空気が読めない子どもがコミュ力をつけるには「〇〇眼」を持つことです。これにはママの協力が欠かせません!ママが「〇〇眼」の視点を持って、お子さんとコミュニケーションをとると必ず空気が読めるようになります。ぜひ記事を参考に実践してみてください。 |
執筆者:今村裕香
発達科学コミュニケーションリサーチャー
子どもに伝わる言葉の専門家。こどもが毎日”ちいさなしあわせ”と出会えるmamaの愛教「パステルキッズの脳に届く1日3分ママのフレーズ」でママが言葉で子どもに愛を伝え、愛を持って子どもを育て教えていく方法をお伝えしています。
【目次】
1.空気が読めない子どもに困っているお母さんへ
今回は、空気が読めない子どもにお困りのお母さんへ読んでいただきたい内容です。
そもそも「空気を読む」「空気が読めない」とはどういうことでしょうか?
辞書で調べるとこのように検索されます。
その場の雰囲気から状況を推察する。特に、その場で自分が何をすべきか、すべきでないか、相手のして欲しいこと、して欲しくないことを憶測して判断する。
出典元:goo辞典
「空気を読む」とは「察して推測する」こと。まさしく日本人特有の文化みたいなものですよね。
ですが「空気を読めない」と言われる子どもたちは
・周りに協力しない
・力を出そうとしない
・会話の意図や筋を理解せず会話が噛み合わない
・自分の好きなことを一方的に話し続ける
このような傾向のある子どもが多いです。
自閉症スペクトラム(ASD)の子どもたちに共通してあげられる特性が2点あります。
1つ目が、対人関係・コミュニケーションの難しさ
2つ目が、こだわりの強さ
「空気が読めない」ことはこの1つ目のコミュニケーションの難しさによるものと考えられます。
このように相手とのコミュニケーションがうまくとれず自分勝手で自分本位に見える行動をとることで、周りに迷惑をかけたりトラブルになってしまうことが多くなりがちです。
トラブルが続くと、お母さんは周りの目を気にしたり謝ってばかりと精神的にとてもしんどくなってしまいますよね。
昔の私もそうでした。
このようなときに昔の私は
「今はお話を聞く時間だよ!」
「みんなもやってるから〇〇君もきちんとやって!」
と、子どもに注意や指摘ばかりしていました。
その結果どうなったかというと、、。
注意された子どもの行動は収まるどころかますます叱ることが増えるばかりでした。
叱っても叱っても効果がない!
「どうして分かってくれないの!」と私のストレスは増すばかりで、おそらく悲壮感が漂っていたと思います。
昔の私は空気が読めない子どもにいくら叱っても効果がないことを知りませんでした。
その後、私は発達科学コミュニケーションで子どもの発達と成長について多くの学びを深め、実は子どもが空気を読めないことには理由があり空気が読めるように変われることを知り、気持ちがとてもラクになりました。
そうなのです!
子どもを叱ったり注意する前に私たち親がやれることがあるのです!
2.発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)の子どもが空気を読めない理由と弊害
では、どうして空気を読めないのかについて少し掘り下げていきましょう。
発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)の子どもが「空気が読めない」と言われるような行動をとってしまうのは、状況判断をする脳のエリアが未熟なことから起こります。
おそらく相手の話や言葉は聞いているし、見ているのでしょう。
ですが言葉の上っ面だけを理解しているだけと考えられます。
空気を読めないタイプの子どもは、観察する眼が育っていないので外からの情報をキャッチしにくい状態です。
つまり、観察する眼が育っていないため相手の表情・顔色・態度や場の雰囲気と言った情報を受けとることができにくいのです。
その結果、場にそぐわない行動をしてしまうのです。
これが「空気が読めない」と言われる理由です。
加えて発達障害の子どもにとって問題なことは、空気を読めないことからくる二次的な弊害です。
発達障害の子どもはネガティブな情報を記憶に留めやすいという特性があります。
空気の読み方を間違ってしまい失言や失態を繰り返し起こすことで、親や友達や先生から色々言われたり叱られたりしてしまいます。
発達障害・ASDの子どもたちは、悪気なく空気が読めない発言をしているのでどうして叱られるのか理解できません。
そして、叱られた内容よりも叱られたという事実だけが記憶に残りやすい特性から「どうせ誰も僕(私)のことを解ってくれない」と自分を否定されたと感じるようになるのです。
こうして叱られたり失敗する経験をする度に子どもの自己肯定感がどんどん下がっていきます。
叱ってもやめてほしい行動はなくならないし子どもの自己肯定感はボロボロになってしまう、こんな悪循環は今すぐ断ち切りましょう!
