【お悩み相談室】一人っ子の息子が休みの日、ひたすら好きなキャラクターの本を読んで寝転がっています。こんな過ごし方でいいのでしょうか?

小学校から休校中の課題が出ているのに、息子は好きなキャラクターの本をずっと読んだり、録画しているアニメを観たりしています。親としてはアクティブに過ごしてもらいたいのですが、気がついたら1日寝転んでいます。一人っ子だしこのまま視野が狭くなるのでは?と不安になります。何か解決策はありますか?

9歳・男の子のママ

休みの日が続くと、日中の過ごし方、気になりますよね。息子も9歳のとき、好きなキャラクターのポケモンにどハマり!イラストばかりの本を見て、アニメに3DSにゲームセンターと、勉強せずにポケモンばかり…でも良かったのです。おかげで息子は記憶が得意になりましたよ!

 

発達科学コミュニケーション
リサーチャー 秋村若菜

 

【目次】

 

1.休校中の過ごし方はアクティブにハツラツと!でも…

 
 
長い休校中、子ども向けの教材がどんどん増えていますね!家で過ごす子どもの世界が広がりそうです!自宅待機がここまで長く続くと、運動量が足りませんが、オンラインレッスンやYouTubeの動画などで体を動かすお子さんもいるようです。
 
 
学校からも課題が出ていることと思います。勉強に取り組みながら、この休校をプラスに捉え、アクティブに過ごして欲しいものですよね。
 
 
もう息子は中学生になりましたが、質問者さんのお子さんと同じ9歳だったら、と置き換えてみると、息子も活動的に過ごすというよりはゲームにのめり込んでいたと思います。
 
 
息子は発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向がある一人っ子。息子が9歳だった当時、コミュニケーションが苦手で勉強もイヤ。休みの日は話し相手は私だけでしたので、視野は狭くて刺激は足りていない状態でした。
 
 
私は少しでも外に出て、人と関わって欲しいと願っていました。でも息子は家でポケモンの世界に浸るのが大好きな子でした。
 
 
特にイラストばかりの図鑑が大好き!気がついたときには、リビングで寝転がって本を読んでいました。私は姿勢を正して、明るいところで、目との距離を離すように注意していましたが聞こえない様子。
 
 
そしてアニメでポケモン。3DSでもポケモンのゲームをしていたし、毎年の映画は必ず観に行きました。
 
 
外へ連れ出すためにゲームセンターのポケモンゲームや、ポケモンセンターにも付き合いました。私はゲーセンなどの音や人混みが苦手でしたが、9歳の息子を一人にするわけにいきません。友達役として、一緒に行動していました。
 
 
 
 

2.発達障害、グレーゾーンの子は記憶は苦手⁉︎

 
 
ポケモンばかりでなく、学校の勉強もメリハリつけて取り組んで欲しいもの。でも息子は勉強が苦手。特に漢字が大嫌いでした。覚えるだけで点数をとれるはずなのに息子は嫌がりました。
 
 
まだ息子の年齢は脳の記憶の機能が十分に発達してない時期。発達障害を持っているので、記憶の発達がゆっくりだったのかもしれません。
 
 
親が叱って無理やり勉強させたとしても、もともとヤル気が無い上にネガティブな感情と共に取り組んでも、記憶に定着しないのです。
 
 
再テストでも点数は悪いし、漢字に限らず学校の勉強自体がイヤになり、そのうち息子は不登校になりました
 
 
これが我が子。学校も勉強も苦手なんだと少しずつ親が受け入れ、無理はさせないようにしました。だからと言ってポケモンゲームやり放題も、どうなのだろうか悩ましい時期でした。
 
 
 
 

3.とうとう、記憶は得意なんだよと自信たっぷりに言うように!

 
 
不登校の間に私立受験するという目的ができ、塾通いして希望の中学に合格!入学して配布された教科書は、とっても分厚くて細かい。
 
 
こんな難しい教科書で、勉強についていけるのだろうか…私は心配になりましたが、受験を経験した息子は一味違いました。
 
 
「僕はこういう難しい内容だから嬉しいんだよ。」「合格できたのは、理科と数学が好きだからだよ!」と言っていました。
 
 
特に、生物や宇宙など暗記系の分野が得意で、理科は全般的に好きだし得意、とのこと。一体どうしちゃったのでしょう。息子へ、どうやったら得意になれたのか聞いて見ました。
 
 
間違いなくポケモンのおかげ!生物が好きになったからね。」「ポケモンの図鑑をずっと見てたから記憶が得意になったんだよ!」と自信たっぷりに言っています。
 
 
「漢字も嫌だけど、まぁなんとかするよ!記憶が得意だからね。」そう息子は言っています。自分が勉強したら何とかなる!と本気で思っているようです。
 
 
当時、寝転がって読んでいた息子へ、散々注意しても聞きませんでした。でも。本気で興味深く暗記しているならば姿勢は崩れるもの。いうことを聞かないからと放っておいたことが、邪魔せずに、息子に没頭させることに繋がったのです。
 
 
ポケモンは何100種類もあり、それぞれのタイプと相性、技のレベルに進化系と膨大な量を記憶しているのですが、とことんのめり込むものがあるって幸せなことなんですよね。
 
 
思い切りインプットして、アニメで答え合わせして、映画で感動する。ゲームでは、属性や技を駆使しますのでアウトプットの連続です。知識のない私に、どんなポケモンがカッコイイのか細かく教えてくれたことも、記憶を引き出すトレーニングになりました。
 
 
スマホを持たせてPokémon GOを導入したら、歩いて景色を楽しみながらインプットとアウトプットを繰り返しました。こうして息子は記憶の機能が発達していったのです。
 
 
親として私は、友達と会話して欲しい。ハツラツと活動して欲しいと当時の息子を否定的に思っていました。でも一人っ子の親だからと、ポケモンに付き合ったことは無駄ではありませんでした。
 
 
好きなものを好きでいることで、好きが派生して今では化学も物理も大好きです。ポケモンのおかげだと思える日が来るなんて笑えてしまいます。
 
 
 
 
大人になったら、やらなければならないことを優先してしまいがちに。没頭できる子ども時代に、思い切り好きなことを楽しんでもらいたいと心から思っています。
 
 
今、自宅待機で子どもの1日が目についてしまうと思いますが、好きなことに出会えているお子さんを信じてあげてくださいね!
 
 
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執筆者:秋村若菜
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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