「小学生問題児」と呼ばれた息子に悩んだ日々
2.なぜ子どもは「やる気ゼロ」になってしまうの?
①子どもがやりたいと思っていない
②ADHDの特性
3.やる気ゼロから子どもの力を引き出す!親のサポート術
1.「小学生問題児」と呼ばれた息子に悩んだ日々
「うちの子だけ、どうしてこんなに問題ばかり起こすの?」
小学校に入った注意欠陥・多動性障害(ADHD)の息子は、すぐに「問題児」と呼ばれ、毎日悩み続ける日々が始まりました。
だけど、叱る関わり方を手放し息子に合ったサポートに変えたことで、 やる気を引き出し笑顔を取り戻すことができたのです。
学校での立ち歩き、友だちとのトラブル、先生の話を聞かない…。
連日のように学校から電話がかかり、私は焦りとイライラでいっぱいでした。
「なんとかしなきゃ」という思いで、息子を叱り続けたけれど、状況は悪化するばかり。

叱れば叱るほど、息子はどんどん無気力になり、心を閉ざしていきました。
笑顔も減り、ただ無表情で私の言葉を聞き流すようになっていったのです。
「どうしてわかってくれないの?」
「私の育て方がいけないの…」
そんな思いに押しつぶされそうになりながら、どうしたら息子のやる気を引き出し、笑顔を取り戻せるのか必死で考え続けていました。
2.なぜ子どもは「やる気ゼロ」になってしまうの?
子どものやる気が出ない理由は何でしょうか?
その原因には大きく分けて、「子どもがやりたいと思っていないこと」と「ADHDの特性」が関係しています。
これらの要因がどのように子どものやる気に影響を与えているのか、詳しく説明していきます。

◆① 子どもがやりたいと思っていない
子どもがやる気を失ってしまう理由の一つは、そもそも「やりたくないこと」をやらされているからです。
学校の授業内容や家での宿題など、子どもが興味を持てないことを長時間強制されると、どうしてもやる気を出すのが難しくなります。
大人でも、全く興味がない話を長時間聞き続けるのは辛いですよね。
同じように、子どもも興味のない内容に対しては、集中することができません。
子どもが学校で「国語」や「算数」の授業をおもしろくないと感じている場合、授業が進むにつれてますます退屈さを感じ、やる気をなくしてしまいます。
また、子どもは「好きなこと」「やりたいこと」に対しては積極的に取り組みます。
逆に、興味がないことを無理にやらせようとすると、そのモチベーションはますます下がってしまいます。
やる気を引き出すためには、子どもが自分から興味を持てるような環境を作ることが大切です。
親は無理矢理やらせるような指示出しをするのではなく、「これ面白そうだし一緒にやってみよう!」と子どもと同じ目線で会話することが大切です。
◆②ADHDの特性
次に、ADHDの特性でやる気がでにくいということです。
ADHDの特性を持つ子どもは、注意を続けることやじっとしていること、指示に従うことがとても苦手です。
これは決して「怠けている」わけではなく、ADHDの子の脳の働きに基づいています。
ADHDの子どもは「今目の前にある興味のあること」に注意が向きやすく、反対に「やらないといけないけど興味のないこと」には注意が向きづらいという特徴があります。
そのため、子ども自身は「ちゃんとしなきゃ」と思っていても、集中することができず、指示に従えなかったり、注意がそれてしまったりするのです。
例えば、授業中に先生の話がつまらなく感じた場合、ADHDの子どもは他のことに気を取られてしまい、先生の話を聞くことができません。
その結果、注意がそれてしまい、先生に何度も注意されることになります。
「どうせできない」「また怒られる」と思い込むようになり、自信を失い、ますますやる気がなくなってしまいます。
このような状況が続くと、子どもは次第に「自分は何をやってもダメだ」と感じ、やる気を出すことが難しくなります。
自分が頑張っても結果が出ない、何度も怒られるからイヤだ!そんな思いが積み重なり、やる気を失ってしまうのです。
だからこそ頭ごなしに叱ったり無理矢理やらせるような指示だしをするのではなく、ADHDの特性を理解し、子どものペースに合わせたサポートをすることが必要です。
親が子どもの特性にあったペースで宿題や課題に取り組みやすい工夫をするこで、子どものやる気を育てることができます。
3.やる気ゼロから子どもの力を引き出す!親のサポート術
子どものやる気を引き出すコツは、親の関わり方をガラッと変えることです。
具体的には、「子どもに寄り添う声かけ」「子どもに選択させる」「信じて待つ」の3つです。
まず1つめは「やりなさい」の指示をやめて、「一緒にやろう」と声をかけること。ADHDの子はひとりで始めるのが苦手です。
横に座って「ここから一緒に始めよう」と寄り添うだけで、心のハードルが下がります。
2つめは選択肢を与える工夫をすること。
「今やる?それともお菓子を食べてからやる?」と聞くことで、子ども自身が決めたという意識が芽生え、動きやすくなります。
選ばせることで自立心も育ちます。
3つめは、信じて待つこと。
たとえ今は動けなくても、「この子には無限の可能性がある」と親が信じて関わり続けることで、子どもは安心し、自信を取り戻します。
子どもが動かないのは、やる気がないのではなく、“動き出すきっかけ”がないだけ。

不安になる気持ちはあるかも知れませんが、困りごとは子どもの個性と捉えなおし信じて待ち親の関わりを変えれば、どの子も必ず力を発揮し始めます!
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執筆者:山口あけみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)