発達障害・自閉症スペクトラム傾向の女の子には、気付かれにくいけれども育てにくい、独特な特性があります。知的に遅れのない場合は、うまくいかないことに自信をなくしがちです。発達科学コミュニケーションは、そんな女の子の自信を育むことができます。 |
【目次】
1.発達障害・自閉症スペクトラム傾向で育てにくい女の子ってどんな子?
発達障害・グレーゾーンで自閉症スペクトラムの傾向がある女の子は、一見、困りごとは少ないように思います。
特に幼児期は、朝の準備などが比較的自分で進められたり、ひらがなをすぐに覚えたりしていて、見過ごされることも多いです。
逆にママ友との会話の中で、「しっかりしているよね」「落ち着いているよね」なんていう風に大人からは捉えられることさえあります。
幼稚園児は、まだ個人差も大きいですから、身の回りが自立しているだけですごくしっかりして見えるのは確かです。
ところが、お家では、
・会話が少しずつずれていく、噛み合わなくなる
・プライドが高く、繊細
・褒めても楽しいことがあっても、喜ばない
・表情が一定。いつも無表情、またはいつもニコニコしている
など、社会性の特性を感じているママは違和感や育てにくさを感じてしまいますよね。
自閉症スペクトラムは確かに社会性の特性がありますが、女の子と男の子では現れ方が違います。
実際に箇条書きで並べてみると、天邪鬼、とか、気難しい、とか、ツンケンしている、なんていう言葉で収められてしまいそうですね。
ましてや、グレーゾーンだとその特性も一部だったり、うっすらだったり。
本人には困り感があっても、周りはそれほど困らないため、対応が後手に回りがちです。
幼稚園や学校の先生、父親、親戚などは気がつかないけれど、一緒にいる時間が長いママは気が付くことも多いはず。
気付きを我が子の成長につなげたいところですよね。
2.自閉症スペクトラム傾向の女の子の、本音と葛藤。
知的に遅れのない女の子の場合は、幼稚園や小学校でも、普通に他の子と同じように生活をしていると思います。
ところが、自閉症スペクトラムの傾向のある女の子は、人との関わりの中で、少しずつ自信をなくしがちです。
一緒に遊びたかったのに、うまく言えなかった…
嫌だったのに、言えなかった…
うまくいかないことがあるのに、どう相談したらいいかわからない…
ああ、また強く意地悪なこと言っちゃった…
知的に遅れがないからこそ、失敗したこと、うまくいかなかったことがわかってしまうのです。
また、空気が読めない、ともよく言われますが、本当に全く空気が読めないと周りの動きにお構いなしに行動しても、何も感じないはず。
なんとなくでも、空気感を感じている子ほど、失敗経験が積み重なり自信をなくしてしまいます。
そもそも、令和になってもまだまだ謙虚が美徳の日本人。
小学生〜高校生向けのある調査では、「自分の良いところが何かを言うこと」が「できる」のは、55.3%、「できない」のは43.4%という結果が出ているそうです。
(東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所 共同研究プロジェクト「子どもの生活と学びに関する親子調査 2017」より)
つまり、半分近くの子どもは、自分の良いところがわからないのです。
自分の良さを見つけられる子ども、大人へと成長して欲しい…そう思う方が多いでしょう。
発達科学コミュニケーションには、その秘訣が詰まっているんです!
3.特性をプラスに活かしたコミュニケーションで、自己肯定感を育てよう!
発達科学コミュニケーションは、自己肯定感、自己効力感を育むことができるメソッドです。
自閉症スペクトラム傾向の女の子の特性に合わせて取り入れることで、成功体験を積み重ねることができます!
私がお勧めしたいのは、『できたよコレクション』です。
その中身は、お子さんの頑張りを徹底的に視覚化・言語化することにあります。
自閉症スペクトラム傾向のお子さんは、視覚情報の方がキャッチしやすいと言われています。
つまり、「すごいね」「頑張っているね」と声かけされることも有効ではありますが、それ以上に写真や文字にして褒められるととても効果的だということです。
ぜひ、お子さんが頑張っていることを写真に収めて見せてあげてください。
そして、余裕があったらアプリなどで何を頑張っているのか、言葉を添えてあげたり、プリントアウトしたりして集めてください。
ここで大事なポイントは、頑張った成果を撮りためるのではなく、頑張り始め、取り組み始めに注目することです。
取り組み始めたときに注目することで、さらにやる気が湧いてきます。
これから先、頑張ってもなかなかうまくいかないこともあります。
それでも、自分に自信をなくしてしまわないように。
おうちで蓄えた自信が、幼稚園や学校でのコミュニケーションを凪いだものに変えていきます!
ぜひ、やってみてください。
お子さんの発達につながる親子のコミュニケーションをたくさん公開中!
執筆者:原しおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)