発達障害児の小学校入学準備~やっていいこと・ダメなこと丸わかりガイド~

 

半年後に迫った小学校入学。発達障害のお子さんをお持ちのお母さんは、心配が募っている時期ですね。小学校生活にスムーズに適応できるよう、いろいろ準備したい!と思っているなら、ちょっと待って!準備のやり方によっては全く逆効果になってしまうんです。
 

【目次】

 

1.小学校入学を考えると悩みが尽きないお母さん、いませんか?

 
 
小学校入学まで残り2ヶ月を切りました。
 
 
心配が尽きない…というお母さん、いらっしゃいませんか?
 
 
遊び中心の園生活から、勉強中心の学校生活へ。環境の変化はとても大きな負担になります。
 
 
特に発達障害・グレーゾーンのお子さんで、環境の変化が苦手だったり、不安感が強かったりすると、お母さんもうまく小学校生活に適応できるか、心配ですよね。
 
 
幼稚園の先生に相談されたり、学校見学に行って先生とお話しされたり、よりお子さんに合った進学先を求めて就学相談を受けられたりされている方もいらっしゃると思います。
 
 
ここでひとつお聞きします。もうお母さんのご心配は払しょくされましたか?
 
 
いいえ、ますます不安になってきました…というお声が聞こえてきそうですね。どんなにお母さんが心を砕いて準備しても、実際に学校が始まってみなければ分からないことが多いですよね。
 
 
 
 
だからこそ、「ほかに何かできることはないかな?」と常に探していらっしゃいませんか?
 
 
今日は、
 
うちの子、大丈夫かな…と心配が尽きないお母さん、
しっかり入学準備をして送り出したい!というお母さんに、
 
絶対やってほしくない「入学準備のNG行為」についてお伝えします。
 
 
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2.入学準備のチェック項目に振り回された私

 
 
小学校に入って苦労しないように、今からしっかり準備させたい!
 
何かできることはないかな?
 
そうお考えのお母さんは多いと思います。
 
 
勉強や身辺自立について入学までに○○をマスターしましょう、という情報は大量にありますよね。
 
 
大きな声であいさつできるようになりましょう
 
ひらがなは全て読めるようになりましょう
 
自分の名前は書けるようになりましょう
 
時計が読めるようになりましょう
 
お箸で食べられるようになりましょう
 
●分で食事が終わるようにしましょう
 
夜は9時までに寝て、朝は6時に起きましょう
 
自分で持ち物の準備ができるようになりましょう
 
困ったときは「助けて」と言えるようになりましょう…
 
 
「小学校入学準備」とネットで検索すると、大体このようなことが書かれてあります。
 
 
私の息子は現在小学校1年生。去年の今頃、私もこんな「○○できるようになりましょう」という情報におびえていました。
 
 
息子は発達障害・自閉症スペクトラムの診断があります。息子は発達の凸凹が大きく、できることとできないことの差が激しいタイプです。
 
 
例えば、数字やひらがなは得意なので、時計を読んだり、ひらがなの読み書きは問題なし。ルーティンが得意なので、持ち物の管理も大丈夫だろうと思っていました。
 
 
でも、睡眠リズムが崩れやすい息子は、夜9時に寝るなんてまずありませんでしたし、食事もゆっくりペース。
 
 
勉強面よりも生活面でできていないことが目立ちました。
 
 
「私がちゃんと生活リズムを作っていないからだ…」と自分を責めることもしばしば。
 
 
 
 
早く寝られるように時間を調整しても、食事がうまく進むようにおやつを控えても、うまく行ったためしがありませんでした。
 
 
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3.「小学校」にネガティブなイメージを持たせちゃうトレーニングは絶対NG!

 
 
みなさんも、インターネットなどで出回る「小学校入学準備」の情報をチェックして、できていない項目をリストアップして、できるように練習させなきゃ!と焦っていませんか?
 
 
もしかしたら、「今、頑張ってトレーニングさせてます!」という方もいらっしゃるかもしれません。
 
 
今回の記事でお伝えしたいのは、そのトレーニングの是非について。
 
 
そのトレーニング、お子さんが楽しんでやってますか?
 
 
お子さんが楽しんでやっているのならいいんです。
 
 
イヤイヤながらなんとかやっている、嫌がってやろうとしないけど無理にやらせている、という方、今すぐストップしてください!
 
