学校に行きたいけど行けない子どもが動けるようになる|知っておきたい不登校6つのステージ

 

学校に行きたいけど行けない子どもは、「行きたい」と思えていても、実はまだ動ける状態ではないのかもしれません。この記事では、今の状態がわかる『不登校の回復にある6つのステージ』をご紹介します。
 

【目次】

1.明日は行くって言う息子が動けなくなる朝
2.学校に行きたいけど行けない…今は動けない理由
3.今の我が子はここ!子どもの状態を理解する6つのステージ

 
 

監修者:吉野加容子

発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表

 

脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。

 

15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。

 

病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。

 

これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。

著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。

 
 

1.明日は行くって言う息子が動けなくなる朝

 
 
「学校に行きたい」と言っているのに、朝になると動けない…。
 
 
そんな学校に行きたいけど行けない子どもの姿に、どうしてあげたらいいのだろうと悩んでいませんか?
 
 
私も、不登校だった注意欠如・多動症(ADHD)と自閉症スペクトラム(ASD)のグレーゾーンの息子が、「明日は学校に行く」と言った日の夜は、「今度こそ行けるかもしれない」と期待していました。
 
 
次の日、少しでもスムーズに学校へ行けるように、ランドセルに入れるものを一緒に準備したり、翌朝に癇癪を起こさないように、機嫌を損ねないように気を遣ったりしていました。
 
 
私自身も、息子を送り出したらすぐ仕事へ行けるように、自分の準備まで整えていました。
 
 
「明日は行けますように……」
そう願いながら、翌朝を迎えたのです。
 
 
ところが、時間になっても息子は起きてきません。
やっと起きてきてもイライラしていて、なかなか動かない…。
 
 
私の出勤時間も、どんどん迫ってきます。
 
 
 
 
「早くしてほしい!」
「昨日行くって言ってたよね!」
言わないようにしていても、焦りやイライラは表情や態度に出ていたのだと思います。
 
 
息子はそれを察して、ついには癇癪を起こし、その日は結局学校へ行けませんでした。
 
 
期待した分私の落ち込みも大きくて、仕事への時間ギリギリに乗り込んだ車を運転しながら、どれだけ泣いたかわかりません。
 
 
「子どもが不登校になると、自分のこともこんなに犠牲にしないといけないの?」
「子どもが学校へ行きやすいように」と準備して、気を遣って、先回りしているのに…気づけば、私自身が朝からボロボロになっていました。
 
 
だからこそ、

「2学期は行くって言っているけれど、本当に行けるのかな」
「声をかけた方がいい?」
「何も言わずに待った方がいい?」
「また間違えたらどうしよう……」

そんなふうに迷っているお母さんの気持ちが痛いほどよくわかります。

 
 

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2.学校に行きたいけど行けない…今は動けない理由

 
 
「学校に行きたいけど行けない…」という子どもの姿を見ると、「行きたいなら、行けばいいのになんで?」と思ってしまいますよね。
 
 
行きたい気持ちがあったとしても、次の日すぐ学校へ「行ける状態」とは限らないので、気持ちとは裏腹に行けないこともあります。
 
 
「行きたいと思えるようになった」ことと、「実際に学校へ行くために動ける」ことは別だからなんです。
 
 
振り返ると、私は息子の「明日は行く」という言葉だけを見て、「行く」ことを後押ししていました。
 
 
「言ったからには行かせたい」
「これで不登校が終わるかもしれない」
「このチャンスを逃しちゃいけない」
 
 
そんな気持ちがあり、息子の今の状態を見るより、私自身の焦りから準備したり、先回りしたり、背中を押したりしていたのです。
 
 
 
 
だからこそ、子どもの「行きたい」という言葉や気持ちだけを見るのではなく、今、どこまで回復しているのかを知ることが大切です。
 
 
不登校には、回復していく段階があります。
 
 
その段階を知ると、行きたいけど行けない子がなぜ動けないのかを理解することができます。
 
 
では、今の我が子はどの段階にいるのでしょうか?
 
