叩く、蹴る、怒鳴る…「どうして私にだけ?」と傷ついていませんか?実は、親にだけ暴力・暴言が出るのには理由があります。この記事では、知的障害のある子が家庭内で暴れる本当の理由と、ママやパパができるシンプルな対応方法をご紹介します。
【目次】
1.親にだけ暴力・暴言…育て方を間違えたのかな?と悩んでいました
2.実は「安心」しているからこそ出る暴力・暴言
3.このまま暴力・暴言を放っておくと“癖”になるって本当?
4.子どもの感情に巻き込まれない!ママができる暴力・暴言への対応ステップ
1.親にだけ暴力・暴言…育て方を間違えたのかな?と悩んでいました
知的障害の子の暴力が将来まで続いたらどうしようと不安に思うことはありませんか?
知的障害の子の暴力・暴言は、正しい対応をすれば素直さが戻ってきます!
ですが、知的障害のお子さんに「やめて!」「叩きません」と声をかけても、効果がなかった経験をされたことがあるのではないでしょうか?
外で相談すると「学校ではそんなことないですよ、ママやパパに甘えているだけじゃないですか」と言われる始末…。
知的障害のあるお子さんの中には、ママやパパにだけに暴力や暴言をぶつける子がいます。
わが家の自閉症、軽度知的障害の息子がそうでした。

外ではあまり手のかからない、指示に従えるいい子なのに、家に帰ると叩く、蹴る、怒鳴る…
そこで「痛いから蹴らないで」「叩かないよ」と教え込んでも、なかなか収まることはありませんでした。
何もしたつもりはないのに、どうして叩いてくるの?と理解できず悩み、「この子を愛せないかもしれない」と思ってしまったことがありました。
2.実は「安心」しているからこそ出る暴力・暴言
親にだけ暴力・暴言が止まらないのは、本当にきついですよね。
実はこれ、親子の関係性が安全基地になっている証拠なんです。
知的障害の子どもは、
・気持ちをうまく言葉で表現できない
・感情のコントロールが苦手
・学校など外で無理をしている
こういった理由で、外でため込んだストレスを安心できるママやパパにぶつけてしまうんです。

「反応を試している」
「注目してほしい」
「助けてほしい」
そんな想いが隠れていることもあります。
とはいえ、子どもの容赦ない暴力を毎日受け止めるのはつらいですよね。
3.このまま暴力・暴言を放っておくと“癖”になるって本当?
子どもが「怒るのが当たり前」「叩くのが日常」になっていた時期がありました。
・ご飯が気に入らないと体当たり
・注意すると叩いてくる
・「うるさい!」と怒鳴られる

繰り返すうちに、子どもの中で
「叩けば気持ちが伝わる」
「怒れば注目してもらえる」
という間違った学びが定着してしまっていたんです。
この状態を放っておくと、暴力・暴言は行動の癖になります。
だからこそ、今すぐ対応を変えることがとても大切なんです。
次項では、今から暴力・暴言への正しい方法をご紹介しますね!
4.子どもの感情に巻き込まれない!ママができる暴力・暴言への対応ステップ
では、ママやパパがどんな対応をすればいいのか?紹介していきますね。
それは、感情に巻き込まれないことが大切です。
◆① まずはその場から離れる
・別の部屋に行く
・トイレにこもる
・郵便受けを取りに出る
・外の空気を吸いに行く
可能であれば、子どもから物理的に距離をとるのがベストです。
なぜなら、感情のぶつけ合いを防ぐことが大事だからです。
子どもの感情にママやパパまで巻き込まれると悪循環からなかなか抜け出せません。
距離を取って自分に意識を向ける時間を取ることで、ママも冷静になることができます。
気持ちを落ち着けて戻った時には、
「別のお部屋で待っていてくれてありがとう」
「時間をくれたから、ママの気持ちが整ったよ」と伝えてあげましょう。

◆② 離れられない場合は、子どもの本音に目を向けてみましょう
とはいえ、離れられない状況もありますよね。
そんなときは叱ったり怒ったりせず、子どもの状態をよく観察してみましょう。
なんでこの子は怒って叩いてくるのか、前に起こった出来事を考えると答えが見えてくることがあります。
例えば、
注意すると叩いてくるなら、その注意されたことが嫌だったことが考えられます。
本人にとっては悪気があってやったことじゃないのに、注意されてしまったら怒って当然ですよね。
「ママが注意したのが嫌だったんだね」と本音に向き合えば、ママが分かってくれた!と感情が落ち着いてきます。
そして気持ちに感情の名前をつけてあげましょう。
「すごく怒ってるんだね」
「叩きたくなるくらい嫌だったんだね」
「それぐらい辛い気持ちだったんだね」
これを繰り返すうちに、
子ども自身が「気持ちを言葉にする」練習にもなっていきます。
気持ちを言葉で言えるようになると癇癪もグンと減ります。
暴力・暴言をそのまま受け止め続ける必要はありません。
けれど、その奥にある子どもの本音には耳を傾けてあげてください。
「本当はママに甘えたかった」
「ママにはわかってほしかった」
その気持ちに、少しずつ言葉を添えていきましょう。
ママが落ち着いて対応できるようになると、子どもも安心して怒らなくても伝えられることを覚えていきますよ。
知的障害キッズの行動力と会話力を引き出す対応をお伝えしています。
執筆者:みやび 楓
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)




