普段から叱られることが多い発達障害の子どもたち。実は大人の何気ない一言が、子どもをダメにしてしまうこともあるんです。ここでは、お母さんの一言が子どもの脳の発達に与える影響と、子どもを伸ばす声かけについて紹介していきます。 |
【目次】
1.発達障害の子どもにこんな声かけをしていませんか?
2.嫌なことを記憶しやすい発達障害の子どもの脳
3.大人の一言が発達障害の子どものやる気を奪ってしまった事例
4.声かけを変えて発達障害の子どもの脳を発達させよう!
1.発達障害の子どもにこんな声かけをしていませんか?
発達障害の子どもは脳の発達がゆっくりであるため、できないことが多くあります。お母さんもついイライラしてしまいがちですよね。
今の時期は春休みに入り、子どもと過ごす時間が長いお母さんも多いと思います。普段よりも子どもを叱ってしまうことが増えていませんか?
「なんでそんなこともできないの!?」
「何回言ったらわかるの!?」
「何回言ったらわかるの!?」
ついこんな声かけをしてしまうこともあるかもしれません。
でも、この何気ない一言が、発達障害の子どもの脳にダメージを与え、脳の発達を妨げる原因になってしまうのです。
2.嫌なことを記憶しやすい発達障害の子どもの脳
なぜ、大人の何気ない一言が、発達障害の子どもの脳にダメージを与え、脳の発達を妨げてしまうのでしょうか?
それは発達障害の子どもは、嫌なことを記憶しやすいという脳の特性を持っているからです。
つまり楽しかったことよりも、嫌な思いをした記憶の方が頭に残りやすいのです。
そしてもう一つ大事なことがあります。これは発達障害の子どもに限りませんが、子どもは注意される、叱られるなど自分の行動を否定されると、どんどん自信をなくしていきます。
その結果やる気を失い、自分で考えて行動することができなくなってしまうのです。
そのうえ嫌なことを記憶しやすい発達障害の子どもに
「なんでこんなこともできないの!?」
「何回言ったらわかるの!?」
と声をかけたら…?
「なんでこんなこともできないの!?」
「何回言ったらわかるの!?」
と声をかけたら…?
子どもはどんどん自信をなくし「どうせ自分はダメなんだ」とやる気を失っていきます。
3.大人の一言が発達障害の子どものやる気を奪ってしまった事例
ではここで、実際の事例として、女優の黒柳徹子さんの幼少期の話を紹介します。
黒柳さんは小学3年生のとき、算数の答えが分からず、間違えた答えを書いたノートを先生に見せました。
その時の先生がノートを見て一言。
「あなたは低能!!こういうのを低能っていうんです!!」
この出来事以来、黒柳さんは算数が大嫌いになってしまいました。問題を解こうとしても、「どうせ低能だしな」と諦めるようになってしまったそうです。
そして彼女は「私にとっては忘れられない言葉のひとつ」と言っています。
この先生は文部省(当時)から派遣された先生だったとあり、おそらく実際に接した期間はそんなに多くなかったのではないか、と思われます。
しかし子どもを否定する言葉は、言われたのがたとえ一回でも発達障害の子どもの脳に大きなダメージを与えてしまいます。
大人の何気ない一言が子どもの発達の機会を奪い、その後の人生を左右してしまう可能性だってあるのです。
黒柳さんの事例では、今ではあまり聞くことのない「低能」という直接的な言葉ですが「なんでこんなこともできないの!?」「何回言ったらわかるの!?」
というお母さんの一言も、発達障害の子どもの脳にとっては「低能」と同じくらいダメージを与え、発達を妨げてしまう言葉なんです。
4.声かけを変えて発達障害の子どもの脳を発達させよう!
ではお母さんは、発達障害の子どもにどういう声かけをすれば、脳を発達させることができるのでしょうか?
答えは、できていないことに注目するのではなくできていることに注目することです。
先ほど、子どもは自分の行動を否定されると、自信を失いやる気もなくなる、とお話ししました。ところが反対に、子どもは自分の行動を肯定されると自信がつき、自主的に行動するようになるのです。
例えば子どもが点数の低いテストを持って帰ってきたとします。つい、点数が悪いことに注目し
「またこんな点なの!?」
なんて声をかけてしまうこともあるかもしれません。
しかし子どものできているところに注目すると
「テスト見せてくれてありがとう!」
「名前ちゃんと書けてるね!」
「ここの問題よく解けたね!」
「名前ちゃんと書けてるね!」
「ここの問題よく解けたね!」
と言葉をかけることができるようになります。
お母さんが、子どものできているところに注目して声かけを変えれば、我が子の脳を良い方向に発達させることができるのです。
このことをぜひ知っておいてくださいね。
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)