とにかく落ち着きがないADHDタイプの子どもに、イライラして叱ってしまうことが増えていませんか?実はある対応をすれば、子どもの困った行動にいちいち振り回されずに済むようになるんですよ。 |
【目次】
1.子どもの落ち着きのなさに振り回されていませんか?
2.ADHDタイプの子どもの困った行動のワケとは?
3.落ち着きがない子どもに効く、シンプルな対応はコレ!
◆外出中はとにかく気を引く!
◆「待つ時間」に課題を与える
1.子どもの落ち着きのなさに振り回されていませんか?
・気になるものを見つけるとすぐに行ってしまう
・じっと座っていることができない
・おとなしく待つことが苦手
こんな風に落ち着きがない注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプの子どもに振り回されていませんか?
我が家の息子は発達障害グレーゾーンの小学2年生です。以前は私も
・予測不可能な行動を取るので、外出したときは目が離せない
・テストの後の「待つ時間」が苦手で、椅子を揺らしたりゴソゴソしたりしてしまう
などという、息子の落ち着きのない行動に悩まされていました。
こんな風に子どもがじっとしていられないのには、不注意・多動性・衝動性というADHDの特性が大きく関係しています。
実はADHDの特性は、大人の対応や周りの環境次第で症状が増減しやすいという特徴があります。
特に「落ち着きのなさ」に関しては、きちんと対応すれば思春期までには解消すると言われているのです。
ところが、ADHDタイプの行動は悪目立ちしやすく、叱られて自信をなくしてしまう機会が増えがちです。
その結果、特性が目立たなくなるどころか、攻撃的になる・暴言が増えるなどの二次障害が起きてしまうケースも多いんです。
だからこそ、早めに適切な対応をしてあげることがとても大事なんですよ。
そこで今回は私の実体験も踏まえて、落ち着きがないADHDの子どもに効果的な対応をお伝えします。
2.ADHDタイプの子どもの困った行動のワケとは?
では、どうしてADHDタイプの子どもは落ち着きがない行動が目立つのでしょうか?
ADHDタイプの子どもは、思いついたら即行動、じっとしていられないなど、とにかく活動的ですよね。
実はADHDの子どもは、他の子どもと比べて必要としている刺激のレベルが高いのではないか、と言う見解があります。
子どもをよく見てみると「興味のあることにはいくらでも集中できるけど、つまらない課題には全然集中できず他のことに気が行ってしまう」という様子は見られませんか?
先ほどもお伝えしたように、ADHDタイプの子どもは不注意・衝動性・多動性という3つの特性を持っています。そのため
・興味のあること
↓
子どもにとって刺激のレベルが高いので集中して作業することができる
・つまらないと感じること
↓
刺激が足りないため、さらなる刺激を求めて他の行動に移ってしまう
ということが起こるのです。
実は子どもによく見られる爪かみも、ADHDタイプの場合は自分自身の覚醒を上げるためにやっているケースが多いんです。自分で刺激を作り出している、というわけですね。
つまり、ADHDタイプの落ち着きがない行動に対処するためには、「子どもにしっかり刺激を与えてあげること」が必要なんです。
3.落ち着きがない子どもに効く、シンプルな対応はコレ!
では、落ち着きがないADHDタイプに必要な対応とは何でしょうか?
それはズバリ、隙を与えないことです。
先ほどお話ししたように、子どもは刺激が足りないと自分で刺激を作り出そうとします。
つまり、周りの大人が先手を打って刺激を与えてあげれば、子どもの落ち着きのない行動に振り回されることもなくなるのです。
そこで今回は私が息子に実践した2つの方法を紹介します。
◆外出中はとにかく気を引く!
1つ目は外出時の対策についてです。
我が家の息子はとにかく好奇心旺盛なため、外出時は予測不可能な行動に振り回されてぐったりしていました。
そこで私がやったのは、「ひたすら会話を続けること」です。
一緒に道を歩いているときも、電車に乗っているときも息子が食いつきそうなものを私が先に見つけるようにして、とにかくこちらに気を引くようにしていました。
ADHDタイプはおしゃべり好きな傾向があり、自分に注目してほしい!と言う欲求が強い子どもが多いです。
「あの電車、なんだっけ?」
「こんなところに虫がいるね!これ知ってる?」
などとお母さんがネタを振ってあげれば、どんどん話してくれますよ。
実は「話を聞いてあげる」と言うことは、子どものことを肯定してあげていることになります。
普段から自信をなくしやすいADHDタイプの子どもには、オススメのコミュニケーションなんですよ。
「へー、そうなんだ!」
「お母さん知らなかったよ!」
「いい考えだね!」
などと子どもの発言をどんどん肯定してあげてくださいね。
◆「待つ時間」に課題を与える
2つ目は、学校にお願いする対応についてです。
ADHDタイプの子どもは「何もしない時間」と言うのがとにかく苦手ですよね。
実は我が家の息子はテストのとき、早く解き終わってしまうのでやることがなく、ゴソゴソ動いたり、椅子をグラグラさせたりしてみんなの集中力を妨げてしまうと先生から報告を受けました。
そこで私は「可能であれば何か課題を与えてほしい」と先生にお願いをしました。
すると先生は息子のために余分にプリントを用意して、時間が許す限りプリントに取り組ませてくださったのです。
プリントが何枚もあるため、毎回テストが返却されると「どれがテストだったの?」を分からないくらいでした(笑)
しかし、持て余す時間がなくなったことで注意されることもなくなり、先生に「たくさん解けたね!」と褒められることで自信をつけることができたのです。
こんな風に周りの大人が対応を工夫すれば、子どもの落ち着きのなさは改善することができるんですよ。
いかがでしたか?落ち着きがないADHDタイプに効果的な対応は「隙を与えないこと」です。
積極的にコミュニケーションをとったり、活動を与えることで、ADHDタイプの子どもに自信をつけてあげてくださいね!
執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)