苦手なことはすぐ諦める!?発達障害の子の諦め癖⇒行動力をあげる2つの秘訣!

発達障害の子どもは新しいことにチャレンジするのが苦手。「どうせ無理・・・」とすぐに諦める様子に悩んでいませんか?実は子どもの「諦め癖」にはお母さんの対応が大きく影響しています!今回は子どもの意欲を引き出し、行動力を上げる秘訣をお伝えします。
 

【目次】

 

1.発達障害の子どもがすぐに諦めるのは変えられないの?

 
 
発達障害のお子さんをもつお母さん、子どものすぐに諦めてしまう様子に悩んでいませんか? 
 
 
・「どうせ僕には無理だし」と言って、新しいことにチャレンジしようとしない
 
・何かに挑戦しても、ちょっとうまく行かないとすぐにやめてしまう
 
飽きやすく、1つのことに真剣に取り組むことができない
 
 
何事もそうですが、最後まで取り組むことで初めて結果を残すことができますよね。
 
 
しかし、すぐに諦めてしまうことが習慣化していると、
 
 
「できた!」という成功体験を積むことができない
 
その結果「自分はダメな人間だ」と自己肯定感が下がってしまう
 
 
というように、子どもは自信を失っていくのです。
 
 
年齢が上がれば部活や受験など、目標に向かって試行錯誤しながら壁を乗り越える力が必要になる場面は増えてきます。
 
 
さらに社会人になると、責任を持って仕事に取り組むことができなければ、周りからの信頼を失います。
 
 
その結果、職を転々とすることになる可能性もあるんです。
 
 
だからこそ、「すぐに諦める我が子をなんとかしたい!」「最後までやり切れるようにもっと根性を付けなければ!」と焦っているお母さんもいるかもしれませんね。
 
 
 
 
しかし待ってください!
 
発達障害やグレーゾーンの子どもにいきなり「最後までやり抜く力」を求めるのはちょっとハードルが高すぎます
 
 
なぜなら、発達障害・グレーゾーンの子どもは脳の発達が未熟なために、
 
 
・苦手なことやできないことが多い
 
・とにかくエンジンがかかりにくい
 
・ネガティブな記憶を残しやすいので、ちょっとしたトラウマで強い拒否感を示すようになってしまう
 
 
などの特性があり、諦め癖がつきやすい傾向があるからです。
 
 
ですから、「何とかして根性をつけよう!」というスパルタ方式ではなく、脳を育てるという視点から子どもの行動力をしっかり育ててほしいのです。
 
 
実は子どもの諦め癖には、普段のお母さんの対応が大きく関係していると言われています。
 
 
つまり、お母さんが適切な対応を取れば子どもの行動力を育てることができる!
 
 
そこで今回は、すぐに諦める子どもから意欲を引き出す秘訣をお伝えします。
 
 
発達障害&グレーゾーンの子どもの育て方
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2.子どもに諦め癖をつける、親のNG対応とは?

 
 
ここで1つ質問です。お子さんは幼い頃からすぐに諦めるタイプでしたか?
 
 
もちろん、もともと不安が強いなど生まれ持った気質が関係していることもありますが、実は子どもの「諦め癖」を作っているのは周りの大人や環境が原因の1つなんです。
 
 
脳のメカニズムから見ると、私たちの行動は記憶に左右されることが多いと考えられています。
 
 
例えば何かやろうとしたときに、過去にうまくいった経験があれば「またやってみよう」と思いますし、逆に失敗した経験があれば「もうやめておこう」と思いますよね。
 
 
つまり、お母さんが
 
 
ネガティブな感情を記憶に残す→子どもはすぐに諦めるようになる
 
ポジティブな感情を記憶を残す→子どものやり抜く力を育ててあげることができる
 
 
ということです。
 
 
そこでまずは、ついやりがちな子どもに諦め癖をつけてしまう親のNG対応についてお話しします。
 
 

◆「こうあるべき」を押し付ける

 
 
1つ目は、親自身の「こうあるべき」を子どもに押し付けてしまうことです。
 
 
私たち親はついつい、失敗をしてほしくないという心配やしっかりしつけなくては!という焦りから、子どもに自分の考えを押し付けがちです。
 
 
しかし、発達障害・グレーゾーンの子どもは苦手なことが多いため、
 
 
・宿題はきっちりやる
 
・時間は必ず守る
 
・忘れ物はしない
 
・人に迷惑をかけてはいけない
 
 
など、親の「こうあるべき」が全く通用しないことが多くあります。
 
 
脳の特性は子ども本人にもコントロールが難しいもの 
 
 
ですから、そこで「どうしてできないの?」と叱り続けてしまうと、子どもはどんどん自信を失ってしまいます。
 
 
そして、子どもは「どうせ自分には無理だし…」とすぐに諦めるようになるのです。
 
 
 
 

◆感情的に叱る

 
 
2つ目は感情的に叱ることです。
 
 
例えば行動が遅い子どもについイライラして、「早くして!」とつい自分の感情をぶつけてしまうことはありませんか?
 
