お正月だって怖くない!空気が読めない発達障害の子どもには「マナーを先取り」で困りごとを解決!

空気が読めない発達障害の子どもの行動は、時として「マナー違反」と捉えられてしまうことがあります。子どもに悪気はないのに自信を失うきっかけになってしまうことも…。そこで今回はお正月前に実践してほしい、マナーの伝え方を紹介します。
 

【目次】

1.空気が読めない発達障害の子の行動に困っていませんか?
2.なぜ空気が読めない行動をとるの?
①衝動性がある
②状況を読み取るのが苦手
③慣れない環境が苦手
3.マナーを先取りで困りごとを解決!
①理由を伝える
②やるべきことを教える

 
 

1.空気が読めない発達障害の子の行動に困っていませんか?

 
 
もうすぐお正月ですね。
 
 
今年は新型コロナウィルスの感染拡大も落ち着き、久しぶりに実家に帰省したり、ご親戚に会ったりする方もいらっしゃると思います。
 
 

 
 
そんな状況の中、発達障害の子どもの様子はどうですか?
 
 
・お年玉をその場で開けてしまう
 
・自分の好きな料理があると、他の人の分を考えずに好きなだけとってしまう
 
・みんなが食事の準備を始めているのに、一人だけ遊んでいる
 
・みんなが食事中にも関わらず、時間だからと帰り支度をはじめてしまう
 
 
こんな風に空気が読めない行動が目立ってしまい、毎年の帰省が苦痛だと悩んでいませんか?
 
 
もともと日本の文化には暗黙のルールが多いという特徴があります。 さらに、帰省先で親戚が集まる場というのは、普段のお家の状況とは異なる点がたくさんあります。
 
 
空気が読めない発達障害の子どもの行動は、本人には悪気がなくても「マナー違反」にも見えてしまうこともあるのです。
 
 
しかし、空気が読めないことには脳の特性が大きく関係しています。そのため、子どもを叱ってもなんの効果もありません。それどころか子どもの自信を奪うことになってしまうだけなんです。
 
 
そこで今回は、空気が読めない発達障害の子どもに、お正月の前にしてあげてほしい対応をお話しします。
 
 

2.なぜ空気が読めない行動をとるの?

 
 
ではなぜ、発達障害の子どもは空気が読めない行動を取ってしまうのでしょうか?ここでは主な理由を3つ紹介します。
 
 

◆①衝動性がある

 
 
これは、注意欠陥多動性障害(ADHD)タイプに多い特性です。発達障害の子どもは、後先考えずに衝動的に行動してしまう傾向があります。
 
 
そのために、
 
 
「いくら入っているのか気になってその場でお年玉を開けてしまう」
 
「他の人の分を考えずに、料理を好きなだけ取ってしまう」
 
 
など、「マナー違反」と見られてしまうような行動を取ってしまうのです。
 
 

◆②状況を読み取るのが苦手

 
 
これは、自閉症スペクトラム障害(ASD)タイプに多い特性です。
 
 
発達障害の子どもは相手の表情や行動などから気持ちを察することが苦手です。つまり、言葉にしてもらえないと状況を理解することができないのです。
 
 
そのために、
 
「みんなが食事の準備を始めているのに一人だけ遊んでいる」
 
などその場に合った行動を取ることができないのです。
 
 
 
 

◆③慣れない環境が苦手

 
 
これも自閉症スペクトラム障害(ASD)タイプに多い特性です。不慣れな環境にいることが苦痛と感じるのです。
 
 
つまり、慣れている場所ではできていても、違う場所では今、何が起きているかを自分で想像して考えて行動できないのです。
 
 
そのために、
 
「みんなが食事中にも関わらず、時間だからと身支度をはじめてしまう」
 
などその場にそぐわない行動をとってしまうのです。
 
 
では、お母さんは子どもにどんな対応をしたらいいのでしょうか?
 
 
空気が読めない発達障害の子どもに必要なのは、その場で空気を読まなくてもいいように、あらかじめ予習をさせてあげることなんです。
 
 

3.マナーを先取りで困りごとを解決!

 
 
では、空気が読めない発達障害の子どもに必要な事前準備とは何でしょうか?ここでは、マナーを予習する際のポイントを2つお伝えします。
 
 

◆①理由を伝える

 
 
発達障害の子どもは見通しを持ったり、相手の気持ちを想像したりすることが苦手です。
 
 
これに対応するためには、
 
 
「こういう行動を取ると周りの人はどんな気持ちになるのか、どう言うことが起こるのか」を事前に説明してあげることが必要です。
 
 
例えば、
 
 
「お年玉をその場で開けると、くれた人は嫌な気持ちになるんだよ」
 
「〇〇くんがいっぱいおかずを取ると、他の人が食べる分がなくなっちゃうんだよ」
 
 
などと1つずつ説明してあげてください。
 
 

◆②やるべきことを教える

 
 
理由を伝えたら次にやってほしいことは、子どもにやるべきことを具体的に教えることです。空気を読むのが苦手なタイプの子どもは「ルール化」するとうまくいく傾向があります。
 
 
「お年玉をもらったらお礼を言おうね」
 
「お年玉は開けずに、自分のカバンにしまっておこうね」
 
「唐揚げは2個までだよ」
 
「お母さんが声をかけたら遊ぶのをやめて、ご飯の準備をしようね」
 
「みんなが食べ終わっってから、帰る準備しようね」
 
 
などと「こういうときは、こうする」と1つ1つ教えてあげましょう。ただ、実践できるようにするためにはもう一工夫必要です。
 
 
「お年玉をもらったらまず言うことは何かな?」
 
「お年玉はその場で開けてもいいんだっけ?」
 
 
などと、クイズのようにして楽しみながら確認しましょう。そして正解できたら、たくさん褒めてあげてくださいね。
 
 
予習の段階でしっかり自信をつけてあげることで、実際の場で正しい行動を取れるようになりますよ。
 
 
大人の発達障害と言われる人の中には、空気が読めないことで周りから理解されず、対人関係のトラブルをおこし、仕事がうまくいかず悩んでいる人が多くいます。
 
 
しかし、子どものうちからマナーを教え、しっかり自信をつけてあげることで、困りごとを大人に持ち越さず将来の生きづらさを解消してあげることができるんです。
 
 
いかがでしたか?
 
 
空気が読めない発達障害の子どもには、事前の予習が大事です。お母さんの対応でしっかり自信をつけてあげてくださいね。そして、帰省が苦痛だったお母さんも楽しいお正月を過ごしてくださいね!
 
 
こちらの記事では 「空気が読めない」問題の改善策もお伝えしています。あわせてチェックしてみてくだいね。
 
 
 
 
 
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執筆者:森あや
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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