夏休みのお母さんのお悩みと言えば、子どもがゲーム、スマホ、テレビに没頭してしまうことではないでしょうか?その原因、過集中かもしれません!過集中状態の発達障害の子どもが話を聞けるようになるための効果的な方法についてお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子どもは行動の切り替えが苦手!?
2.達障害の子どもが行動の切り替えが苦手な理由――過集中
3.過集中にはどんな問題があるのか――ゲームをやめられない理由
4.過集中状態を止める効果的な方法
1.発達障害・グレーゾーンの子どもは行動の切り替えが苦手!?
突然ですが、あなたのお子さんはお母さんの指示にすぐに従うことができますか?
お片付けしてね!
ご飯の時間だよ!
お風呂入って~!
ご飯の時間だよ!
お風呂入って~!
なかなか動いてくれなくて困っている…
何度も声をかけるうちにイライラしてしまう…
お母さんのイライラでおうち全体の雰囲気も悪くなってしまう…
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
何度も声をかけるうちにイライラしてしまう…
お母さんのイライラでおうち全体の雰囲気も悪くなってしまう…
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
普段は比較的スムーズに動けていても、スマホやゲーム、テレビをやめなければいけない、となるとなかなかうまくいかないという場合もあると思います。
特に発達障害やグレーゾーンの子どもたちはこういった「行動の切り替え」が苦手だと言われています。
これから夏休みに入ると子どもが家にいる時間が増えてテレビの前から動かなくなるのでは!?と今から気が重いお母さんもいらっしゃるかもしれませんね。
実際、発達科学ラボが実施したアンケート調査では、夏休みの困りごとの第4位に「ゲームやスマホ、動画視聴にはまって抜け出せない…」という意見がランクインしました。
夏休みを親子で穏やかに過ごすために発達障害やグレーゾーンの子どもたちが行動をスムーズに切り替えられる方法を考えていきましょう!
2.発達障害の子どもが行動の切り替えが苦手な理由ーー過集中
どうして行動の切り替えが苦手なのか?そのひとつの原因が「過集中」です。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちは「不注意」という特性を持っていることがあります。落ち着きがなくそわそわしたり、忘れ物が多かったり…
過集中はこの不注意の正反対で、目の前のものに注意が集中しすぎてしまうことを言います。
お子さんが何かに没頭しているとき、お母さんがいくら声をかけても周りで何が起こっても全く反応がない…ということ、ありませんか?
集中していても、声ぐらい聞こえてるでしょ!返事ぐらいしてくれてもいいじゃない!と思いますよね。
ここがひとつ気をつけなくてはいけないポイントです。
一般的の集中している状態では、「集中している」と言っても、注意の何割かは周囲の環境に向けられています。
ですから、お母さんが「おやつの時間だよ!」と声をかければ
「はーい!今行く!」とか「今いいところだから後で~!」など何かしら反応することができます。
しかし、発達障害やグレーゾーンの過集中の状態は全く別物です。注意のすべてが目の前のものに向けられているのです!
周囲の環境に向けられている注意がゼロになるため、お母さんがいくら声をかけても全然気づけないのです。
何度も何度も声をかけて声がかれそうになったこと、ありませんか?
子どもがもし過集中の状態にあるのなら行動の切り替えが苦手というよりも、行動を切り替えなくてはならない場面だと気づいていないのです。
まずは過集中の状態を止めてお母さんの声を届けることで「今は行動を切り替える場面!」だということを教える必要があります。
3.過集中にはどんな問題があるのか――ゲームをやめられない理由
過集中の状態がすべていけないというわけではありません。
高い集中力を生かして、研究者になったり経営者になったり、クリエイターになったりして成功している方もいらっしゃいますよね。
では、過集中のどんな側面が問題なのか?それは「危険予知」に使われている注意力まで目の前のものごとに注がれてしまうことです。
例えば、道を歩いているときは、目の前に障害物がないか、信号は赤なのか青なのか、車やバイクは自分からどれぐらいの位置を走っているのかなどを無意識に注意を払っています。だからこそ安全に歩くことができるのです。
一方で過集中の状態で道を歩くとどうでしょうか。目の前の電柱に気づかなくてぶつかる…ぐらいなら笑い話で終わるかもしれませんが、人にぶつかってトラブルになったり、赤信号や後ろからくる車に気づかずに事故になりかけたり…ということになればとても危険です。
自分が過集中状態であることに気づいていないぐらい没頭しているので、本人にも制御不能なんです。
そんな過集中が起こる典型的な状況がゲームです。
過集中が起こるもののほとんどは
①本人が楽しんでいる
②ご褒美がもらえる
という特徴があります。
①本人が楽しんでいる
②ご褒美がもらえる
という特徴があります。
ゲームはその典型。ゲームはドキドキワクワクが味わえるうえに、ステージをクリアしたとか、攻撃が成功したとか、ポイントをゲットしたとか、短いスパンで何度もご褒美を与えられます。
ゲームが進むにつれて得られるご褒美も大きくなり、意識もどんどん持っていかれて過集中状態になる…というわけです。
4.過集中状態を止める効果的な方法
発達障害やグレーゾーンの子どもが過集中状態になっている場合、お母さんが何を言ってもその声は全く届いていません。
でも、お母さんがちょっとした工夫をするだけで過集中を止めて話を聞けるようになるんです!
普段子どもに声をかけるとき、お母さんはどこにいますか?
キッチンでご飯を作りながらリビングでゲームしている子どもに声をかける…ということありませんか?
強制的に過集中を止めるには、まず
・視界に入って声をかける
・体を揺らす
ことを意識してみてください。
・視界に入って声をかける
・体を揺らす
ことを意識してみてください。
つまり、ゲーム機と子どもの目の間にお母さんが入ってアイコンタクトしてください。
スマホでゲームをしているなどそれが難しい場合はお母さんの手で視界を遮ったり肩を叩いたり体を揺らしたりすると効果的です。
子どもが気が付いたらこまめに指示を与えてください。
「お片づけするよ」だけでなく、「ゲーム機を元に戻して」「スマホはテーブルに置いて」「本は本棚に入れて」など1つ1つの行動を端的に指示すると子どもが動きやすくなります。
これから夏休み。お子さんがテレビやゲームからスムーズに行動が切り替えられるようになるとお母さんも穏やかに過ごせるはずです。
今まで声がかれるぐらい子どもに声をかけて指示していた…というお母さん、ぜひ試してみてください!
また、この夏休み、スマホやゲームのルールを改めて決めたい!という方はこちらを読んでみてくださいね。
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)