宿題しない子に毎日イライラしていませんか?宿題をやらせようとするよりも「宿題はやらなくてもいい」と伝えることで自分から勉強を始める子になります。脳科学的な理由と体験談、親子で楽しく学べる会話術を紹介します!
【目次】
1.脳の発達を阻害する親子の宿題バトル
2.「宿題はやらなくてもいい!」と決めたら自分からやり出した娘
3.脳科学が示す「やらせない方が行動する理由」
4.宿題しない子でも大丈夫!親子で楽しく学ぶ工夫
◆日常を学びの場に変える
◆遊びを学びに変える
1.脳の発達を阻害する親子の宿題バトル
子どもがなかなか宿題に取りかからず、親子バトルになっていませんか?
もしそうなら、今日から宿題はやめてください!
子どもが宿題やらない
↓
お母さん怒る
↓
子どもが反抗する、癇癪起こす
↓
それ見てお母さんがまた怒る
このように悪い方にぐるぐる回ることを「負のスパイラル」と言いますが、実は脳の発達を阻害する状態になります。

子どもが宿題をやりたくない理由は2つ。
・子どもの発達段階にあっていない
・子どもの脳の苦手に直結してるからしんどい
苦手に直結したものをやらせたら楽しくないので当然勉強嫌いになります。
勉強が苦手で宿題に取り掛かりにくい子に大変な思いをして、子どもを誘ったり、なだめたりしながら宿題に導いているのに、脳の発達を阻害しているなんてやってられませんよね。
ですから、宿題しない子に無理にやらせるよりも、思い切って「宿題をやらない!」という選択をしてみてほしいんです。
2.「宿題はやらなくてもいい!」と決めたら自分からやり出した娘
私には発達ゆっくりな娘がいます。
「苦行の宿題はやらせなくていい」と私が腹を括ったことから、我が家の宿題問題は大きく変わりました。
夏休みの宿題も全部辞めてみました。
そうしたらどうなったかというと…家が穏やかになって子育てがやりやすくなったんです!
「宿題をやらなかったら勉強遅れる!」と思うかもしれませんが最近は子どもが自分からやるようになりました。
今、娘は中学1年生ですが、友達とLINEを繋いで一緒に宿題をしたり、わからない子に教えたりしています。
自分が勉強で苦労した経験があるからこそ、相手の気持ちがわかり、教えるのがとても上手なんです。
本人も「私がわからなかったから、わからない子の気持ちがわかるんだよ!」と誇らしげ。
楽しみながら学び、友達に感謝される姿を見て、まさに子どもが発達している瞬間だと感じています。
今年の夏も宿題に関しては「やりなさい」とは何一つ言いませんでしたが、サマーキャンプに参加するのを楽しみにしていたので、自分で見通しを持って、先に宿題を終わらせられる成長を見せています。

私の生徒さんにもこの話をして
・宿題のことは封印して「宿題やらなくていいよ」って言ってみて!
・その分、一緒に楽しい時間過ごしてみて
と伝えました。
「えー!そんなー!」と言いながらも、次のレクチャーの時には「先生が言ってた通りです。宿題自分からやってます!」と教えてくれました。
実はこの変化には、脳科学的な理由があるのです。 次の章でお伝えしますね!
3.脳科学が示す「やらせない方が行動する理由」
「宿題はやらなくていいよ」と言われたら、子どもが逆に宿題をやり始める…。
そんな不思議な現象は、脳科学で説明できます。
子ども自身も「宿題をやらなければいけない」ことは理解しています。
しかし「しんどい」「気が重い」と葛藤しているときに「やりなさい」と言われると、かえってやる気が失われてしまうのです。
心理学的にも「強制されるとやりたくなくなる」という反発はよく知られています。
「今やろうと思ってたのに!」というセリフ、聞いたことはありませんか?
これは、親の声かけによって「やる気の芽」がしぼんでしまった典型です。
強制されないと、子どもは「自分で決めていいんだ」と感じます。
その瞬間、「じゃあ宿題をやろうかな」と自分の意思で考えることができます。
すると「自分でやろう」と脳に指令を出すことができ、結果的に行動に結びつきやすくなるのです。

また、海外の研究では、宿題が学力に与える効果は限定的であると結論づけられています。
特に低学年では、宿題よりも読書や遊び、主体的な活動の方が学習効果が高いとされています。
宿題をやることにこだわらなくても大丈夫なんです!
4.宿題しない子でも大丈夫!親子で楽しく学ぶ工夫
では放っておいてよいのか?もちろんそんなことはありません。
大切なのは、勉強や宿題を「無理にやらせること」ではなく、脳を育てる視点を持つことです。
「宿題しない子だから心配…」と思うかもしれませんが、親ができるのは、無理強いではなく学びのきっかけを用意することなんです。
◆日常を学びの場に変える
我が家では、机に向かう勉強だけでなく、日常の会話や遊びの中で知識を広げています。
たとえば、小さい頃から食事中にクイズを出すのが習慣でした。
「今日のごはんに使っている野菜はどこの産地でしょう?」
「この料理に入っている調味料、全部答えられるかな?」
こんな簡単なクイズでも、子どもは楽しみながら考える習慣を育てられます。
◆遊びを学びに変える
車の移動中など、子どもが「暇だよ〜」と言ったときはチャンス。
・音楽好きなら「イントロクイズ」
・社会に関心を持たせたいなら「地理・ことわざクイズ」
・英語や雑学も織り交ぜて出題
・子どもが好きなテーマで「山手線クイズ」
時には「これから行く場所に関する豆知識クイズ」を出すと、目的地に着くまでワクワクが続きます。

これらの遊びはすべて、脳のトレーニングになっています。
・記憶を呼び出す力
・思考力や発想力
・コミュニケーション力
家族でヒントを出し合ううちに、協力する姿も見られるようになります。
「楽しい!」という感情の中で五感をフルに使って遊びながら学ぶと、子どもの記憶に深く残ります。
さらに、今まで使っていなかった脳のネットワークが刺激され、賢さへとつながっていきます。
勉強は、机の上だけでなく、親子の会話や遊びを通じても育まれるのです。
宿題しない子でも大丈夫です。
子どもの力を信じて、親子の会話で勉強に向かう土台を育んでくださいね!
お母さんが声かけを変えるだけで、子どもが伸びるヒントをお伝えしています!
執筆者:笹原みらい
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)