 
そんなこと言ってたら小学校行ってから苦労するじゃない!と思ったお母さん。
 
 
今すぐ中止してほしいワケをお伝えします。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもはネガティブな記憶を蓄積しやすい傾向があります。
 
 
例えば、子どもにひらがなを覚えさせたいからといって、「ちゃんと座って覚えなさい!」と遊びを中断させて無理にお勉強タイムにしたとしたら、子どもはどうでしょうか?
 
 
「これは何?…違う!全然覚えてないじゃない」と叱ったとしたら、子どもはひらがなを好きになれるでしょうか?
 
 
興味のないものを無理やりさせようとすると、ネガティブな記憶がインプットされてしまい、拒否するようになってしまいます。
 
 
子ども本人が興味を示したり、やる気にならない限り、うまくいかないんです。
 
 
そんな状態で最後のダメ押し!
「こんなんじゃ小学生になれないよ!」
なんて言ってませんよね…?
 
 
不安感の強いタイプのお子さんなら、この一言で一気に自信を失くしてしまいます。「ひらがなが読めない自分は小学生にはなれない」、と本気で思ってしまうんです。
 
 
無理やりやらせても、子どもの小学校に対するネガティブな印象は強まっていく…これでは本末転倒ですよね。
 
 
 
 

4.発達障害・グレーゾーンの子どもに今を楽しんでほしいワケとは

 
 
「小学校に入って子どもが苦労しないように」という思いは当たり前。ここで少し考え方を変えてほしいんです。
 
 
「苦労しないように」ではなく「毎日楽しく笑顔で学校に通えるようにと考えてみませんか?
 
 
こう考えれば、子どもが嫌がっているのにトレーニングさせることに違和感がありませんか?
 
 
毎日楽しく笑顔で学校に通ってほしい。そう考えたときに今お母さんができることは何でしょうか?
 
 
そう!今楽しい毎日を送ることです。
 
 
今、お子さんが楽しく生活できていないのに、小学校に入ったら楽しく生活できますか?これはおうちでの生活も、園での生活もそうです。
 
 
「しんどいけど、今頑張ったら、小学校に入ったらきっと楽しいよね…」
 
 
と考える幼児はいません。
 
 
「まだ見えない未来のために今頑張る」ことを、自分で納得してできるようになるのは、小学校高学年ぐらいからだと言われています。
 
 
ということは、小学校生活を楽しみに迎えるためには、
 
 
「今幼稚園がこんなに楽しいんだから、小学校はもっと楽しいはずだ!」
 
「今がすごく楽しいから、これからもっと楽しいはずだ」
 
と自然と思えるようにすることが唯一の方法なんです!
 
 
 
 
今、お子さんは、
 
 
キラキラした笑顔で笑っていますか?
 
幼稚園、楽しい!と元気に登園していきますか?
 
「お母さん、大好き!」とハグしてくれますか?
 
 
あれ?ちょっと違う…?と思った方、就学準備は…
 
 
お母さんが「○○、大好きだよ!」と言ってハグすることから始めてください!
 
 
1日1回は必ずやってください。もちろん何回やってもOKです!
 
 
まずはお母さんとの信頼関係をしっかりと作って、おうちを安全基地にすることから始めるのです。幼稚園でも、小学校でも、「何があってもおうちに帰れば大丈夫!」という無条件の安心感を作ってください!
 
 
一見、入学準備とは関係ないように思えるかもしれません。
 
 
でも、小学校入学という大きな環境の変化を乗り切っていくには、おうちがほっとリラックスできて、エネルギーチャージできる場所であることは必須条件です。
 
 
その根幹になるのが、「お母さんは僕(私)のことが大好きだから♪」という無条件の愛情をしっかりキャッチしていることなんです!
 
 
子どもが自分から「お母さん、大好き~!」とハグしてくれるようになったら、まずは第一関門突破です。
 
 
お勉強や身辺自立の練習に必死になってついキツくなってしまう、頑張り屋さんのお母さん。第一関門突破までは、トレーニングはすべてお休みすることをお勧めします!
 
 
大好きなお母さんと、今笑顔で楽しく過ごすことこそが、小学校生活へのワクワクを高める唯一の方法です。まずは今日幼稚園から帰ってきたら、「大好きだよ!」と伝えてあげてくださいね。
 
 
 
 
第一関門を突破して、お母さんとの信頼関係がばっちりになってからの方が、トレーニングもうまく行きます。
 
 
そうなってから始めてほしい、小学校入学準備についてはこちらにまとめておきますね。
 
 
 
 
 
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 

 

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