では、どうしたら悪循環を断ち切り子どもが空気を読み、円滑なコミュニケーションができるようになるのでしょうか?
3.子どものコミュニケーション力をアップさせる実践法!
ここまでの話から、相手の表情・顔色・態度や場の雰囲気と言った情報を受け取れるようになれば、会話の前後や背景が見えてきやすくなることがわかりましたね!
ではここから「空気が読める子」になる具体的な方法をお伝えしていきますね。
重要なのは子どもの観察する眼を育てることです。
子どもの「観察する眼」が育てば空気を読めるようになるし認められることも増えます。
そのためにお母さんがすることは状況判断を促す声かけをすることです!
例えばリレーの練習をしている場合
「今は何をする時間?」
「まわりの人たちはどうしてるかな?」
と、周りを自分の目で確かめさせます。
見ていないと言うことは興味のないことです。
お母さんが子どもに声かけをすることで意識して周りをよく観るようになります。
この工程がとても重要です!
「今、みんなでリレーをがんばっている。」
と子どもに状況を確認させ言語化する練習をしましょう。
ついお母さんが先回りしがちですが、ここはぐっと我慢をして子どもが言葉を発するまで待ってあげてくださいね!
次にお母さんが
「みんなリレーをがんばってるね。じゃあ、〇〇君(ちゃん)はどうする?」
と、周りを観察した上で自分が何をする必要があるのか考えさせましょう。
状況を把握した上で判断する練習です。
この一連の会話で思考力を鍛えることができます。
そして
「僕(私)もリレー頑張る!」
「僕(私)走りたくないから応援をするよ。」
と子ども自らが気持ちや考えを言葉にすることで、次にとる行動を促すことができます。
このように日頃何気なくやっているコミュニケーションに声かけの工夫を加えることで脳を発達させることができるのです!
大袈裟に感じられるかもしれませんが、どんなときでも
周りは何をしているかを観る
↓
何をしているかを言語化する
↓
その上で自分は何をするかを考える
↓
自分が何をするかを言語化する
↓
行動に移す
これを繰り返し繰り返し続けていくことで観察眼も脳も鍛えられ、「空気を読める子」に変化を遂げていくのです。
「空気を読む」テクニックを身につけると周囲に認められることも増えてきますので、それに伴い子どもに自信がわいてきます。
このような成功した経験や体験を積み重ねることにより様々なことを「やってみよう!」と思える思考回路に変わってきます。
色々なトライをして上手くいった経験や達成感が蓄積されてきた証拠ですね。
ここまで来れば子どもの自己肯定感もアップしていますし、空気を読めるようにもなっているはずです!
この子どものコミュニケーション力をアップさせる実践法は、ご家庭で日々少しずつ継続していくことでこそ効果が出ます!
学校や療育施設などでは物理的にも精神的にも一人の子どもに関わる時間は限られていますので、そこに多くを求めるのは少し難しいと思われます。
日々子どもと接しているお母さんだからこそ、子どもに適切な声かけができるのです!
親子の会話を通し子どもの観察する眼を育てコミュニケーション力をアップさせてくださいね!
発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)の子どもが「空気を読める子」に変身するお役に立てれば幸いです。
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執筆者:今村裕香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)