発達障害で作文・日記が書けない子の原因と対処法 タイプ別サポート【ADHD・ASD】

 

発達障害の子が作文・日記を書けずに悩んでいませんか?「何を書けばいいか分からない」「感想が思いつかない」と止まってしまう理由を解説し、文章が書けない・文章力がない子でも今日からできるサポート法を紹介します。
 

【目次】

1.作文・日記が書けない!文章力がない!発達障害の子に悩むママへ
2.発達障害・グレーゾーンの小学生が作文・日記が書けないのはなぜ?
3.【タイプ別】発達障害で作文が書けない子へのサポート法
◆タイプ①何を書けばいいのか分からない
◆タイプ②書き方が分からない
◆タイプ③感想が思いつかない
◆タイプ④書くこと自体が苦手(書字障害・ディスグラフィア)
4.日記が書けなかった息子が原稿用紙1枚書けるようになった実例

 
 

監修者:吉野加容子

発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表

 

脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。

 

15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。

 

病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。

 

これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。

著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。

 

1.作文・日記が書けない!文章力がない!発達障害の子に悩むママへ

 
 
小学生になると、「作文」「日記」といった“書く”宿題が急に増えてきます。
 
 
「何を書けばいいのか分からない」「感想が思いつかない」と固まってしまったり、「書けない!」と嫌がったりするお子さんも多いですよね。
 
 
 
 
特に、文章力がない発達障害・グレーゾーンの子どもは、書くこと自体が苦手で作文や日記がうまく書けないことがあります。
 
 
ですが、それはお子さんの努力不足ややる気の問題ではありません。
 
 
発達障害の子には、作文や日記が書けない理由があります。
 
 
ポイントを押さえた関わり方に変えることで、「書けない」と止まっていた子が、自分の言葉で書けるようになっていきます。
 
 
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2.発達障害・グレーゾーンの小学生が作文・日記が書けないのはなぜ?

 
 
発達障害・グレーゾーンの子が作文や日記を書けないのは脳が関係しています。
 
 
作文や日記の文章を書くには3つのプロセスがあります。
 
 
①内容を思い出す
②内容について考える
③文字でアウトプットする
 
 
この3ステップのすべてに情報を一時的に記憶しながら作業する「ワーキングメモリ」という脳の働きが関わっています。
 
 
文章を書くには、このワーキングメモリを使って思い浮かんだ言葉を記憶しながら順序立てて表現する必要があるのです。
 
 
そのため、ワーキングメモリが弱い子は書くことが難しく、文章が書けないのです。
 
 
また、集中が続きにくい注意欠陥多動性障害(ADHD)や感情の表現が苦手な自閉症スペクトラム(ASD)といった発達障害の特性も関係している場合もあります。
 
 
このような脳の特性により、作文や日記といった「自分の考えを整理して書く」課題は、特にハードルが高くなりがちです。
 
 
 
 
しかし、脳が発達する順番を知って、正しく対応することで、文章を書けるようになります。
 
 
私たちの脳は「話す→書く」という順番で発達するため、普段の会話で子供のタイプに合ったサポートをしてあげることで、書く力がぐんと伸びていきます。
 
 

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3.【タイプ別】発達障害で作文が書けない子へのサポート法

 
 
文章が苦手な子どもは、理由によって4つのタイプに分けられます。
 
 
ここでは、おうちでできる具体的なサポート法を紹介します。
 
 

◆タイプ①何を書けばいいのか分からない

 
 
情報の整理が苦手な子は、何を書けばいいか分からないまま固まってしまいます。
 
 
ADHDタイプの子は集中力のコントロールが苦手なため、何を書こうか考えていたのに別のことをしてしまったり、アイデアが浮かびすぎて選べなかったりします。
 
 
また、ルールや決まりごとを守ることが得意なASDタイプの子は「何を書いてもいい」と言われると、逆にアイデアが出てこないのです。
 
 
ママは「今日は○○でこんなことしてたね!」と楽しく話して、アイデアになるヒントを出してあげましょう。
 
 
日常の写真を活用すると記憶がよみがえりやすく、作文・日記が書きやすくなります。
 
 

◆タイプ②書き方が分からない

 
 
ワーキングメモリが弱い子は、思い浮かんだことを文章にまとめるのが苦手です。
 
 
話が飛びがちで、出来事を順序立てて説明するのも難しいです。
 
 
会話の中で5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうやって)をインタビューしてみましょう。
 
 
話した内容をママが付箋に書き、それを並べて書く前に言葉を見える化すると効果的です。
 
 
 
 

◆タイプ③:感想が思いつかない

 
 
ASDタイプの子は共感することや気持ちを表現することが苦手で、「感想?特にない」「面白かった、以上」となることもあります。
 
 
感想が思いつかずに、「その子じゃないからわからない!」と答えるかもしれません。
 
 
このタイプの小学生には「共感しなさい」と求めるのではなく、「あなたはどう思ったの?」「どこが面白かったの?」など丁寧に聞いてあげましょう。
 
 
自分の気持ちで話すには時間がかかる子もいます。
 
 
急かさず、安心できる環境で待ってあげることが大切です。
 
 

