発達障害の診断の有無にかかわらず、気質的に不安や恐怖の感情を抱きやすい人がいます。事情は様々だと思いますが、気質自体を解消するには難しいことも。着目するべき視点を少し変えることで、不安や恐怖とうまく付き合えるようになるんです。 |
【目次】
1.発達障害の診断はないけれど、生きづらい!
「生きづらい!」このような言葉が頻繁にメディアでも登場するようになりました。
この言葉を聞くと、どうしても発達障害の方へ考えてしまいませんか?
実際に、発達障害の人は、思考回路が少し特殊なこともあり、集団生活や、社会生活の中では生きづらいと感じてしまうことが多いようです。
しかし発達障害の診断こそないものの、自分はとても不安や恐怖の感情が湧きやすいんだという気質を持っている方もおられるのではないでしょうか?
自覚はしているけれども、診断を受けるほどのことでもない。しかし、この不安や恐怖という感情に多少なりとも違和感がある。
この感情のせいで、やろうと思ったことも行動に移せなくなってしまう。どうしていつもこうなんだろうと思っている人もいると思います。
この違和感はどうにか対処していきたいものです。それにより今よりもはるかに行動の幅が増えるなら尚更です。
今回は、この気質を有する者の一人として、私自身が、不安や恐怖に感じたときに行うことをお伝えします。
診断こそ受けてはいないものの、不安や恐怖に感じやすい気質のお子さんがいらっしゃいましたら、置き換えて対応していただけると幸いです。
2.不安や恐怖の感情に支配されやすいのは損!
自分の行動の幅が狭いなぁと感じたことはありませんか?私は常に自分のことをそう感じています。
それはなぜか?どこか不安を感じているから、安心できる場所から自分の変化を好まないんですよね。
不安や恐怖の感情に支配されてしまうと、どうしても行動が抑制されてしまうのです。そうなることで、気持ちのどこかでやりたいな!と思っていることですら、いざ行動を起こそうとなると躊躇してしまう。
私なんかがやって大丈夫かな?もし失敗したらどうしようかな?などと次々と不安が大きくなり、結果として何もやらずに時間だけ過ぎてしまうのがこのタイプの人なんですよね。
今まで書いたことは全て、実は私のことです。私も、自分自身が発達凸凹があり、不安や恐怖といった感情に振り回されやすい傾向があります。
実際に、今、過去を思い返してみても、なぜあのときに行動しなかったんだろう?と悔やむことも一つや二つではありません。
不安や恐怖の感情が強い人は、そうでない人に比べ体験や経験の数が明らかに変わってくると思います。せっかくのチャンスを掴み取れないのはもったいないですよね。
しかし、自分の傾向を理解することで、不安や恐怖に振り回されることなく行動まで持っていけるようになったんです。
次項で説明していきますね。
3.上手に付き合うには着目するべき点を変えること
私の事例を前項で書きましたが、私が自分の不安や恐怖に振り回されないように日々意識していることをお伝えします。
発達障害の診断の有無にかかわらず、気質として不安や恐怖に苛まれやすい人の参考になれば嬉しいです。
必ず、不安や恐怖には、そう思う背景が絶対に存在します。
不安や恐怖の感情が湧いてきたときには、その感情をそのまま受け止めます。そして、受け止めてそのまま流されるのではなく、そうなる背景に着目します。
どうして自分は不安に今なっているのか?何が怖いと感じているのか?と、理由を探す作業を毎回行います。
面倒な作業ともいえますが、この作業を繰り返し行うことで、自分がどの状況のときに不安や恐怖の感情が湧いてきやすいのか?がわかってきます。
同じような場面で不安を感じたときには、私はこういう状況だから不安に感じるんだな!だったら、こうして乗り切ろう!と解決策へつなげることができます。
我が家では、私だけでなく娘も不安や恐怖の感情が強く湧いてきやすいので、娘へも背景に着目してその先にある不安感や恐怖感に対応するようにしています。
例えば、娘のことを例に挙げると
・急な指しゃぶりが始まったが、背景は小学校進学への不安
・幼稚園が怖いからと登園をしぶるようになったが、背景は給食で早く食べるよう急かされるのが苦痛だった
このように背景がわかれば、小学校進学に向けてポジティブな情報を伝えていったり、給食は食べ終わらなくても家に帰ってから何かしら食べたら大丈夫ということを伝えてあげるだけで、ずいぶんと不安や緊張は和らぐはずです。
自分への対応も、子どもへの対応も、つい目先の不安や恐怖の感情に振り回されてしまいますが、それ以前の背景に着目してあげることで冷静に対処できるようになるんですよ。
そうは言っても、もともと生まれ持った気質もあると思いますし、不安や恐怖という感情が湧くことは当たり前のことです。しかし、日常生活に支障をきたしてしまったり、行動が抑制されてしまったりするのは困りますよね。
診断の有無に関係なく、常に自分の感情の裏側を知り、上手に付き合えるようになりたいですね。
お母さんの不安解消のヒントがこちらの記事でも紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね!
執筆者:みずおち梨絵
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)