 
こんな風に感情的に叱ることは、子どもの行動を否定していることにつながります。
 
 
子どもは否定されるとやる気をなくし、「どうせ自分は何をやっても叱られる」と諦めるようになっていきます。
 
 
その結果、自分で考えて行動しなくなり、本来ならできることもできなくなってしまう場合もあります。
 
 
つまり、すぐに諦める子どもから意欲を引き出すためには、
 
 
・親の「こうあるべき」を手放して、子どもに自信をつけることを最優先する
 
・感情的に叱るのではなく、行動を促す肯定的な声かけをする
 
 
ということがポイントになってくるんです。
 
 
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3.子どもの意欲を引き出し、行動力をUPさせる秘訣はコレ!

 
 
まず、子どもの意欲を引き出して行動力を上げるために最初にやってほしいのは、あれこれ口出しするのをやめることです。
 
 
私たち親はつい、
 
 
「宿題しなさい!」
 
「部屋を片付けて!」
 
 
などと、指示出しすることが多くなりがちですよね。
 
 
しかし、あれこれ口出しするというのは、子どものできていないところを指摘して、やる気を奪っていることになります。
 
 
さらに、周りに迷惑をかけないようにと「ダメ!」「〇〇しないで!」と否定的な声かけをすることはありませんか?
 
 
実はこういった禁止の言葉には、子どもの脳の働きを止め、行動力を奪ってしまう力があるのです。
 
 
ですから、子どもの行動力を引き出すために必要なのはガミガミ言うことではなく、成功体験を増やして脳を発達させることなんです。
 
 

◆目標はスモールステップで

 
 
最初にもお話したように、発達障害グレーゾーンの子どもにいきなり完璧にやり切ることを求めるのは、ハードルが高すぎます。
 
 
ですから、お母さんが今までの常識を捨てて「まずはここまでできればOK」とハードルを低くして、スモールステップで目標を設定してほしいのです。
 
 
例えば、
 
 
・おもちゃが出しっぱなしでも、時間通りに家を出られたらOK
 
・部屋の片付けで本を1冊でも戻せたらOK
 
・「お風呂に入ってね」と声をかけて、とりあえず返事が返ってきたらOK
 
・答えを見てもいいから宿題に取り組めたらOK
 
 
こんな風に、一見非常識だと思えるようなレベルまで、求める目標をぐんと下げてください
 
 
「こんなにゆるくしたら、ますます根性がなくなるのでは?」と心配になるかもしれませんが大丈夫です。
 
 
すぐに諦めてしまう子どもに、あれもこれも完璧にやらせようとするのはNG。
 
 
まずは自信をつけることを最優先して、何か1つ「できた!」という経験をさせてください。
 
 
 
 

◆子どもの頑張りや成長を褒める

 
 
目標をうんと下げてあげたら、次にやってほしいことは子どもの頑張りや成長を褒めることです。
 
 
誰かと比べるのではなく、子ども自身を基準にしてあげてくださいね。
 
 
例えば
 
 
・おもちゃが出しっぱなしだが、時間通り家を出ることはできた
「ちゃんと時間守れたね」
 
・いろんな物が散乱しているが、本を1冊片付けてくれた
「あ、本片付けてくれたんだ!」
 
・声をかけたらとりあえず「分かった」と返事は返ってきた
「返事してくれてありがとう」
 
・答えを見ながらではあるが、宿題を終わらせることができた
「宿題できたね」
 
 
というようにできたところだけに注目して、子どもの行動をそのまま口にしてあげましょう。
 
 
お母さんが「当たり前にできていることを褒める」ことには、
 
 
・ガミガミ言わなくても、子どもは自分が今何をすべきなのか理解できる
 
・「できた!」と成功体験を積むことができる
 
 
という効果があります。
 
 
さらに例え完璧にできなくても、できたところだけに注目することで失敗と思えることも成功と捉えることができます。
 
 
その結果、自信がつき、お母さんがあれこれ指示を出さなくても自分で考えてサクサク行動するようになっていくんです。
 
 
 
つまり、最後までやり抜く力が育つんですよ。
 
 
いかがでしたか?
 
 
すぐに諦める子どもから意欲を引き出し、行動させる秘訣は
 
 
・スモールステップで目標を設定すること
 
・子どもの頑張りや成長を褒めること
 
 
の2つです。
 
 
お母さんの対応で成功体験を増やし、子どもの行動力をしっかり育ててあげてくださいね!
 
 
また、こちらの記事では子どもの行動力を育てる秘訣をお伝えしています。合わせてチェックしてくださいね。
 
 
 
 
 
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執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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