◆タイプ④:書くこと自体が苦手(書字障害・ディスグラフィア)

 
 
話すのは得意なのに、いざ書こうとすると手が止まってしまう子は、書字障害(ディスグラフィア)の可能性があります。
 
 
これは、ワーキングメモリで「記憶する・考える・書く」を同時に進めるのが苦手なためです。
 
 
おすすめは、ママが子どもとの会話をもとに文章を作って、それを子どもがなぞって書く方法です。
 
 
書く負担がぐっと減って、「書けた!」という自信にもつながります。
 
 

4.日記が書けなかった息子が原稿用紙1枚書けるようになった実例

 
 
わが家の発達障害グレーゾーンの息子は小学5年生で、毎日日記の宿題があります。
 
 
小学1・2年生は絵日記、小学3年生は半ページ、小学4年生以降は原稿用紙1枚分の日記です。
 
 
毎日バトルで本当に憂鬱でした。
 
 
「書きなさい!」「これ書いたら?」 そんな声かけではまったく進まず、2時間以上かかる日もありました。
 
 
しかし、息子は日記を書かないのではなく、書けなかったのです。
 
 
ワーキングメモリが弱いという息子の脳の特性を知ってから、話すことで脳の中を整理できるように親子の会話を意識するようにしました。
 
 
例えば
 
 
子:「ママ、今日すごかったんだよ!」
母:「何がすごかったの?」(What)
子:「学校のプールに入りそうな特大のやつ、打ったんだよ!」
母:「えっ!?プールに入りそう!?」
子:「そう、場外ホームラン」
母:「ああ、ホームランね。野球やったのね。誰とやったの?」(Who)
子:「クラスの友達」
 
 
こんな風に息子にインタビューしました。
 
 
そして、
 
 
「クラスの友達と野球して、プールに入りそうなぐらいの場外ホームランを飛ばしたんだね!」
 
 
会話の内容を整理して伝えました。
 
 
日記にするために、私が付箋に言葉を書いて、息子がそれを並べ変えるというやり取りを毎日コツコツ続けました。
 
 
今では原稿用紙1枚分の長さの日記を、15分ほどでスラスラ書けるようになったんです。
 
 
書いた文章を先生に渡し、トラブルの解決にもつながった経験もあります。
 
 
文章を書くのが苦手だった息子が、「ぼくは文章が書ける!」という自信を手に入れました。
 
 
 
 
発達障害グレーゾーンの子は文章を書くことが苦手!文章力がない!と思われがちですが、適切なサポートで乗り越えられます。
 
 
大切なのは、「自分で書けた!」という成功体験を積ませることです。
 
 
「最後まで書けたね!」
「自分の言葉でまとめられたね!」
 
 
と、できたことをしっかり認めてあげてください。
 
 
子どもに合ったサポートと会話が、書くことが苦手な小学生の書く力と自信をゆっくり育ててくれますよ。
 
 
 
 

よくある質問(FAQ)

 
 

Q1. 発達障害の子が作文を書くとき、どんなサポートをすればいい?

 
 
A1. まず「書く前の会話」が大切です。「いつ・どこで・誰と・何をした?」を一緒に話しながら整理してから書き始めると、文章の構成がつかみやすくなります。書く前に話すことで頭の中を整理でき、発達障害の子でも作文や感想文がスラスラ書けるようになります。
 
 

Q2. ADHDの子は字が汚いのはなぜ?

 
 
A2. ADHDの子は注意を持続させにくく、手元の感覚に集中しづらいため、字が乱れたり大きさがバラバラになりやすい傾向があります。 また、筆圧のコントロールが難しいこともあります。 書く前に体を動かしてリセットすると、整った字を書きやすくなります。
 
 

Q3. 書くことが嫌いな子にはどう声をかけたらいい?

 
 
A3. 「早く書きなさい」と急かすよりも、「ここまで書けたね」「自分の言葉で書けたね」とできた部分を認めてあげましょう。 短時間で終えられる課題にして、成功体験を積ませることで「書くのも悪くない」という気持ちが少しずつ育ちます。
 
 

 

執筆者:徳長 真維
発達科学コミュニケーショントレーナー

 

ADHD傾向のある娘の癇癪や不登校に悩み、どう関わればいいのか分からない日々を過ごしていました。

 

さらに、発達障害グレーゾーンの息子は「何を書けばいいか分からない」「文章が読めない」と学習面でもつまずき、親子バトルを繰り返していました。

 

発達科学コミュニケーションに出会い、子どもの特性を理解して関わり方を見直すことで、学習や行動に変化が見られるようになりました。

 

読み書きが苦手な学習障害(LD)グレーゾーンの子が「できた!」を増やしていく関わり方を発信しています。

 
 
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執筆者:徳長 真維
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
 
 
 
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