 
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3.今の我が子はここ!子どもの状態を理解する6つのステージ

 
 
不登校からの回復には、6つのステージがあります。
 
 
今の我が子がどのくらい回復しているのかを知るためには、6つのステージ別に見ていきましょう。
 
 
①前駆期
体調不良を訴えたり、怒りっぽくなったりして、だんだん学校から足が遠のいていく時期です。
 
 
②混乱期
本格的に登校できなくなり抑うつ的になったり、登校できなくなった子どもを抱えて、家族もパニックになる時期です。
 
 
③休養期
学校に行けない子どもの状態を家族が理解し始めます。受け入れながら、おうちの中で安定した生活が送れるようになる時期です。
 
 
④回復期
少しずつおうちから出て、外に向かうことができるようになる時期です。
 
 
⑤助走期
特定の場所に定期的に通いながら、本格的に社会復帰(再登校)を果たす前のリハビリを行う時期です。
 
 
⑥復帰期
学校生活への本格的な参加を始める時期です。
 
 
この6つのステージを知っておくと、「学校に行きたい」と言っているのに、なぜ動けないのかを理解する視点を持つことができます。
 
 
 
 
私も、このステージを知ったことで、息子の「行く・行かない」という言葉だけに振り回されるのではなく、今の状態を見て動けるのかどうかを判断できるようになりました。
 
 
息子が今どこにいるのかを知ることで、この先どうなるのだろうという不安が減り、イライラすることもなくなっていきました。
 
 
それに比例するように息子は少しずつ自分で考えたり、自分で選んで動くようになっていきました。
 
 
そして3ヶ月後、「オレだって本当は勉強したいねん!」と再び学校へ通えるようになりました。
 
 
子どもが「学校に行きたいけど行けない」状態のときは、ただ「行ける・行けない」だけで見るのではなく、今どのステージにいるのかを知ることからはじめてみてくださいね。
 
 
 
 
 
 
 

よくある質問

 

Q1.学校に行きたいと言っているのに、翌朝になると行けないのはなぜですか? 

 
A1.「学校に行きたい」という気持ちと、実際に行動できる状態は別だからです。行きたい気持ちがあっても、まだ心の準備が整っておらず、動けないことがあります。
 

Q2.不登校の回復には、どのようなステージがありますか? 

 
A2.この記事では「前駆期・混乱期・休養期・回復期・助走期・復帰期」の6つに分けて紹介しています。子どもが今どのような状態にあるのかを理解するための目安になります。
 

Q3.子どもが「明日は学校に行く」と言ったのに行けなかったら、どう対応すればいいですか? 

 
A3.約束を守れなかったことを責めるより、今の子どもの状態に目を向けましょう。「行きたい」という気持ちを大切にしながら、無理に行動を促さないことが大切です。

Q4.不登校の回復期と助走期は、どう違うのですか? 

 
A4.回復期は、少しずつ家の外に向かう行動が出始める時期です。助走期は、特定の場所に定期的に通うなど、学校生活への復帰に向けた準備を進める時期です。
 
 
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執筆者:山本みつき
発達科学コミュニケーショントレーナー

 

好奇心旺盛で自然が大好きな息子が、小学校入学をきっかけに学校へ馴染めなくなり、母子登校から不登校を経験。

 

毎日の癇癪や暴言、学校や家からの飛び出しに悩み、「どうすればこの子を助けられるのか」と試行錯誤する日々を過ごしてきました。

 

そんな中、発達科学コミュニケーションに出会い、「子育てが間違っていた」のではなく、“この子に合った育て方”を知らなかっただけだと気づきます。

 

脳に届く声かけを実践していくことで、荒れていた息子は少しずつ落ち着きを取り戻し、「本当は勉強がしたい」と再び前を向けるようになりました。

 

現在は、「普通じゃないって、これからの時代の強みになる!」という想いのもと、子どもたちが持ち前の好奇心や才能を伸ばし、 この子にしかできない夢を描ける社会を目指して活動しています。

 

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