間近にせまった入学式…発達障害の子はいつもと違う状況に不安を感じやすいのでパニックが心配、というお母さんもいるかもしれませんね。お子さんの不安を減らすために、お母さんが入学式前にできることを考えてみませんか?
【目次】
1.入学式で発達障害の子がパニックになる心配はありませんか?
今年は長い春休みになったご家庭が多いと思います。卒園したお子さんのいるご家庭では、春休みが明けたら「入学式」というイベントが控えていますね。
発達障害やグレーゾーンの子は普段と違うことに対する不安が強いので、思いがけない理由でパニックや癇癪を起こしてしまうことがあります。
間近に控えている「入学式」も、お母さんたちにとってはお子さんがパニックにならないか心配かもしれませんね。
入学式に向けた準備は発達障害の子たちにとって、実はものすごく重要です。
冒頭にお話ししたように発達障害の子どもは、見通しを持つことが苦手であったり人一倍不安を感じやすい特性があります。
そのためにパニックを起こしやすいのですが、興奮状態の子どもを落ち着かせるのはかなりの労力と時間を使いますし、子どもにもネガティブな記憶を強く残してしまうだけです。
そこでパニックへの対応として非常に大事なことは、パニックを引き起こしやすい状況を避けるということです。
では、パニックを予防するためには何ができるでしょうか?
今回はピアノ講師をしている私が、発表会準備で効果抜群だったパニック対処法をお伝えします!
2.発表会から応用した入学式で使える準備とは?
ピアノ以外の習い事はしていない、発達障害の低学年男子が初めて発表会に参加したときのことです。もちろん初めてのことばかりなので、パニックになりそうな心配だらけ。
では、お母さんはどんな準備をすることができるでしょうか?
我が子のことを思い浮かべて、パニックを防ぐためにできそうな対策を考えてみてください。
実際に発表会前にとった対策は、
・発表とはどんなことをするのかを説明する
・事前(約1年前)に発表会を見学する
・発表会の服や靴を身につけて練習する
・お辞儀の練習をする
・事前に発表会のホールを下見する
・下見ができない場合は、ホームページなどから写真を探す
・プログラムの演奏順や自分の前の曲を確認しておく
・会場に本人が落ち着けるスペースがあるか探しておく
などなど…実際にはこの4倍以上の項目がありました。
私たちにとっては「普通」の生活の中にも、発達障害の子がパニックになりかねない原因はたくさんあることがわかります。
その中でも、特に会場の下見はやっておいて良かったと思いました。
客席から舞台袖までのルートも見せてもらえたので、発表会当日も「エレベーターがあったからそれで行きたい!」など、緊張した様子もなくおしゃべりしながら移動していました。
下見で様子がわかっていたので、何かが気になって立ち止まることもなくスムーズに移動できましたし、特に不安な様子もなく、本番も普段通りに演奏するこがとできました!
入学式でも発表会と同じように前もって準備できることがたくさんあります。
まずは、入学前に学校を見学させてもらえるか学校に問合せてみてください。入学式まで日にちが迫っていますが、個別にお願いすれば対応してくれることもあるようです。
また、入学式では普段と違う服を着るので、感覚過敏などが原因でパニックを起こすことも考えられます。前もって試着しておくのも大切です。
ぜひ、今のうちから準備してみてくださいね!
3.お母さんしか知らないパニックの原因を○○しましょう!
入学式に向けて今のうちにやっておいていただきたいのが、我が子が入学式に参加するのを想像して「心配だな…」と思うことがあったら、書き出してリストアップしてみることです。
ちょっと面倒かもしれませんが、このひと手間が意外と重要です!1回書き出してみることで、お母さんも今まで意識していなかったポイントに気付けることが多いからです。
そして何より、わが子のことはお母さんが一番よくわかっています。
パニックになりそうな場所・苦手な雰囲気・ちょっとした体調の変化…お母さんしか気付いていない、子どもの「ちょっと苦手」がとっても大事なポイントになります!
園の先生も知らない・気付いていない苦手も、お母さんだからこそ気付いてあげられるんです。
また、うっかり忘れを防げるのも、書き出しておくことのメリットの一つ。
発達障害の子は急な予定変更が苦手で、すぐに対応できないことが多いです。
忙しくてうっかり伝え忘れてしまい、入学式当日に突然伝えたらパニックに…なんていう事態を防ぐためにもリストアップしておくことがオススメです。
スマホも活用すると思いついたときに手軽に記録できるので、パニックになりそうなポイントに気付いたらメモするようにしてみてくださいね。
初めての入学式は、子どもたちの可能性を広げてくれるチャンスでもあります。
新しい経験を通して脳の発達が促されるとパニックや癇癪の改善にもつながっていくので、将来的にお子さん本人の負担を軽くすることにもつながります。
ぜひ、入学式前には情報収集+事前準備を書き出してチェックすることで、発達障害のお子さんの負担を減らしてあげてくださいね。
パステル総研では入学式対策の記事も配信しています!
こちらの記事では、目からウロコの「親の心構え」についてもお伝えしています。入学式に大らかな気持ちで参加できるようになる心構え、ぜひチェックしてみてくださいね!
発達障害の子どものお悩み解消方法をお伝えしています。
執筆者:三浦知花
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)