【お悩み相談室】発達障害・ADHDの娘は家では比較的落ち着いているのに、小学校では特性が暴走してしまい困っています。

発達障害・ADHD傾向の6歳の娘は、家では比較的落ち着いているのに、小学校では特性が強く出てしまいます。環境によって、特性の出方が違うことってあるのでしょう。親が一緒にいられない場所でのトラブルにどう対応してあげたらいいか悩んでいます。

 

6歳・女の子のママ

私にも発達障害・ADHD傾向の娘がいます。小学校でのトラブルを聞くと不安になりますよね。家での様子とのギャップがあると信じたくないという気持ちになるかもしれません。私の体験が対応のヒントになるとうれしいです。

 

発達科学コミュニケーショントレーナー 杉山かずみ

 

【目次】

 

1.発達障害・ADHDの特性が小学校で暴走

 
 
私の娘は、小学校に入学した後に、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンだとわかりました。
 
 
それまでも、他のお友だちと比べて、少しの幼さを感じることはありました。けれど、まさかわが子に発達障害の傾向があるなんて考えてもみなかったし、トラブルもありませんでしたので、娘の特性に気づかないふりをして、過ごしていました。
 
 
しかし、それまで目立たなかった発達障害・ADHDの特性は、小学校で暴走し始めたのです。
 
 
・落ち着きがない
・椅子にじっと座っていられない
・突然大声を出す
・感情のコントロールができずに暴力行為も…
 
 
お友だちとのトラブルも増えていき、小学校からたびたび電話がかかってくるようになりました。
 
 
一方で、家では活発ではあるけれど、明るくて優しいいつもの娘。お友だちとトラブルを起こすようには見えません
 
 
どちらが本当の娘なのだろう… そんな風に考えたこともありました。
 
 
では、どうして家では目立たない発達障害・ADHDの特性が、小学校生活では暴走してしまうのでしょうか?
 
 
 
 
 

2.家では落ち着いているのに…小学校で特性が目立ってしまう理由はコレ

 
 
発達障害・ADHDの子の特性は、環境の影響を受けると言われています。
 
 
落ち着かない場所であったり、相性の悪い人がいたりすると、特性が強く出てしまいやすいのです。
 
 
さらに、周囲の理解がなかったり、誤解があったりすると、特性が目立ってしまうという面があります。
 
 
娘の話をしますね。
 
 
娘は0歳から保育園に通っていました。
 
 
ですから、小学校の入学は、本人が理解できるようになって、はじめての大きな環境変化になりました。
 
 
娘が通っている小学校の生徒数は、保育園の子どもの人数と比べて約6倍。ざわざわした環境が苦手な娘には大きなストレスがかかるようになりました。
 
 
入学して、周りの先生やお友だちも変わります。
 
 
小さいころから自分を知っている先生やお友だちは小学校にはほとんどいません。理解してくれる人は減り、人数が増えれば相性の悪い子も出てきます。
 
 
発達障害の傾向のある子は、自分からお友だち関係をつくっていくことが苦手な子も多いですから、自分で理解を広めることなんてできません。
 
 
娘は、家の環境は変わらないので安心して過ごすことができていましたが、小学校では、落ち着けない環境により、特性が出やすくなっていたのです。
 
 
つまり、発達障害・ADHDの特性は、いつも同じように出るのではなく、環境や周りの対応によって増えたようにも減ったようにも見える、ものなのです。
 
 
 
 
 

3.時間は解決してくれません

 
 
発達障害・ADHDの特性は、環境や周りの無理解によって目立ちやすくなります。
 
 
これは、逆に言うと、周りの理解が深まれば深まるほど、特性は目立たなくなっていく、ということです。
 
 
本人が環境に慣れて、小学校の先生や周りのお友だちに理解してくれる子が増えれば、特性は目立たなくなりますから、問題行動が減っていくことも期待できます。
 
 
しかし、発達障害・ADHDタイプの子どもの場合、時間が解決してくれるだろう、と対応を先延ばしにすることは、とても危険です。
 
 
なぜなら、環境に慣れるより前に、状況をこじらせてしまう可能性のほうが高いからです。
 
 
すでに、特性によって小学校で問題行動は起きています。
 
 
発達障害の特性は自分では止めることができません。にADHDの特性は目立ちます。周りの理解がなければ、毎日のように叱られたり、注意されたりすることになるでしょう。
 
 
このように、できていないことに注目が繰り返されてしまうと、子どもはどんどん自信を失い、好ましくない行動がさらに増えてしまう、という悪循環になってしまいます。
 
 
発達障害・ADHDの特性は、きちんと対応すれば、スッと落ち着くことも多いです。こじらせる前に、適切な対応で、早めに解決していきたいですね!
 
 
 
 
 

4.小学校でのトラブルもおうちで解決!お母さんができる方法を教えます。

 
 
自信を喪失すると、問題行動が増えてしまいますから、まずは失った自信を回復させてあげたいですね。
 
 
では、どうしたら自信を回復させることができるでしょうか。
 
 
失敗体験を繰り返すことで、自信が失われるのですから、それを消してしまうくらいの成功体験をたくさん積ませてあげればいいのです
 
 
成功体験とは「私、できたよ!」と本人が感じられる体験。家にいて、たくさんの成功体験をさせてあげるなんて難しい、と思われるかもしれませんが、実はとても簡単な方法があるのです。
 
 
それは、子どもの「実況中継」をすること。
 
 
ふだん、何気なくやっている当たり前なことでも、言葉にして伝えてあげると、それは成功体験になります。
 
 
たとえば
 
 
「学校から帰ってきたね」
「ご飯食べ始めたね」
「お風呂に入れたね」
「洋服を着替えたね」
 
 
お子さんの行動をただ伝えるだけです。これなら、1日に何回も成功体験をさせてあげることができてしまうのです!
 
 
言葉にして伝えることで、子どもは「お母さんはちゃんと見てくれている」と感じることができますし、自分ができていることにも気づくことができますから、自信がどんどんついていきます
 
 
発達障害・ADHD傾向の子どもは、自信がつくと、気持ちに余裕が生まれ、活動性もあがります。自然とトラブルも減っていき、好ましい行動が増えていきます。
 
 
さらに、発達障害・ADHDの子は人好きな子が多いですから、お友だちと関わろうという気持ちが生まれるかもしれません。
 
 
良好なお友だち関係ができると、さらなる大きな自信となりますし、理解してくれる人も増えていきますから好循環になっていきます。
 
 
つまり、家でのお母さんとのコミュニケーションを通して自信をつくと、お母さんがいない小学校などでも落ち着いて行動できるようになっていくのです。
 
 
 
 
発達障害・ADHD傾向の娘は、実況中継を続けて、2週間で家での活動性が高まり、お手伝いや宿題をすすんでやるようになりました。
 
 
1ヶ月が過ぎたころには、会話のなかで、小学校のお友達の名前がたくさん聞かれるようになり、
 
 
2ヶ月後には、担任の先生から「大声などの目立った特性が見られなくなりました」「お友だちと仲良く遊んでいることが増えました」と、うれしい連絡をいただきました。
 
 
お母さんの対応を少し変えるだけで、小学校での子どもの行動は、確実に変わっていきます。
 
 
お母さんが一緒にいられない場所だって大丈夫‼ まずはお母さんとのコミュニケーションから始めてみませんか。
 
 
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執筆者:杉山かずみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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